便秘を解消してくれる「腸マッサージ」のやり方-便秘しないコツ

朝起きたとき、寝床ですればおなかスッキリ

腸の健康を保つため、食事や運動習慣などのライフスタイルを見直し、ストレス予防。腸のマッサージを習慣に

便秘はさまざまな不調や病気を引き起こす

 皆さんは毎朝おなかスッキリしていますか? 女性を中心に、便秘で悩む人は少なくありません。便秘はおなかがはって苦しかったり痛いだけでなく、さまざまな不快な症状や病気を引き起こします。

 便秘によって腸に悪玉菌が増えるとガスが発生しやすくなり、ガスがたまると腹部膨満(ぼうまん)感や腹痛を起こします。胃が圧迫されて食欲不振や吐き気、胸やけなどが起こることもあります。頑固な便秘は痔の大きな原因となりますし、頭痛や肩こりを起こすケースもみられます。また、肌荒れやニキビができたり、おなかがぽっこりするなど、美容面でも大きなマイナスに。さらに、腸内環境の悪化は免疫力を低下させ、アレルギー疾患やうつ病とも関連があることが指摘されています。

 こうしてみると、心身の健康を保つために、便秘を防いで腸の健康を保つことがいかに大切かがわかります。全身の健康は、毎朝のおなかスッキリ=腸の健康から始まるといっても過言ではないでしょう。

毎日スッキリのライフスタイルを

 便秘は、ぜん動運動など便を送り出す腸の働きが低下したり正常に動かないことが直接の原因となります。そしてぜん動運動は、朝食抜きや食物繊維の不足、運動不足、ストレスなどの影響を受け、その活動が弱まってしまいます。
 そこで、便秘を防ぎ腸の健康を保つために、次のようなライフスタイルをこころがけましょう。

●排便に最適な朝のタイミングを逃さない
 腸管の働きは、副交感神経(心身をリラックスさせる神経)によって活発になります。朝はまだ副交感神経が優位で頭はぼおっとしていますが、胃腸の働きは活発になりやすく、腸のぜん動運動が最も強い時間帯。このタイミングを逃さずに朝食をとることが、スムーズな排便に欠かせません。

●食物繊維と水分をたっぷり
 食物繊維は便の量を増やし、ぜん動運動を活発にするので、食物繊維の多い食事を心がけましょう。野菜、果物、きのこ、海藻、豆、玄米などに多く含まれます。
 水分が不足すると便が硬くなるため、水やお茶などで水分補給をしっかり。

●ストレスを予防する
 ストレスがあると交感神経が優位になって腸管の働きが抑えられます。できるだけリラックスした状態を保ちましょう。ゆったりしたテンポのリラックスできる音楽を聴きながら腹式呼吸をするのがおすすめ。

●適度の有酸素運動を習慣に
 酸素を十分とり入れながら行う有酸素運動は、腸の働きを活発にします。30分程度のウオーキングやストレッチ、ヨガなどが効果的。

朝起きたら腸のマッサージを習慣に

 おなかを外側から直接刺激することも、腸の動きを活発にしてガスを出しやすくします。
 ここでは、腸の動きや走行に合わせて手で圧迫する方法を紹介します。腸のぜん動運動が活発になる朝行うのがおすすめですが、夜寝る前でもOK。ぜひ毎日の習慣にしてください。
 *マッサージの説明に出てくる大腸各部の位置はこちらを参照してください→『大腸 食べものが最後にたどり着くところ』

(1)右側を下にして横になり、右脇腹に枕を当てます。左手で右脇腹を持ち上げるようにして、1分間腸を刺激します。枕で上行結腸を押し、手で横行結腸を軽く圧迫するように行います。
 今度は左側を下にして左脇腹の下に枕を当てます。右手で左脇腹を持ち上げるように、1分間腸を刺激します。枕で下行結腸を押し、手でS状結腸を軽く圧迫するように行います。

(2)仰向けになり、両手で下腹部を刺激します。両手で1分間、下腹部をさするようにマッサージします。直腸が刺激されて老廃物が排泄されやすくなります。

(3)最後にうつ伏せになり、1分間、ゆっくりと深呼吸します。おなかまで深く息を吸い込むようにすると、直腸がさらに刺激されます。

 このほか、入浴中に腸を圧迫する方法もおすすめです。39~40℃のややぬるめのお湯につかり、リラックスしながら行うと効果的です。いすやトイレに座り、へそをへこませてお尻を締め、体を左右にひねる(5秒ずつ静止)のもよい方法です。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
松生(まついけ) 恒夫先生


松生クリニック院長
1980年東京慈恵会医科大学卒業後、同大第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年より現職。医学博士。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医、日本東洋医学会専門医、日本大腸肛門病学会専門医。専門領域は、大腸内視鏡検査(現在までに3万件以上施行)、生活習慣病としての大腸疾患、地中海式食生活(地中海式ダイエット)、漢方療法、ストレス対策としてのポップ・ミュージック。著書に『腸がスッキリきれいになる本』(法研)、『味噌、しょうゆ、キムチ 植物性乳酸菌で腸内改革』(主婦の友社)など多数。

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