早めの妊活がおすすめの人とは-妊娠のためにしたほうがいい事

月経不順や強い生理痛のある人は早めの妊娠出産が望ましい

子どもが欲しいと考えたら、排卵日はあまり気にせず、できるだけセックスする回数を増やすのが妊娠への近道

いつ子どもを産むかは人生の大きなポイント

 子どものいる人生を思い描くカップルにとって「いつ子どもを産むか」はとても重要なことです。一般的に、30歳頃には一人目を出産するように計画したほうが有利です(「高齢妊娠、高齢出産のデメリットとメリット」参照)。

 不妊治療で排卵誘発剤の反応を推測したりする検査としてアンチミューラリアンホルモン(AMH)検査があります。最近では、すぐには妊娠を希望しないが将来妊娠できるか可能性を知りたいためにと、この検査を受ける人が増えているそうです。

 しかし、AMH検査では残っている卵子の「数」が推測できるだけです。そして、卵子の数と質とは無関係です。たとえ残っている卵子の数が多くても、その質が落ちれば妊娠は難しくなります。よって、AMHの値が良かったからといって「妊娠できる!」と安心していいわけではなく、値が低かったら「少し早く妊娠を考えてみましょうか」という程度のものです。
 40歳に近づいてもAMHが高ければ妊娠しやすいなどとは勘違いしないでください。子どもを作れる環境があるのなら、AMHの値が良かったからと出産を先延ばしにするのはやめましょう。

特に妊娠を先延ばしにしないほうがよい人は?

 産婦人科医としての過去の経験から、特に早めに妊娠出産をしたほうがよいと思うのは、次のような人です。
(1)月経が不順な人
(2)生理痛が強い人
(3)月経の出血量が多い人
(4)持病があって定期的に通院が必要な人
 これらに当てはまる人は、なるべく早めの妊娠を考えてください。先延ばしする場合には産婦人科での定期的なチェックをお勧めします。

(1)月経が不順な人
 数カ月に1回しか月経が来ないような人は、排卵がいつなのかがわかりにくいですよね。また、排卵する回数も少ないため妊娠のチャンスも少なくなります。しかし、排卵が不規則であっても、毎日でもセックスできるような若い時期なら、絶対にどこかで排卵日にセックスが当たります。よって、このような人は、特に性的にアクティブな20歳代に妊娠することをお勧めします。
 40歳近くになってくるとなかなか毎日とはいかなくなるものです。そうすると、少ない回数を効率よく使うために、病院で排卵日を特定してセックスをする日を決めたりしたくなります。お金もかかるし、時間もかかります。何よりロマンチックではありません。

(2)生理痛が強い人
 生理痛が強い場合は子宮内膜症という病気である可能性があります。子宮内膜症を何年もそのままにしておくと、おなかの中に拡がる場合があり、卵管や卵巣が癒着(ゆちゃく:くっつくこと)して動きが悪くなり、不妊になることがあります。生理痛がひどい人は、早めに産婦人科で診察してもらいましょう。
 また、癒着により妊娠しにくくなっているかどうかは、実際に妊娠にトライしてみないとわかりません。よって、状況がさらにひどくなる前に早めにトライすることをお勧めします。

(3)月経の出血量が多い人
 出血が多い人は、子宮筋腫が妊娠を邪魔する位置にあるのかもしれません。子宮筋腫は30%くらいの女性が持っているもので、多くの場合は問題ありません。しかし、出血量が多い人の場合は、筋腫の位置が妊娠にトラブルを起こすような場所にあることがあります。産婦人科で必ず確認しておきましょう。単に出血量が多いことだけでも貧血の原因になったりしますから、早めに対処しておきましょう。

(4)持病があって定期的に通院が必要な人
 持病がある人は、いつ妊娠するかについて、よく考えなくてはいけない場合があります。病気によっては年単位で妊娠時期を調整する必要がありますから、早めに産婦人科で妊娠についての相談をしておくことをお勧めします。また、持病で受診している主治医にも妊娠の時期について相談しておきましょう。
 また、妊娠に向けて特別に薬の追加が必要な場合もあります。しっかりと対応できていないことが多いのが抗てんかん薬を飲んでいる人です。このような人は、普通の人よりも多量の葉酸を飲んでおくことで、赤ちゃんの障害(神経管閉鎖障害)を減らすことができます。必ず葉酸も処方してもらいましょう。

妊娠を考え始めた人がやるべきことは

●セックスする回数をなるべく多くする
 不妊治療で最初に行う治療に、タイミング法があります。超音波で卵胞(卵が入っている袋)が徐々に大きくなることを確認して排卵する時期を予測し、妊娠率の最も高い排卵前日のタイミングでセックスすることを勧められる治療法です。
 しかし、これは2~3日おきに定期的にセックスしておけば本来は不要な治療です。精子はセックスの後2~5日くらいは生きています。つまり定期的にセックスすればいつでも精子は排卵を待っていられるので、タイミング法などという「治療」をしなくても妊娠できるのです。

●排卵日を気にしない
 上の方法と重なりますが、排卵日を気にして、その前後にしか仲良くしないというカップルが時々います。しかし、排卵日は変動するのが普通だし、この日にセックス! と言われると、気分も萎えるものではないでしょうか。できれば、排卵日を気にせずに定期的に仲良くしておくのがいいですよ。

 また、妊娠を考え始めたら、妊娠前からやっておくべきことを知っておきましょう(「妊娠を希望したときから始まる健康管理」参照)

 以上のように、妊娠は早いほうが有利ですが、他にやりたいことがある人もいるでしょう。今が妊娠したくない時期ならば、確実な避妊法を使ってくださいね(「確実な避妊法を知っていますか?」参照)。
 納得できる人生が送れるように、がんばっていきましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
太田 寛先生


慈桜会 瀬戸病院産婦人科(所沢市)
北里大学医学部公衆衛生学 助教
1989年京都大学工学部電気工学科卒業後、日本航空株式会社羽田整備工場に勤務。2000年東京医科歯科大学卒業。茅ヶ崎徳洲会総合病院産婦人科、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、2009年北里大学医学部公衆衛生学助教に。2012年瀬戸病院産婦人科勤務、現在に至る。平成21年度厚労科研費補助金「新型インフルエンザ対策(A/H1N1)妊娠中や授乳中の人へ」パンフレット作成委員。医学博士、日本医師会認定産業医、日本産科婦人科学会専門医。

コラムに関連する病名が検索できます。

その他のフィットネス&リラックスコラム

この記事を見ているひとはこんな記事も見ています

曖昧や先延ばしはNG!お誘いの返事ってどうしてる?

2016年もあっという間にあと1ヶ月!年末のイベントが目白押しでは?忘年会、クリスマスパーティなど集まる機会が多い時期ですが、その時にちょっとだけ気をつけたいポイントをお伝えします。このポイントを知って行動すると良好な人間関係が深まり、... 続きを読む

寒くなってきたので早めにアウターを買いたいです

Q.寒くなってきたので早めにアウターを買いたいです A.おすすめはダブルボタンのトレンチ。ダウンは厳選しましょう。
日に日に寒くなってくる今日この頃、そろそろアウターを用意しなきゃと思っている人... 続きを読む

早めにチェックインしてリラックスタイムを満喫

ヘルシーディナーにフットバス
ダイエッターのお楽しみもぎっしり! ヨコハマ グランド インターコンチネンタルのチェックインは14:00。せっかくならこの時間にはホテルへ到着して、さっそくお部屋でくつろぎたい!
... 続きを読む

卵子凍結

この2月、千葉県浦安市は順天堂大学病院と協力し、少子化対策として卵子の凍結保存にかかる費用の補助計画を発表。卵子凍結には保険が適用されず、通常70~100万円ほどかかりますが、「20~34歳で浦安市在住の女性は3割程度の自己負担で利用でき... 続きを読む

20〜40歳代女性に急増している子宮内膜症

子宮内膜症は進行性の病気

子宮内膜に似た組織が腹膜や卵巣など子宮以外の場所で増殖する病気。
子宮内膜症 - goo ヘルスケア

子宮内膜症は、子宮内膜組織が、子宮内腔以外のところで増殖し続ける、進行性の病気です。内膜症の細胞... 続きを読む

そのメイク、もう遅れてるかも!?定期的に見直すべきパーツ2つ

メイクのトレンドも、ファッションのトレンドに合わせて少しずつ移り変わっています。にも関わらず、ずっと同じメイクをしていませんか?思い当たる人は周囲の人から「ちょっとメイクが古くさい」と思われているかもしれません!そこで、今回は定期的にト... 続きを読む

妊娠初期の腹痛は危険? 腹痛の種類と気をつけたい3つの事

まだ体調が安定しない妊娠初期。腹痛があると不安になりますが、すべての腹痛が危険とは限りません。腹痛の種類と見分け方を知っておきましょう。 子宮が成長することで起こる腹痛は心配なし 妊娠すると赤ちゃんを育むため、子宮がどんどん大きくなって... 続きを読む

似てるけどちがう?目尻にできるシミ2種類を見極めて早め対策!

最近目の近くに細かなシミができてるというあなた。お同じ位置にできるシミでも、実はできる原因も対処法も異なっているんですよね。種類によっては早めの対処がキーになることも。そんな紛らわしい2種類のシミを比較してみたいと思います!似てるようで... 続きを読む

やせるテクニック:生活中の運動のチャンスを見逃さない

普段から運動できるチャンスを探していこうとする姿勢が大事
運動というのは特別なスポーツだけを指すのではありません。毎日の生活の中で活動量を増やしたり、仕事や家事の合間に体操することも立派な運動ですから、気... 続きを読む

妊娠検査薬の上手な使い方-妊娠してても陰性の結果が出ることも

そろそろ月経が来るはずなのに来ないときには、どんな可能性があるのでしょうか?
卵巣の働きの一時的な不調、過度のダイエット、ストレスなどが原因で起こるホルモン分泌の異常などで月経が遅れることもありますが、性交経験があれば、たとえ避妊していて... 続きを読む