みかんの健康効果とは-ビタミンCだけではないみかんの抗酸化作用

注目のβ-クリプトキサンチンには強力ながん抑制力

注目の成分には骨粗しょう症の予防も期待。豊富なビタミンCで免疫強化。ほかにもさまざまな有効成分が。

おいしくて健康によい。しかも食べやすい

 「こたつでみかん」は、日本の冬の団らんの原風景みたいなもの。生活様式が洋風化されても、暖房の効いた部屋でみかんを楽しむ光景は日本中どこでも見ることができるでしょう。

 冬のみかんとは、すなわち「温州(うんしゅう)みかん」のこと。おいしいだけでなく、さまざまな健康効果がわかっていて、まさに“冬の果物の王者”と言ってもよさそう。
 今やさまざまな果物が生産・輸入され、最盛期ほどの生産量ではないようですが、いちごやりんごより人気があり、手で簡単に皮をむいて食べられるので海外での需要も高まっているようです。

β-クリプトキサンチンは抗酸化作用のあるカロテノイドの仲間

 健康効果をもたらすみかんの成分で、今もっとも注目されているのはβ-クリプトキサンチンという物質。みかんの黄色の色素成分で、抗酸化作用のあるカロテノイドの一種です。

 カロテノイドは動物や植物に含まれている赤や黄色、オレンジなどの色素成分の総称。トマトのリコピンやにんじんのβ-カロテンの赤い色もカロテノイドです。β-カロテンは発がんを抑える効果がよく知られていますが、β-クリプトキサンチンはそれを上回る発がん抑制力をもっていることがわかりました。しかもその効力は数カ月も維持されるということですから、みかん好きにはうれしい限りです。

 また、β-クリプトキサンチンは、閉経後の女性の骨密度の低下を抑える可能性があることも最近の研究で明らかにされました。ある地域の住民約700人の調査からわかってきたことで、β-クリプトキサンチンの血液中の濃度が高い人たちほど前腕の骨の平均骨密度が高く、骨密度が低い人の割合も血中濃度の低い人たちの半分以下でした。
 この人たちがふだん最もよく食べている果物はみかんで、このことから、みかんをよく食べていると女性は骨粗しょう症になりにくいのではないか、と期待されています。

豊富なビタミンCでかぜ予防。ただし食べすぎないで

 みかんの最もポピュラーな栄養素は、ビタミンCでしょう。大きめのみかん1個には30mg以上ものビタミンCが含まれていて、これは成人が1日にとるといいとされる量のほぼ3分の1に当たります。抗酸化力が強く、免疫力を強化してかぜ予防、動脈硬化予防やストレス緩和、美容系ではシミの予防に役立つとされています。

 このほか、みかんだけに含まれているシネフィリンという物質もかぜを防ぐとされ、体内の過剰な塩分を排出するカリウム、疲労回復によいクエン酸も成分として含まれています。黄色い皮の裏の白いすじにはビタミンB・C・P、果肉の入った袋は食物繊維、などというようにさまざまな成分をあの黄色い果実は抱え込んでいるのです。

 さらに、みかんの皮を干したものは「陳皮(ちんぴ)」といって漢方薬として用いられます。吐き気やせきを鎮め、消化不良や健胃の薬効が知られ、お風呂に入れれば体がよく温まり、冷え性や神経痛の改善効果があるとされています。

 このように、みかんはいいことだらけ。しかも食べやすいのでつい食べすぎてしまいそうですが、食べすぎると肌が黄色っぽくなることがあります。これはみかんの色素が肌を黄色くするためで、食べすぎをやめれば治り、健康上の心配はありません。ただし、みかんには果糖が多く含まれていますから、食べすぎると糖分のとりすぎになり、肥満の心配が出てきますから注意してください。

【監修】
山崎 正利 先生


帝京大学薬学部教授
1971年東京大学薬学部卒業、76年同大薬学系大学院卒業(薬学博士)、同大薬学部助手を経て91年より現職。研究領域は、「動物界における免疫・生体防御機構の解明」で、以下のようなテーマに取り組んでいる。
  1)白血球による抗がん機序の解明(腫瘍免疫学)
  2)食品の新規機能性の探求(食理学)
  3)炎症・アレルギーの分子制御機構の解明(サイトカイン学)
  4)海洋生物由来の抗がん・抗菌物質の単離及び遺伝子工学(バイオテクノロジー)

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