インフルエンザを見極める3つの症状-ワクチンは受けるべき?

早めの予防で忍び寄るインフルエンザから身を守ろう

寒く乾燥した季節に最も活発になるインフルエンザ。適切な予防と対処法を知ってウイルスを撃退しましょう。

インフルエンザかなと思ったらすぐ受診しましょう

 インフルエンザは潜伏期間が1~5日間と短く、普通のかぜに比べ急激に発症して、しかも症状が重いのが特徴です。インフルエンザが流行しているこの時期、次の症状がある場合は、インフルエンザの可能性を考え、早めに受診しましょう。

1. 突然、38℃以上の熱が出て下がらない
2. 熱っぽくて倦怠感が続き、関節痛や筋肉痛、頭痛がすることもある
3. 寒けが続き、せき、鼻水、くしゃみ、のどの痛みなどがでてきた


高齢者のインフルエンザ
 加齢のため体の抵抗力が弱い高齢者は、健康な成人に比べて2倍ほどウイルスに感染しやすく、インフルエンザにかかると肺炎を起こしやすくなります。また、感染しても、高熱やその他のはっきりした症状が現れないことがあります。咳が続く、息苦しさ、呼吸が早くなる、息遣いが荒いといった症状がみられたら、インフルエンザの注意信号です。

子どものインフルエンザ
 高熱が出たときは、熱の高さよりも他の症状がないかどうか、注意をすることが大切です。1.けいれんを繰り返す 2.呼びかけても反応しない 3.意味不明な言動がある 4.呼吸困難がある 5.唇が乾いている、皮膚が乾燥している、尿の色が濃いなどの脱水症状がある 6.嘔吐下痢をするなどの症状がみられた場合は、脳炎や脳症を起こしている可能性があるので、すみやかに病院を受診するようにしてください。

発症から48時間以内の服薬がカギ

 日本では、1998年からインフルエンザに対する治療薬として抗インフルエンザ薬が用いられるようになりました。この薬の重要なポイントは、症状に気づいたら、できるだけ早く、発症してから48時間以内に薬を使い始めることです。服用後、24時間以内から効き始め、発熱が続く期間を1~2日は短縮できるとされています。

妊娠中や小児への服用は慎重に
 A型インフルエンザの治療薬として使われる塩酸アマンタジンは、催奇性(胎児に奇形を引き起こす性質)が疑われるデータがあるため、妊娠中、または妊娠している可能性のある女性、授乳中の女性は禁忌となっています。

 またA型、B型の両方のインフルエンザに有効なノイラミニダーゼ阻害薬には、吸入薬のザナミビル(商品名リレンザ)と経口薬のリン酸オセルタミビル(商品名タミフル)があり、これらは妊娠中の投与に関する安全性が確立していないため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にだけ投与することになっています。

予防接種で重症化を防ぐ

 インフルエンザの予防に最も効果が期待できるのは、流行前に予防接種を受けることです。あらかじめウイルスに対する免疫力を備えておくと、確実に、インフルエンザの重症化を防ぐことができます。

 ワクチンは体内で免疫反応により抗体を作って防御するため、接種してから効果が現れるまで、ある程度日数がかかります。インフルエンザワクチンの場合、効果が現れるのは、通常、接種してから2週間後といわれています。さらに免疫の効果が頂点に達するのは4週間後で、効果は5カ月間持続するといわれています。

ワクチンを接種したほうがいい人と注意するべき人
 ワクチンを接種すべき人は、インフルエンザ罹患による重症化と死亡報告が多い65歳以上の高齢者です。次に年齢に関係なく呼吸器疾患、循環器疾患、腎不全、糖尿病、免疫不全症などの慢性の基礎疾患がある人。そして、5歳以下の子どもです。幼稚園や保育所、小・中学校でインフルエンザが流行すると、家族全員、地域全体でインフルエンザの患者が多数発生することも考えられますので、5歳以上でも、集団生活を送る子どもは、ワクチン接種を受けたほうがよいでしょう。

日常生活で気をつけること

 日ごろから手洗いやうがいでウイルスの感染を防ぎ、バランスのとれた食事や十分な睡眠などで病気への抵抗力を高め、インフルエンザに負けない体をつくっておきましょう。インフルエンザの流行時は日常生活で気をつけることもありますので、実践してみてください。

(「インフルエンザ緊急対策」 2005年11月刊、小林治著、法研より)

小林 治


杏林大学医学部感染症学講師
平成2年杏林大学医学部卒業。平成10年杏林大学医学部大学院医学研究課程修了。平成11年コペンハーゲン大学附属王立病院臨床微生物学教室留学。平成12年杏林大学第一内科助手。平成14年杏林大学医学部感染症学講師。現在に到る。

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