鼻毛の役割は意外に重要、お手入れは慎重に

ほこりなどの侵入を防ぐフィルター、切り過ぎてはダメ

呼吸器最前線で異物の侵入を防ぎ、においを脳に伝える役割も。お手入れは先の丸いハサミで注意深く

ほこりの侵入を防ぎ、温度や湿度を保つ

 鏡を見ていて鼻毛がのぞいていたことに気づき、ぎょっとしたことはありませんか。いくらイケメンでも鼻毛がはみ出していては形無し、女性でもかわいらしいほほえみの下から鼻毛が見えていたりしたら、100年の恋も冷めようというもの。鼻毛なんて小さなことかもしれませんが、いろんな意味で意外と大きな影響力を持っているかもしれませんよ……。

 そもそも、どうして鼻の穴の中に毛が生えているのでしょう。伸びるばかりで邪魔なものなら初めからなければいいのに、なんて思ってしまいますよね。しかしそこはよくしたもので、嫌われがちな鼻毛にもちゃんとそれなりの役割があるのです。

 だいたい、鼻の穴に毛が生えていなかったらどうなると思いますか? 鼻は空気を吸い込み吐き出す大事な呼吸器の一つ。顔の正面に盛り上がっている部分だけが鼻だと思ってはいけません。その内部は意外と複雑な構造になっていて、粘膜で覆われています。鼻毛の生える所はそんな複雑な鼻の穴の中の、空気と最初に触れる一番先端の部分です。

 呼吸器系は鼻から始まり、のど、気管、肺へとつながっていきます。つまり鼻は呼吸器系の最前線であり、そのさらに最先端に生えているのが鼻毛。このことでもう、鼻毛の役割に気づかれた方もいるかもしれませんね。そうです。鼻毛は私たちの命を支えるのに不可欠な呼吸活動の最先端で、フィルターの役割を果たしているのです。ほこりや小さな虫などが呼吸器の奥深くまで吸い込まれるのを防ぎます。鼻の穴の中の温度や湿度を保つことにも役立っています。

 鼻毛はさらに、においを嗅ぎ分けるという重要な働きにも関係しています。鼻毛のなかには粘膜に細かく生えている嗅毛(きゅうもう)と呼ばれるものがあり、ここは嗅覚神経の先端でもあるのです。においの微粒子が粘液に溶けて嗅毛を刺激すると、そこで捉えられたにおいは電気信号となって脳の嗅覚中枢に伝わり、私たちがにおいとして感知できるというわけです。

抜くのは危険、ハサミか電動カッターで

 このようなさまざまな機能がある鼻毛ですが、伸びていることに気づいてしまうと手入れをしないわけにはいきません。伸びている部分をカットすることになりますが、小さなハサミを鼻の穴に突っ込んでジョリジョリ切るようなことはしないでください。あんまり切り過ぎると、先ほどご紹介した鼻毛の大切な役割が損なわれてしまいます。鼻毛を切るには先端がとがっていない、丸くなっている小さなハサミが適しています。とがったハサミだと誤って内部の皮膚を傷つけてしまう危険があるからです。傷口からブドウ球菌などの細菌が侵入すると炎症を引き起こし、うみがたまったり鼻全体が腫れるようなことにもなりかねません。毛抜きや指でつまんで引っこ抜くことも同じ危険がつきまといます。

 まず、ティッシュペーパーなどで鼻の穴の中の水気をふいてください。そうすると重なって寝ていた鼻毛が立って1本1本が見えやすくなります。先の丸い小さなハサミで、鼻の穴の入口近くからはみ出していたり見えている毛だけをカットするようにしましょう。鼻先を指で縦横に押してみると、伸びている鼻毛が見えてくるのでカットしやすいでしょう。ハサミではなく、鼻毛や耳毛が切れる電動カッターが市販されていますから、これを利用するという方法もあります。

 鼻の穴の中は粘膜で傷つきやすいですから、誤って傷つけて出血でも起こしてしまったら、細菌感染を防ぐために耳鼻咽喉科に受診したほうがよいかもしれません。


(編集・制作 (株)法研)

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