毎日のお風呂で健康とリラックス-ストレスを溜めないお湯の温度は?

シャワーよりお風呂。リラックス効果をアップする入浴法

お湯の物理的作用が疲れや冷え、痛みをやわらげ、ぬるめのお湯にゆったりつかれば心身の緊張もほぐれる

お風呂は毎日できる健康法

 忙しいから普段はお風呂じゃなくてシャワー、という人も多いでしょう。でも、お風呂にはシャワーでは得られない健康効果がいっぱい。温かいお湯につかるとホッとして、疲れがとれる気がしますが、それはどうしてなのでしょうか?
 入浴時、私たちの体は次の三つの物理的作用を受けています。

温熱作用:温かいお湯につかると体が温まって血液の循環がよくなり、新陳代謝が盛んになる。そのため体内の老廃物の排出が進んで疲れがとれやすく、筋肉や関節のこりと痛みがやわらぐ。冷え、肩こり、神経痛などに効果が。

静水圧作用:お湯の圧力によるマッサージ効果で血液やリンパの流れがよくなり、老廃物の排出を促す。下半身の血液が心臓に戻りやすくなり、脚の疲れやむくみが解消される。内臓の働きが活発になり、尿量が増えてデトックス効果も。

浮力作用:お湯の浮力で体が感じる重さは10分の1に減少し、関節や筋肉の緊張がやわらぎ、体が動かしやすくなるだけでなく、精神的にもリラックスする。

 疲れをとる、冷えやむくみをとる、痛みをやわらげる、デトックスやリラックス効果がある……お風呂にはこんなにたくさんの健康効果が! 毎日のお風呂で健康になれるなんて、なんだか得した気分です。シャワーで済ませるのはもったいないですね。

リラックスしたいときは39度前後のぬるめのお湯にゆったり

 お風呂の入り方の工夫で、さらに健康効果を高めることができます。ここでは、とくにリラックス効果を高める入浴方法を紹介します。

 まずお湯の温度は39度前後のぬるめがおすすめ。体温より少し高いくらいの温度なので体への負担が少なく、脈拍や血圧などを安定的に保ちます。さらに鎮静・鎮痛作用や興奮をおさえる作用があり、リラックス効果が高まります。
 イライラすると交感神経が優位になり、血圧が上がりやすくなったり、筋肉が緊張して頭痛や肩こりがしたり。こんなときは、ぬるめのお湯に20分ほどつかりましょう。浴槽のふちを枕に頭をもたせかけてゆっくり体を伸ばすと、体に力が入りません。

 心身の緊張がほぐれ、副交感神経が優位になって呼吸も安定し、リラックスした状態で就寝前の時間を過ごすことができるため、寝つきもよくなります。ベッドに入る2時間から2時間半ぐらい前にはお風呂の支度を始め、湯上がりの汗がおさまったころにベッドに入るようにすると、ぐっすり眠ることができます。

 リラックス効果のある入浴剤を利用するのもよいでしょう。好きな香りや泡の感触を楽しめば気分転換にもなります。

 全身浴は体力を使いますから、ひどく疲れているときなどは足湯をおすすめします。たらいやバケツに43度ぐらいのお湯を入れ、10分から20分足をひたす足湯ならエネルギーを消耗せず、血行をよくして心身をリラックスさせることができます。足湯は足のむくみや冷え性にも効果的です。

入浴のタイミング、水分不足に注意

 お風呂が健康によいといっても、入るタイミングや体調によっては、体に悪い影響を及ぼすことがあることも知っておきましょう。

●食事の直前・直後やお酒を飲んだあとは入浴しない
 入浴中は皮膚表面の血行がとくによくなると、胃や腸の血流量が減り、食後すぐに入浴すると消化不良を招くことがあるため、食後1時間から1時間半ほどしてから入る。食前に長湯をすると食欲がなくなるので、食前に入るならサッとすませる。
 お酒を普段より多く飲んだあとの入浴は、不整脈や心不全、意識消失などをおこし、溺れる危険があるため避ける。

●心臓病のある人、高血圧の人はぬるめのお湯で半身浴を
 首までお湯につかると高い水圧がかかって心臓に負担がかかるため、心臓病のある人、高血圧の人、高齢者などはみぞおちまでつかる半身浴が安心。これらの人には熱すぎるお湯も危険。

●入浴前後に水分補給を
 入浴後は体内の水分が不足しがちになり、血液ドロドロ状態から血管がつまりやすくなることもあるため、意識して水分補給を。水分不足をおこしやすい小さな子どもや高齢者などは、入浴後だけでなく入浴前にも水分補給をすることがすすめられる。

【監修】
植田 理彦先生


健康づくりシステム研究会会長
1927年東京生まれ、1951年東京大学卒業後、同大学物療内科にて温泉医学を学ぶ。医学博士。温泉療法専門医、人間ドック認定医。インペリアルタワー・内幸町診療所勤務。温泉医学の解説と普及に努め、わが国の温泉療養地の指導に当たる。温泉、入浴にかかわる著書多数。

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