痩せている人にいる隠れ肥満-3つのメタボ診断でチェック

一見ではわからない、見逃すとこわい「隠れ内臓肥満」

やせているのにお腹だけ出ている「隠れ内臓肥満」が増えています。生活習慣病の原因になるので注意が必要です。

スリムな体型でもご注意!

 肥満には、通称“洋ナシ型”と“リンゴ型”の2つのタイプがあることは、今では一般的に知られるようになってきました。“洋ナシ型”というのは「皮下脂肪型肥満」で、おなかの皮下に脂肪が蓄積されるタイプ。それに対して内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプが“リンゴ型”で「内臓脂肪型肥満」と呼ばれます。

 大阪大学大学院の中村正講師によると、この“リンゴ型”肥満の中に、「隠れ内臓肥満」の人が見られるということです。

 見つけかたは、「手足はほっそりしているのにおなかだけ出ていて、おなかの皮が薄い(つまみにくい)」というポイント。この条件にあてはまり、加えて血糖値、血圧、中性脂肪が高めの人はとくに注意、と警告されています。では、「内臓脂肪型肥満」がどうして危険なのかお話ししてみましょう。

メタボリックシンドロームを起こす可能性も

 内臓脂肪蓄積になぜ注意が必要かというと、生活習慣病を引き起こす可能性が高いと考えられているからです。肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症のうち3つ以上あれば、心臓病のリスクが約36倍にもなるといわれています。肥満、糖尿病などの影響で血管の壁が硬くなり動脈硬化を起こして、脳梗塞や心筋梗塞の危険度がアップするのです。このように、内臓脂肪蓄積により、さまざまな病気が相乗効果を伴って引き起こされることを「メタボリックシンドローム」と呼びます。

 2005年4月、日本内科学会でこのメタボリックシンドロームのガイドラインが成立しました。そこでは、日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準を以下のように発表しました。

 まず、ウエスト(へそ周囲径)が男性85cm、女性90cm以上であること。このウエスト径によって、内臓脂肪の蓄積を判定します。自分で測定するときは、ウエスト径は、へそまわりを測ること。腰の一番細いところではないので注意してください。

そして、以下の項目3つのうち2つ以上にあてはまること。これらがそろっているとメタボリックシンドロームと診断されます。

1.血清脂質
○中性脂肪高値 150mg/dl以上
  HDLコレステロール低値 40mg/dl未満
  のいずれか、または両方
2.血圧高値
○最高(収縮期)血圧
  130mmHg以上
  最低(拡張期)血圧
  85mmHg以上
  のいずれか、または両方
3.血糖高値
○空腹時血糖値
  110mg/dl以上

生活習慣の改善がポイント

 それでは、「内臓脂肪型肥満」を改善するにはどうすればいいのでしょうか? 内臓肥満の人の生活には次のようなパターンがあります。中村講師は、それを、下に示した方向に変えてゆくことを勧めています。

1 自動車をよく使う。
  ↓
  1日に歩く距離を少しでも延ばす。

2 1回の食事に30分以上かけて、満足するまで食べる。
  ↓
  腹八分目を守る。

3 緑黄色野菜が嫌い。
  ↓
  野菜を含め種類豊富な食品をとり、栄養バランスを整える。

4 よく間食をする。(デザート、甘い飲み物などを含む)
  ↓
  間食はしない。

5 喫煙習慣がある
  ↓
  たばこはやめる。

 日頃の生活習慣をみなおし、変えてゆくことで、隠れ肥満を予防する効果があるということです。

(「健康のひろば」、法研より)

【取材協力】
中村正氏


大阪大学大学院内分泌代謝内科講師

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