そのむくみはからだの異常のサインかも?むくみの原因と解消法

デスクワークばかりの運動不足はご用心

血行改善と生活習慣の見直し、漢方薬でむくみを解消しよう。全身性のむくみは要注意!

女性だけでなく男性にも起こるむくみ

 一日中出歩いたり、長い時間立ち仕事をした日の夕方、靴がきつくなったり、足がパンパンになったりしたことはありませんか? 足のすねを押すと引っ込んで戻らない、いつまでも靴下のあとがとれないなら、それは「むくみ」です。

 「むくみ=女性の症状」と思われがちですが、外歩きの多い営業マンや、運動不足で筋力が低下している人の場合、男性にもむくみは起こります。むくみは心臓病や肝臓病など、病気が原因で起こることもありますから男性も要注意です!

むくみはなぜ起こるの?

 からだの中の水分は血管内、細胞内、細胞外(細胞と細胞の間)にあって一定のバランスを保っていますが、何らかの原因でこれらのバランスが崩れ、細胞外に水分が増えすぎ腫れぼったくなった状態が「むくみ」です。むくみは、重力によって水分がたまりやすい下半身に起こることが多く、特に足首やすねなど、筋肉の少ない場所がむくみやすくなります。

 足は第二の心臓といわれるように、足の筋肉は心臓から送られてきた血液を心臓に戻すポンプのような働きをしています。筋肉が発達していてよく動く人はこのポンプの働きがうまくいくため血行がよく、水分の排出もスムーズに行われます。
 逆にいえば、長時間の立ち仕事やデスクワークなど、仕事中一定の姿勢であまり動かない人は、血行が滞ってむくみやすくなります。また、運動をしない人は筋力が弱く、冷えも血行を悪くしますから、冷え性で筋力の弱い女性に、むくみで悩む人が多いのです。

 ほかにも、むくみの原因には次のようなことがあります。
●塩分のとりすぎ:血液中の塩分の濃度が高まり、濃度を一定に保つため水分を体内にためこもうとして飲水量が増え、細胞外の水分が増える。
●アルコールの飲みすぎ:細胞内が脱水状態となり、逆に細胞外に水がたまる。
●過度のストレス:手足の血流が悪くなったりホルモンが乱れ、体内の水分調整がくずれる。
●女性ホルモンの影響:特に月経前や妊娠中、更年期にはむくみやすい。

 こうした日常生活で起こりがちなむくみは、お風呂にゆっくりつかって十分な睡眠をとれば解消されることがほとんどで、特に心配のないものといってよいでしょう。

むくみはからだの異常をあらわすサイン。こんなむくみは要注意!

 足や顔がむくんでも、翌朝解消されていれば問題ありませんが、なかなかむくみが取れなかったり、時間とともにひどくなる場合、下記のような病気の可能性があります。むくみが全身に出る、1日中持続する、急に体重が増えた、尿の出が悪いなどの症状があったら、すぐに内科を受診しましょう。

●全身にむくみがあり、特にまぶたのむくみが続く→腎臓病
●足にむくみがあり、どうきや息切れもある→心臓病
●全身にむくみがあり、ひどい場合はおなかに水がたまる(腹水)→肝臓病
●足のすねを数秒間強く指で押しても、はじかれる→甲状腺(こうじょうせん)の病気

血行を改善してむくみを防ごう

 たとえ病気ではなくても、足や顔がむくむのは不快なものです。そこで、むくみを起こさないための工夫や、むくんだときの対処法を覚えておきましょう。

 なんといっても血行を改善させること! 顔のむくみなら蒸しタオルを顔に当てる、足のむくみなら足湯や青竹踏み、軽いストレッチやマッサージでむくんだ部分をほぐすのも効果的です。例えば足指の間に手指を交互に入れ、足首を大きく回します。
 よく立ち仕事をする人は、足の下にクッションなどを当て足を高くして寝るとよいでしょう。長時間座ったまま仕事をする人は、合い間を見て伸びをしたり軽いストレッチをするなど、こまめに体を動かしましょう。
 歩くことや足の屈伸運動は、足の筋肉を動かすことで血液の循環を改善し、むくみの予防と解消に大変効果があります。

 睡眠不足や不規則な生活、無理なダイエットなどもむくみを起こしやすくしています。そんな生活習慣はただちに見直しましょう。利尿作用のあるコーヒーや日本茶、ミントやローズなどのハーブティーなどをとり、水分代謝を促すのもよいでしょう。

漢方薬で改善できる体質的なむくみ

 血行をよくする努力をしてみても、生活習慣を見直してみても、冷え性で体力のない女性など、なかなかむくみが改善しない人もいるでしょう。そんな人は、体質だからとあきらめがちですが、漢方薬で改善されることがありますから、漢方も扱っている専門医に受診するか、専門の薬局に相談してみましょう。

 漢方に詳しい医師なら、その人の体質に合わせて漢方薬の処方と日常生活の指導をしてくれます。体力や胃腸の丈夫さなどによって、処方される漢方薬は異なりますが、五苓散(ごれいさん)、真武湯(しんぶとう)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)などが多く処方されます。むくみそのものには短期間で効果が現れますが、冷えや疲れといった症状の改善には時間がかかるため、根気強い服薬が必要です。

【監修】
渡邉賀子氏


麻布ミューズクリニック院長
慶應義塾大学病院漢方クリニック非常勤講師
1987年久留米大学医学部卒業後、熊本大学第三内科、近畿大学東洋医学研究所などを経て、1997年北里研究所にて日本初の「冷え症外来」を開設。2003年慶應義塾大学病院漢方クリニックにて女性専門外来「漢方女性抗加齢外来」を開設。2004年麻布ミューズクリニック開業、現在に至る。医学博士、漢方専門医。日本東洋医学会指導医、和漢医薬学会評議員。著書(監修)に『冷え症で悩む人に』(NHK出版)、『きれい&元気になる冷え症解消法』(池田書店)、『女性ホルモンですっきりキレイ(共著)』(ナツメ社)ほか。

コラムに関連する病名が検索できます。

この記事を見ているひとはこんな記事も見ています

体の中から痩せていく漢方薬ダイエット

漢方
人間一人ひとり個性があるように、個人個人の持つ体質もそれぞれ異なっています。
ストレス太りをしやすいタイプ、血行が悪くなりがちなタイプ、といろいろな体質の方がいる中で、それぞれ異なったケアを行うことができるのが漢方薬ダイエットで... 続きを読む

背中の開いた服が着られない…。背中ニキビの原因と治し方

背中の大きく開いたドレスを着て、いざ出かけようと振り返って鏡を見たら、赤く腫れたニキビがブツブツ!
そんな経験はありませんか?
思春期のホルモンの影響でできる10代の顔のニキビに対し、背中のニキビは20代以降に増えてきます。
顔のニ... 続きを読む

太ももやせには ポンプ体操

1.足を肩幅に広げてまっすぐ立ち、頭の後ろで手を組む。しゃがみきる手前までお尻を下げて、1秒間その姿勢をキープ 2.膝が完全に伸びる手前までゆっくり立ち上がり、1の体勢にゆっくりと戻る。立ち上がるときに息を吐き... 続きを読む

便秘がちな女性は痔になりやすい? 予防と治療に一番良いこと

痔(じ)は「お尻のかぜ」と言われるくらい誰でも普通にかかる病気。日本人の3人に1人が「痔主」と言われています。痔の最大の原因といえば便秘ですが、女性には便秘の人が多いため、たくさんの女性が痔に悩んでいます。しかし場所が場所だけに、「もしか... 続きを読む

絶対冷え性を治したい! 冷えを改善する4つの生活ポイント

厳しい寒さが続くなか、体が冷えてつらい思いをしている方も多いのではないでしょうか?
冷え症は圧倒的に女性に多く、女性の2人に1人は冷え症という調査結果もあるほど。それほど女性に多い冷え症ですが、問題なのは、寒い、手足が冷たいといった体の冷... 続きを読む

漢方薬にもある副作用-薬の副作用が起きるしくみについて

副作用がゼロの薬はない、漢方薬も例外ではないことを知って。 薬本来の目的以外の好ましくない働きが副作用。副作用が起こる仕組みと、起きた場合の対処法について解説します。 漢方薬だからといって、副作用がゼロではない 病気を治したり、症状... 続きを読む

塩分を控えるだけじゃダメ!?浮腫みの意外な原因と対処法

こんにちは、コラムニストの愛子です!浮腫みは女性の大敵ですよね。塩分の摂り過ぎに気を付け、半身浴やマッサージもしているのに浮腫みやすいという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、考えられる原因と対処法をご紹介します。塩分を控えるだ... 続きを読む

ピロリ菌やがんから胃を守る-こんな不調があったら要注意?

食欲の秋なのに、なんとなく胃の調子がすぐれず「食べたいのに食べられない」と憂うつな気分になっている人はいませんか?
「日本人は胃が弱い」とはよくいわれます。がんの部位別死亡率をみると、最近は肺がんにトップの座を譲ったものの、長い間、胃が... 続きを読む

むくみを解消するダイナミック・ストレッチング-仕事の合間にできる体操

ダイナミック・ストレッチングの第2弾として、今回は足のむくみを解消する運動を紹介します。ダイナミック・ストレッチングとは、一定の方向への運動をリズミカルに繰り返す「動きを伴うストレッチング」のこと。仕事や家事の合間にも、疲れたなと思ったら... 続きを読む

1日中デスクワークで足がパンパン!むくみ解消に効く飲み物3選

1日中デスクワークをしてれば、それこそ足はパンパンになるに決まっています。 そんな足パンパンむくみ女性にオススメしたいドリンクがあります。1日中デスクワークで足がパンパン!むくみ解消に効く飲み物3選 誰もが知っている豆乳 豆乳には、利尿... 続きを読む