本当に太りにくい体の作り方とは? 基礎代謝UPに効果的な運動

効果的に基礎代謝量を増やすには週2回の有酸素運動を

安全かつ効果的に運動するには、運動頻度、時間、強度が重要

1日の消費エネルギーの6割は基礎代謝量

 肥満の解消には、食事による摂取エネルギーよりも、日常生活や運動などによる消費エネルギーが上回るようにする必要があります。それには、食べる量を減らし、消費エネルギーを増やすことが大切です。

 運動などで消費するエネルギーを活動エネルギーといいますが、意外なことに、1日の消費エネルギーのうち、活動エネルギーの占める割合は30%程度にすぎず、6割は基礎代謝量です。
 基礎代謝量というのは、一言でいえば、体を動かさなくても消費するエネルギーのことです。呼吸をしたり、体温を保ったり、心臓を動かしたりといった、生命を維持するために必要な最小限の消費エネルギーです。

 よく、「若いころと食事の量は変わらないのに、体重がどんどん増えてしまった」という声を耳にします。体重が増える、太るというのは、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回るから。摂取エネルギー量が同じだとすれば、消費エネルギーが減っているのです。消費エネルギーを減らしている原因の一つは、基礎代謝量が年齢とともに低下していること。それに気づかず、若いときと同じだけ食べていれば、肥満に拍車をかけてしまいます。

 もし、本気で肥満を解消したり太りにくい体にしたいのなら、消費エネルギーの6割を占める基礎代謝量の低下をくい止め、アップさせることが必要です。

有酸素運動をすると臓器の基礎代謝量も上がる

 基礎代謝量が増えると、安静にしているときでもより多くのエネルギーを消費することができます。基礎代謝量をアップさせるのに一番効率的なのは、ウオーキングなどの有酸素運動を行うことです。

 よく、「筋力トレーニングを行って筋肉の量を増やすと、基礎代謝量もアップする」といわれます。確かにそのとおりですが、それよりも有酸素運動を定期的に行うことのほうが、ふだん運動習慣のない人にとって無理もなく、効果が期待できます。

 有酸素運動は、文字どおり酸素を十分に体内に取り込みながら行う運動です。そのため、心肺機能が高まって心臓や肺が活発に働き、全身の血行がよくなって、血液や酸素をもらった体の各部が活性化されます。その結果、筋肉だけでなく、各臓器の基礎代謝量がアップするのです。

 有酸素運動は、激しすぎずゆっくりと長時間行える運動なら何でもよいのですが、ウオーキングのほか、水泳、ジョギング、水中ウオーキング、サイクリング、エアロビクスダンスなどがおすすめです。あまり激しく、瞬間的に強い負荷がかかるものはよくありません。

週2回、最大強度の50%、30分を目安に

 有酸素運動で効率的に基礎代謝量をアップさせるには、少なくとも週2回は運動をする必要があります。なぜなら、基礎代謝量を上げる効果は、日ごとに減って、1週間で振り出しに戻ってしまうからです。少なくとも週2回行えば、運動効果は蓄積され、少しずつ増えていきます。週3~4回行うと、さらに効率的で、効果を早く実感できるようになります。だからといって、毎日行うと、疲れがたまって逆効果のこともあります。疲れを感じたら休むことも大切です。

 運動時間も重要な要素で、時間が短かすぎては効果が得られず、長すぎると疲労がたまってしまいます。以前は、脂肪を燃焼させるためには20分以上継続して運動する必要があるとされていました。しかし現在では、脂肪燃焼には全体の活動量を増やすことが重要で、8~10分程度の有酸素運動を1日のうちに数回行うことでも効果が期待できるといわれています。1日の運動量合計の目安としては、運動に慣れるまでは30分、徐々に60分程度まで延ばしていくとよいでしょう。

 もう一つ大事なのは、運動強度です。あまり楽すぎては運動効果は得られません。運動強度を手軽に知る方法に心拍数(1分間の脈拍数)(*)があります。安全かつ効果的に運動を行うために、最大強度の50%を目安に目標心拍数を求めましょう。

 運動を強めていくと心拍数は増えますが、やがてそれ以上は増えないという点、最高心拍数に達します。最高心拍数を予測するのによく使われるのは、220から年齢を引いた数値です。この数値から、安静時心拍数を引き、それに0.5倍、さらに安静時心拍数を足した数値が、最大強度50%にあたる目標心拍数とされています。


目標心拍数={(220-年齢)-安静時心拍数}×0.5+安静時心拍数




(*心拍数の測り方:手首の内側の動脈を2~3本の指で軽く押さえて脈拍を測る。15秒間測って4倍するか、10秒間測って6倍する。)

 目標心拍数がわかったら、運動を始めてから5分後、あるいは10分後に脈拍を測ります。ウオーキングの場合なら、目標心拍数より少なければ歩くペースを早め、多ければペースダウンしてください。無理のない強度で安全に、定期的に行うことが大切です。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
田地(たち) 陽一先生


鎌倉女子大学家政学部管理栄養学科准教授
筑波大学大学院博士課程医学研究科修了。日本女子大学非常勤講師。日本栄養・食糧学会参与。専門は栄養学、スポーツ栄養学、運動生理学、分子生物学。東京武道館健康体力相談室でスポーツ相談員を経験。著書に『栄養生化学』(メヂカルフレンド社)、『動く、食べる、休むScience』(アイ・ケイコーポレーション)、『臨床栄養管理ポケット辞典』(建帛社)などがある。

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