酢の健康パワーを取り入れよう! 1日大さじ1杯で8つの健康効果

酢のさまざまな健康効果と、毎日手軽にとる方法を紹介

よく知られる殺菌や疲労回復のほか、メタボ対策にも効果が。毎日大さじ1杯の酢をとって、より健康に

主な成分は有機酸。米酢、穀物酢、果実酢などがある

 人類最古の発酵調味料といわれる酢。最近はその健康効果が注目され、お店には色々な種類の酢が並び、酢を使ったドリンク商品がよく売れています。黒酢カフェやビネガーバーなども話題になっています。

 食品成分表には食酢類として穀物酢、米酢、果実酢(りんご酢、ぶどう酢)が載っています。どれも脂肪はゼロ、大さじ1で約5kcalになります。酢の主成分は有機酸で、酢酸をはじめリンゴ酸、コハク酸、フマル酸、クエン酸など多種類の有機酸やアミノ酸が含まれています。主な酢の特徴を以下に挙げます。

 米酢 もっとも一般的な酢で、米を原料にアルコール発酵したもの。純米酢は原材料が米だけでアルコールなどを添加しておらず、純玄米酢は玄米だけが原材料。いずれも米の使用量が多いので、旨味成分が多くコクもある。
 特に玄米を使用したものは、胚芽部分に含まれているアミノ酸や各種の有機酸が豊富なので色が褐色になり、香りも豊潤。黒酢の健康飲料として注目されている多くがこの玄米酢。

 穀物酢 小麦や米、トウモロコシなど2種類の以上の穀類を、酒粕を使用して発酵したもので、味にクセがなく価格も安価。

 りんご酢 りんご果汁をアルコール発酵したもの。りんごに含まれるカリウムなどのミネラル類が溶け込んでさっぱりした風味だが、アミノ酸は少ないのでコクはない。りんご酢とはちみつを混ぜたバーモント・ドリンクは健康飲料として有名。

 ぶどう酢(ワインビネガー) ワインを発酵させたもの。りんご酢同様、アミノ酸が少なくカリウムやクエン酸を多く含んでいる。

 果実酢にはこのほか、柿やイチジク、梨などで作られたものや、飲用酢のブルーベリー酢、ローズヒップ酢などがあります。

酢の健康効果はさまざま。メタボ対策にも役立つ

 酢は昔からさまざまな健康効果があることが知られていますが、最近はメタボ対策にも効果があることがわかってきました。主なものを以下に挙げます。

●血圧を正常にする
 酢に含まれている酢酸が細胞に入るとアデノシンという物質が出てきて、血管の壁に作用して血管が拡張するので、血液が流れやすくなり血圧が下がるといわれています。といっても、元々低い血圧や正常な血圧値を下げてしまう心配はありません。酢には血圧を正常化する効果があるのです。

●コレステロールを抑制し、肝臓を元気にする
 血中コレステロール値の抑制効果も確認されています。また、内臓脂肪は肝臓で燃焼されるので、肝臓が弱っているとスムーズに燃焼できません。酢の成分の酢酸は肝臓での脂肪燃焼に効果があり、さらに酵素も活性化させるので、肝臓を元気にしてくれます。
 ある研究によると、酢と大豆を一緒に食べることで大豆に含まれるアルギニン酸などのアミノ酸が肝臓機能を回復させ、より効果的とされています。酢大豆を常備してサラダなどに利用したり、豆腐や納豆などを酢の物と一緒に食べると無理なくとることができます。

●ダイエット効果
 酢の成分の酢酸やクエン酸、黒酢などに含まれるアミノ酸のリジンやアラニンなどが脂肪を燃焼させるのでダイエット効果も期待できます。
 酢に含まれる有機酸は体内でクエン酸に変わりますが、体内に十分な量のクエン酸があるとクエン酸サイクルが順調に働き、脂肪がたまりにくくなります。クエン酸サイクルとは、エネルギーの生産工場と呼ばれるメカニズムで、食物から摂取した栄養素が体内で酸に分解され、その過程でエネルギーが作り出されるというもの。そのときクエン酸は重要な働きをします。酢をとることで、このサイクルが効率よく回り、脂肪を燃焼させます。

●疲労回復、腰痛・肩こりの緩和
 クエン酸は疲労物質も分解してくれるので、疲労回復にも役立ちます。また、疲労物質が筋肉にたまることで腰痛や肩こりなどが起きている場合には、痛みやコリが緩和されることもあります。

●食欲を増進させ、消化を助ける
 梅干しを見ただけで唾液の分泌が良くなりますが、食欲がないときには、酸味をとることで唾液や胃液の分泌を盛んにして、消化を助けることにつながります。

●カルシウムの吸収を促進する
 骨粗しょう症予防などに欠かせないカルシウムは体に吸収されにくいのですが、酢と一緒にとると吸収率が高まります。酢に含まれる酢酸がカルシウムと混じり合うことで吸収が促進されるので、焼きししゃものゴマ酢漬けや豆あじのマリネなどがおすすめ。骨まで軟らかくなって食べやすくもなります。

●殺菌・防腐効果
 酢には強い殺菌力や防腐作用があり、その効果は塩を併用することでさらに強まります。シメサバなどの酢じめは、酢の殺菌力を利用したものです。酢水を手につけておにぎりをにぎったり、魚や貝類を酢洗いしたりなど、昔から利用されています。

●放射能汚染対策
 野菜をピクルスなどの酢漬けにすることで、水溶性のセシウムなどが溶け出し除去に役立ちます。この場合、漬け汁は捨てます。

酢を毎日の食卓に。目安は1日大さじ1ぱい

 酢の健康パワーを上手に利用しましょう。健康効果を得るには、酢を毎日とり続けることが大切で、その量は大さじ1程度といわれています。

 まず手軽に酢をとるには、卓上にミニ酢ボトルを用意して、こまめに炒めものやスープに加えるのが簡単です。たとえば、ラーメンに溶き卵とトマトや青梗菜などの野菜を入れて、酢を加えると、簡単に酸辣湯麺ができます。
 また、酢大豆、なます、かぶの甘酢漬け、ピクルスなど常備菜として準備したり、もずく酢やわかめの酢の物、白身魚の甘酢あんかけ、鶏肉と野菜のごま酢たれ、サラダのドレッシングなど酢の料理を工夫することで、ほかの栄養素もしっかり確保することができます。

 酢を10倍程度に薄めた飲み物をとるのも、毎日できる手軽な方法です。簡単でおいしいドリンクの作り方を紹介しましょう。

 りんごのすりすりドリンク りんご4分の1個をすりおろし、りんご酢大さじ1、はちみつ大さじ1、水100ccを混ぜる。
 黒酢ドリンク 500ccのペットボトルに、黒酢大さじ5、水400cc、はちみつ大さじ2から3を入れ、よく振って混ぜる。
 ホットビネガーしょうがティー 酢大さじ1、しょうが薄切り1枚、はちみつ大さじ1、お湯150ccを混ぜる。寒い時期におすすめ。

 このように酢を料理や飲み物で無理なく毎日こまめにとることで、酢のパワーを活かし健康力を高める食生活につながるでしょう。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
小池 澄子先生


管理栄養士・女子栄養大学生涯学習講師
明治乳業に10年間勤務し、妊産婦や乳幼児の食事相談を担当。独立後、「自然と食と人」を結ぶネットワーク『有限会社カナ』を設立。元日本航空健康管理室非常勤栄養士。帝京科学大学・和光大学非常勤講師。企業やクリニックでの食生活を中心とした健康管理指導、保育園や地域での子育て支援、栄養相談、料理教室や、講演、新聞、雑誌など、幅広く活躍中。栄養、料理、農業を通じて、「心と体と社会の健康」を高める情報やレシピを提供し、食を柱にした子どもと大人のための食育活動を展開。

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