体に毒素をためない方法とは-アーユルヴェーダの呼吸でリラックス

呼吸法「ナーディー・ショーダナ」で体と心の疲れを癒す

インドで生まれた伝統医学は現代人の病気予防や健康増進にも有効。体にも心にも効く呼吸法を紹介します。

アーユルヴェーダで体も心も、もっと健康に!

 アーユルヴェーダというと、マッサージを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。ハーブオイルを用いて全身をマッサージしたり額や頭にたらす施術・シロダラーは「究極の癒(いや)し」という感じがしますが、アーユルヴェーダの魅力はそれだけではありません。
 そもそもアーユルヴェーダとは5000年の歴史をもつインド伝統の医学。中国の漢方医学にも影響を与えたといわれ、世界保健機構(WHO)によって病気予防や健康増進、長寿促進に有効であると推奨されています。

 「生命の化学」を意味するアーユルヴェーダが目指すのは「いかに健康で幸福に過ごすか」ということ。西洋医学が「病気を治すこと」に重点を置くのに対し、単に病気がないというだけでなく、心身ともにもっと健康になることを目的にしています。
 マッサージはそのための方法の一つです。ほかにも食事療法、ハーブ療法、瞑想、精神療法などが用いられます。また、毎日の食事や運動、呼吸法など、日常の生活の中でその人その人に合わせて処方、実践されるアーユルヴェーダは、幅広く健康増進を目的にした養生法といえます。

エネルギーのバランスが崩れると毒素がたまる

 アーユルヴェーダでは、すべての物質は空、風、火、水、地の5つの要素から構成されていて、人間にもこれらの要素の特徴をもつ3つのエネルギー「ヴァータ(風と空)」「ピッタ(火と水)」「カパ(土と水)」が存在していると考えます。このエネルギーをドーシャといい、ドーシャのバランスがとれていると健康が保たれ、バランスが崩れると毒素がたまってさまざまな不快な症状があらわれたり、病気になったりすると考えられています。

 生まれつきどのドーシャが増えやすいかによって、その人の体質(心の気質も含みます)が決まるとされます。ヴァータが増大しやすい人がヴァータ体質、ピッタが増大しやすい人がピッタ体質、カパが増大しやすい人がカパ体質というわけです。
 たとえばヴァータ体質の人は、風のもつ「軽い」、「冷たい」、「活動的」といった特徴から、やせぎみ、冷え性、乾燥しやすい、機敏、想像力が豊か、不安になりやすいなどの傾向があります。

 ドーシャが増え、それぞれの体質がもつ特徴が高まりすぎると、心身のバランスを崩しやすくなるため、アーユルヴェーダの治療、実践はその人の体質に合わせて行われます。体質に合った食事をとり、運動を行い、マッサージなどの施術を行うことで毒素を排出し、ドーシャのバランスをとり戻すのです。

ヨガの呼吸法でドーシャのバランスを整え、体も心もリラックス

 アーユルヴェーダと切っても切り離せないものに、ヨガがあります。どちらも長い歴史の中で応用され、現在の形に行きついたもの。ヨガはポーズと呼吸法と瞑想からなり、続けることで自分の心身の変化や、体の要求に気づくようになるといわれます。アーユルヴェーダでは、このヨガを毎日の生活で実践することをすすめています。

 ここでは、瞑想よりも手軽にだれでもできる呼吸法、中でも最も簡単で効果の高いといわれる「ナーディー・ショーダナ」を紹介しましょう。ナーディは経絡(けいらく)、ショーダナは浄化法のこと。経絡のつまりを取り除いて通気をよくするための呼吸法で、体の毒素の排出を促してドーシャのバランスを整えます。さらに、ストレスを解消し、精神を落ち着かせるリラックス法としても効果があり、もちろんヴァータ、ピッタ、カパすべての体質・気質の人におすすめです。

 呼吸は楽な気持ちで行います。姿勢は、両足を組んで床に座る蓮華座(れんげざ)か、いすに座る場合は両足を床につけるようにすると安定します。おへその下あたりに意識を置いて姿勢を正し、肩の力を抜きましょう。息を吐くときは、体の中の悪いものをいっしょに吐き出すようなつもりで行いましょう。

 まず右手の親指で右の小鼻を抑えるようにして鼻の孔(あな)をふさいだら、左の孔からゆっくり息を吐き出し、ゆっくりと吸います。次に右手中指または薬指で左の孔をふさぎ、親指をはずし、右の孔から息を吐き出した後、吸い込みます。これを交互にくり返します。

 呼吸を整えることで、次のような効果があらわれます。
体のストレスが和らぐ/脈拍が落ち着く/血圧が下がる/循環器系の機能が高まる/自律神経系の働きが落ち着き、交感神経(起きている時・緊張しているときの神経)が鎮まる/筋肉がほぐれる/免疫系が強化される/皮膚の代謝がよくなる

 「ナーディー・ショーダナ」には、ストレスを解消し、心身の緊張をほぐして体と心の疲れを癒すリラックス効果はもちろん、体がイキイキと活性化し、お肌も美しくなるという、素晴しい効果があるのです。あなたも毎日の生活に、呼吸法をとり入れてみてはいかがでしょうか?

【監修】
山田 麻裕先生


アーユルヴェーディックセラピーBLOOM代表
南インドのGOLA AYURVEDIC RESEARCH INSTITUTE にてアーユルヴェーディックセラピストとして修学し、現在は東京都港区でアーユルヴェーディックセラピーBLOOMを運営。現代の生活にとり入れられるアーユルヴェーダを広く普及するべく、現在はセラピスト向けの講座、一般向けのカルチャースクール講座も行っている。

その他のフィットネス&リラックスコラム

この記事を見ているひとはこんな記事も見ています

インド伝承のアーユルヴェーダとは? 自分でできるマッサージ法

悠久の歴史を持つインド。アーユルヴェーダはそこで生まれた伝承医学です。最近ではエステのメニューなどでもしばしば耳にする言葉なので、関心を持っている人も多いことでしょう。アーユルヴェーダが誕生したのは約3千年前といわれています。語源はサンス... 続きを読む

冷えて疲れた胃腸を温める!内臓をマッサージできる呼吸法

こんにちは。美姿勢インストラクターの美宅玲子です。夏が終わり、夏の疲れが出てくるころ、風邪を引いたり胃腸を壊したりしていませんか?冷たくのど越しのいい飲み物などを摂り過ぎて胃腸が停滞したり、逆にお腹を壊したりしがち。秋口になり食欲が出て... 続きを読む

ピラティス呼吸法をマスター

呼吸法
肝心なのは呼吸法。まずはこれをしっかりマスター!考えながら運動するのが今までにない感覚です
まずは、ピラティスの基本であるニュートラル・ポジション(基本の姿勢)を覚えることからスタート。背骨のS字カー... 続きを読む

岩盤浴でもっとやせる体になる方法・呼吸法

寝ている間にさらに燃焼アップ
岩盤浴でもっとやせる体になる方法 有酸素運動のほかにも、併せてやると、さらに代謝をあげる方法があるんです。岩盤浴の前後の食事や入浴中の呼吸法で、もっと燃える体に。 岩... 続きを読む

暑くて火を使いたくない!そんな日はレトロキュートな「電鍋」におまかせ

暑さが増していくこれからの季節、火を使った調理などできればしたくない!
そんなこの時期におすすめの調理器具が台湾の「電鍋」。台湾では一家に一台あるという、蒸し料理や煮込み料理もできてしまう炊飯器で、1960年から販売されているロングセラ... 続きを読む

右を向いても左を向いてもチョコレートだらけ。ダイエット中は絶対ダメですよね?

栄養IQを高める!~今回の解説~ Q. 右を向いても左を向いてもチョコレートだらけ。ダイエット中は絶対ダメですよね? A. NO……チョコの種類、量、食べる時間を考えれば大丈夫ですよ。 ... 続きを読む

「おまえ、かわいいな!」と心の中で思う彼女の行動ランキング

男性の服の裾をちょっと引っ張る 寝起きに猫のような手で目をこする 寒い日にセーターの袖に手を半分隠している 動物園などで子どものようにはしゃいでいる ... 続きを読む

テストで脳のクセが分かる-脳のタイプでストレス対策ができる 1

好き嫌いの傾向は、遺伝子や育ち方、環境要因と密接なかかわりのある「脳のクセ」に影響されます。逆にいえば、脳のクセを知ることで、自分に合ったストレス対策を見つけることができるとも考えられます。
まずは、「脳のクセを知るテスト」のABCD... 続きを読む

短時間でリラックス-腹式呼吸でリフレッシュする5つのポイント

ストレスがたまったなあと感じたとき、どうしていますか? ストレスがたまっているときは、その問題から少し離れて、まずは体をリラックスすることが大切です。リラックスをすると、緊張をほぐしたり、気分転換をして気分をすっきりさせたりするだけでなく、... 続きを読む

かたくなった太ももの前張りをなかったことに!両足1分の「前ももストレッチ」

みなさんこんにちは。トータルボディビューティーアドバイザーのKAORIです。鏡の前に横向きで立った時に太ももを見ると、太ももの前張りがありませんか?美脚になるための鍵を握っている太もも。今回は、ストレッチでかたく張り出した前ももを、柔ら... 続きを読む