背中のツボとマッサージのやり方 一番疲れが出る腰をリフレッシュ

パートナーにやってあげて喜ばれる腰背部のマッサージ 1

疲れた1日のリラックスと明日へのメンテナンスに役立つ、腰背部のマッサージ

立って歩く人類にとって、腰背部は一番疲れが出やすい場所

 自分では触れない、触れても押せない場所が腰背部です。座りっぱなしや立ちっぱなし、あるいは緊張した1日を過ごしたあとで、背中や腰が痛くなったり、張って重だるくなったりすることがありますね。そんな1日の終わりに、腰背部のマッサージはリラックスと明日へのメンテナンスに役立ちます。

 「腰」は肉月に要(かなめ)と書きますが、まさに体の要です。「腰を入れる」「腰が砕ける」「腰を据える」「腰が落ち着く」「腰が軽い」などと慣用句にも使われるように、この場所が定まっていると物事が上手くいくようです。
 それだけ負荷がかかる場所でもありますから、多くの方が一番マッサージしてほしい場所としてあげられます。それほど疲れていなくても、押したり、さすったり、もんでもらうと気持ちのよい場所です。疲れて帰ってきたとき、愛する人にマッサージしてもらえたら、どんなにうれしいでしょう!

 背中から腰には僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋、広背筋、脊柱起立筋群などたくさんの筋肉があり、これらの筋肉が背中から体幹を支えています。腰には大腰筋、腸腰筋、大殿筋、小殿筋、中殿筋、梨状筋、大腿筋膜張筋が腸脛靭帯に連なり、人を起立させ足を動かしています。だから腰背部は、立って歩く人類にとって一番疲れが出やすい場所なのです。

 たとえば、「肩こり」で来院される患者さんの不調の原因が、実は腕の根元から腰にかけての広背筋の張りやコリであり、それを「肩こり」や「腕の重だるさ」として感じておられる場合もあります。
 また、長時間前かがみで事務仕事をしたり、パソコンやスマートフォン、携帯電話の操作に集中したときなど、肩甲骨の間が張ってつらくなることがありますが、これは肩甲骨を背骨に引き寄せる働きをする筋肉(菱形筋:僧帽筋の奥にあるインナーマッスル)の疲労や張りが原因です。

 ※注意:急性腰痛(ぎっくり腰)や、足にしびれが出ている腰痛、高齢者の圧迫骨折を疑われる腰痛の場合はマッサージをしてはいけません。早急に医師を受診してください。

うつ伏せ前半:大きな筋肉がある腰背部は、ストレッチしながら押すと効果的

 腰背部は大きな筋肉があるため、マッサージも手や指で押すだけでは難しいことがあります。そんなときはストレッチしながら押すとさらに効果的です。
 それでは、パートナーにうつ伏せになってもらって、マッサージを始めましょう。今回は背中を中心に上半身全体をほぐし、次回は腰から下を中心にほぐしていきます。続いて3回目は仰向けで、4回目は横に寝たり座って行う方法を紹介していきます。

(1)まず、肘→肩→背中→腰の順でさすります。手の摩擦によって血行がよくなり、体から力が抜けて筋肉が緩みます。そうすると神経の緊張がほぐれ、心が落ちつきます。ゆっくりじっくり手のひらを押しつけるようにすると気持がよいです。

(2)次に肩甲骨の下あたりから手のひらで垂直に押圧します。やせている人や女性の場合、あまり強く押すと肋骨が折れやすいので、強さを聞きながら気持ちよいと感じる強さで押してください。

(3)肩甲骨の下の出っ張りに片手を置き、もう一方の手を肩甲骨と反対側の腰骨に当て、背中から腰にかけての筋肉を斜めに伸ばしていきましょう。反対側も行います。

(4)次に片手を肩に置いて支えとし、肩甲骨の下から腰にかけて、手のひらの手根(手首の近くの骨の部分)で外側に向って押します。このとき筋肉をこねないでください。こねるようにもむと、もみ返しが出ることがあります。左右とも行います。

(5)背骨の両側にはツボがたくさんあるので(イラスト右図参照)、ここをたどるように指の腹で押します(指圧)。肩甲骨の間から腰まで脊柱起立筋を指圧しましょう。パートナーに聞いて、気持ちがよく痛くない程度に押します。
 このとき施術者(マッサージをする人)の指が痛かったら、親指のつけ根の骨を指の替わりに使います(写真中)。この部分は強く押されると気持ちがよいので、女性が大きな男性を満足させる裏技をお教えしましょう。肘の角を使って押すのです(写真右)。

(6)背中が張りすぎて、指や手根で押されるだけでも痛がったりくすぐったがる人もいますので、さらに裏技をお教えしましょう。前腕(肘から下の部分)の柔らかなところを転がすようにして、押圧する方法です。ちょっとプロっぽい手技です。

(7)肩甲骨の間が張ってつらいときは、肩甲骨と背骨をつないでいる菱形筋が疲れたり張ったりしていますから、ここをストレッチしながら押していくと効果的です。パートナーの右手をうつぶせの顔の下に、左手を腰の上に置き、施術者はパートナーの左肩を持ち上げるようにしながら肩甲骨の間を親指で押します。

(8)背中のマッサージの仕上げに、背中を大きくストレッチしながら脊柱起立筋、広背筋を広く押す施術の方法をお教えしましょう。パートナーの足を交差させ、施術者の膝を間に挟んで固定します。そうすると背中の筋肉がねじれて伸びますから、そこを両手を重ねてじっくり押圧していくのです。このやり方は、施術者は自分の体重を使って押圧できて楽ですし、パートナーも手のひらの温かさを感じながら広い面で押されるので安心感があります。左右とも行います。

(9)うつ伏せのまま腰からお尻にかけて押圧を続けましょう。交差した足を元に戻して膝を曲げ、太ももの下に施術者の膝をかませて持ち上げると、腰の筋肉がストレッチされます。そこを手根で押圧します。

(10)次に、膝を外側に深く曲げると、お尻についている大腰筋、腸腰筋、大殿筋、小殿筋、中殿筋、梨状筋、大腿筋膜張筋が伸ばされます。そこを押圧します。
 腰の筋肉がコリすぎて敏感になったり、手を当てられるだけでもくすぐったく感じる場合は、前腕の内側の部分を広く体に当てて外側に向って押すと気持がいいです(写真中)。また(5)のように肘を使う技が非常によく効きます(写真右)。



(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
佐藤 明子先生


心愛治療院院長
宮城学院女子大学 日本文学科卒業後、後藤学園 神奈川衛生学園専門学校東洋医療総合学科卒業。2004年、乳がん、子宮がん、大腸がん、甲状腺がんなどのがん術後のむくみ(リンパ浮腫)とがん治療後の体のこりや張りの専門治療院を青山に開業。鍼・灸・あん摩・マッサージ・指圧師(厚生労働省認定)。MLAJ日本医療リンパドレナージ協会認定 医療徒手リンパドレナージセラピスト 上級臨床コース修了。
心愛治療院ホームページ http://homepage3.nifty.com/lympheder/

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