働く世代の喫煙率は下げ止まり-妊娠中、出産後の喫煙が問題

喫煙率は低下から下げ止まり? 特に高い20~50代の男性

妊娠初期の妊婦の喫煙率は25歳未満で9%、その夫は63%も! 本人だけでなく赤ちゃんへの影響が心配

低下傾向だった喫煙率に下げ止まりの兆候?

 喫煙が肺がんだけでなく全身のがんのリスクを高め、脳卒中や心筋梗塞をはじめとするさまざまな病気の原因となることは広く知られるようになっています。しかし、喫煙率は一頃より減ってはいるものの、働く世代の男性ではまだまだ喫煙する人の多いことが、国の調査でわかりました。

 「平成23年国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によると、習慣的に喫煙している人は男性32.4%、女性9.7%で、平成15年から徐々に減る傾向にありましたが、男女とも前年よりも増え、下げ止まりの兆候が心配されます。なかでも男性は20~50歳代の働く世代の喫煙者の割合が高く、特に30歳代で喫煙する男性の割合は約44%、20歳代、40歳代でも約40%と高くなっています
 ただし喫煙者のうち、「たばこをやめたい」と思っている人も男性32.8%、女性42.8%にのぼりました。

 5月31日は世界禁煙デー。もしもあなたが喫煙者なら、これをきっかけに禁煙しませんか? たばこをやめられないのは、意志が弱いからではなく、喫煙習慣はニコチン依存症という病気によるものだからです。禁煙に何度も失敗しているという人は、医療機関の禁煙外来を受診して専門家の指導を受けたり、禁煙イベントに参加してみるのもよいでしょう。

 *禁煙治療の保険適用には、1日の喫煙本数や喫煙期間など、いくつかの条件を満たすことが必要です。

妊婦も25歳未満では9%が喫煙を続け、パートナーは63%も喫煙している

 もう一つの国の調査結果からは、若い妊婦とそのパートナーの喫煙率が高いことが明らかになりました。

 環境省は、化学物質などが子どもの成長・発達に与える影響を明らかにすることを目的に、2011年から「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を行っています。
 この調査で妊娠初期の約3万3000人の妊婦さんの喫煙状況を調べたところ、「喫煙したことはない」と「妊娠前からやめていた」人が合わせて82%、「妊娠後やめた」人が13%、「現在も吸っている」人は5%でした。25歳未満の若い世代の妊婦では、9%が喫煙を続けていました(2013年1月発表の中間報告による)。

 さらに、妊婦のパートナー(男性)約3万2000人のうち、「現在も吸っている」人が全体の45%に及び、25歳未満の妊婦のパートナー(若い男性)では63%と非常に高い数字でした。妊婦と生まれてくる赤ちゃんへの受動喫煙の影響が心配されます。

妊娠中、出産後の喫煙は本人だけでなく赤ちゃんへの健康被害も問題

 妊婦の喫煙は、本人だけでなく赤ちゃんへの健康被害が問題になります。主なものだけでも次のとおりです。

●胎児の発育が遅れ、低出生体重児が生まれる原因となる
●早産、流産、死産などのリスクが高まる
●赤ちゃんの肺機能の低下や乳幼児突然死症候群の原因となることがある

 また、出産後も喫煙していると、ニコチンを含んだ母乳を赤ちゃんに飲ませることになり、赤ちゃんが嘔吐(おうと)や下痢、頻脈、不眠などのニコチン中毒症状を起こすことがあります。たとえ母乳を飲ませていなくても、受動喫煙による被害は深刻です。
 受動喫煙で吸い込む煙には、発がん物質を含む有害物質が、喫煙者本人が吸い込む煙よりも多く含まれ、さらに最近関心の高まる大気汚染物質PM2.5(粒子がごく小さいため肺の奥まで入りやすく、吸い込むと肺がんやぜんそくのリスクを高めるとされる)も含まれています。
 受動喫煙によって、肺がん、脳卒中、心筋梗塞、早産、乳幼児突然死症候群などのリスクが高まることが報告されています。

 こうしてみると、母子と一緒に暮らす父親の喫煙率が平均45%、若い父親では63%の数字は大変問題で、衝撃的と言ってもよいでしょう。親の喫煙は赤ちゃんにさまざまなリスクを負わせることになりますから、母親も父親も妊娠前から禁煙することが大切です。せめて妊娠がわかったら、一刻も早く禁煙して赤ちゃんの健康を守りましょう。

(編集・制作 (株)法研)

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