便秘に効くツボマッサージ方法-イラストで分かりやすく解説

心身に働きかけて排便しやすい活力を与えてくれるツボ療法

生活習慣を整えるとともにツボ療法がおすすめ。押しやすい手足のツボ、トイレでも押せるツボなどを紹介

便秘が続くとさまざまな不快症状や美容面のマイナスが

 便秘で悩む女性は少なくないでしょう。便秘になるとおなかが張って苦しくなったり痛くなるだけでなく、気分もすっきりしませんね。本来なら体外に排出されるべき老廃物が体内に長く居座るため、腸内環境が悪化して吹き出ものや肌荒れ、くすみなど肌のトラブルも起こりがち。頭痛、肩こり、食欲不振、倦怠(けんたい)感、イライラなどを伴うこともあります。また、便が硬くなって排便時に肛門が切れたり、痔になることもあるので注意が必要です。

 便秘を防ぐためには、まず規則正しい生活をして3食きちんと食べることが大切です。食物繊維の多い野菜やきのこ、豆類を積極的にとることや、スムーズな排便のために油脂類を適度にとることを心がけましょう。また、腸のぜん動運動を活発にするためにも、適度の運動をすることが大切です。精神的ストレスも便秘の原因となりますので、ストレス解消もかねて運動はおすすめです。このように、まずは生活習慣を整えることから始めましょう。
 しかし忙しいなどさまざまな事情で実行できないこともあるでしょう。そんなときは、心身に働きかけて排便しやすい活力を与えてくれるツボ療法を試してみてください。

 それでもなかなかよくならないときは、何か別に原因があるのかもしれません。無理をしないで医療機関を受診することをおすすめします。
 また、下腹部のがん(大腸がん、子宮がん、前立腺がんなど)の手術をしたことがある人は、リンパ浮腫にかかる恐れもあるため、強いツボ押しや鍼(はり)、お灸(きゅう)をおへそから下に行うことはおすすめできません。手のツボに行うようにして、おなかや脚のツボは軽めの刺激で様子を見てください。

トイレに座ってツボを押せば排便も楽に

 便秘に効くツボには、手足やおなかなど自分で押せるツボもたくさんあります。特に手足のツボはいつでもどこでも、気づいたときに刺激するとよいでしょう。

 神門のツボは、親指を使って強めに、小指の方向に向かって押します。
 「万能ツボ」として有名な合谷は不思議なツボです。体のあらゆる不調に効くとされ、便秘はもちろん、歯痛や吹き出ものをいやし、新陳代謝を高めてあらゆる症状を改善、皮膚や粘膜にも働きかけ美肌効果をもたらすと言われています。
 手三里は、おなかが張ったときに使うツボで、便秘でおなかが張ったときにも有効です。間使は腸の動きを活発にすると言われ、刺激すると便意を催します。即効性があるので、トイレの中でも押すとよいでしょう。

 足三里は、松尾芭蕉が「奥の細道」を行くときにお灸をすえたことで有名ですね。前脛骨筋上にある健脚のツボで、脚の疲れをいやすツボとして知られるとともに、さまざまな慢性病に効く「長寿のツボ」でもあります。とりわけ消化器のトラブルによく効きます。
 三陰交は、婦人科系疾患の「万能ツボ」として知られ、生理痛、出産の促進、更年期障害などに効きます。生理前後に便秘になったり下痢になったりする女性は多いと思いますが、こうした女性特有のホルモンの影響による体調の乱れにも、ホルモン分泌を調整して体調を整えてくれるツボです。

 おなかのツボを押すときは、仰向けに寝て、おなかの緊張をゆるめリラックスして行うと効果がアップします。中かんは胃腸の疲れをいやし消化機能を整えるツボで、両手の指先を合わせて軽く押さえます。天枢、大巨も指先をそろえてやさしく押していきます。

 自分で押すときは、仰向けに寝てひざを曲げ、ひざ下にまくらなどを置くと、おなかに余分な力が入らずよいでしょう。

 天枢、大巨のツボはいすに座っても押すことができます。洋式トイレで排便の最中にじっくりゆっくり押したりもんだりすると排便が促され、より楽に排便できるでしょう。

 脾兪は精神の安定によいといわれ、精神的な緊張が原因の便秘によく効くツボです。三焦兪は血液循環をよくして背中の張りにも効きます。背中のツボは自分では押しにくいので、ご家族に押してもらうことをおすすめします。

 大腸兪と小腸兪は、洋式トイレで排便中におなかの天枢、大巨とともに押すとよいでしょう。おなかを押したりもんだりしてもなかなか便意がつかないとき、腰を反らして大腸兪と小腸兪をじっくりゆっくり押すと、排便が促され楽に排便できます。

マッサージやお灸もよく効く

 便秘にはマッサージやお灸もよく効きます。自分で簡単にできる方法を紹介しましょう。
 便秘になりやすい人は、上記のツボ押しとともに、お腹に「の」の字を書くお腹のもみだし(按腹:あんぷく)を習慣にするとよいでしょう、寝る前や、朝起きてお水を飲んだら直ぐにこのマッサージを行うことで、便意がつきやすくなります。

(*重要)おなかの手術や放射線治療をしたことがある方は、腸の癒着(ゆちゃく)が便秘の原因になっていることがあります。そのような場合には、便秘解消のためのお腹のもみだしはしないでください。

 お灸には、皮膚や筋肉に部分的な熱刺激を与えることで、血流を良くしたり自律神経に働きかけ、痛みやこり、冷えを改善し、免疫力を高めるなどの効果があります。
 従来から行われているもぐさを直接すえるお灸(写真左)は、軽いやけどを作ることにより、体が危機感を感じて白血球・リンパ球・マクロファージといった免疫に働く成分を増やすことで免疫機能を高め、体質改善や慢性病に効くと考えられています。しかし、やけどを作らなくても、熱を感じる程度でも効果が得られることが分かってきました。
 自宅で行うなら、シール付き台座の上にもぐさがのっているお灸(写真中)が、簡単でやけどの心配も少ないです。ただし、傷の上やけがをしているところにはお灸はすえないでください。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
佐藤 明子先生


心愛治療院 院長
宮城学院女子大学卒業後、神奈川衛生学園専門学校卒業。鍼灸按摩マッサージ指圧師、リンパ浮腫療法士(日本リンパ学会・日本脈管学会・日本血管外科学会・日本静脈学会認定)、日本医療リンパドレナージ協会 上級修了。2002年より、がん術後リンパ浮腫治療とがん術後の身体のコリ・張りの専門治療を行っている。
東京・南青山『心愛治療院』

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