夜中に足がつったときの対処法と原因-病院へ行くべき症状は?

多くは筋肉の疲労や冷えが原因で、病的なものではない

つったときは筋肉を伸ばす。普段から足を冷やさず、マッサージやストレッチを。頻繁におこるなら受診して

症状が続くときは原因を調べてもらおう

 夜中、寝ているときに突然足がつって目が覚めたり、朝起きたときもまだ痛みが残っていることがありませんか? 「足がつる」とは、足の筋肉が突然強い痛みを伴って収縮・けいれんすること。とくに多いのが、ふくらはぎがつる「こむら返り」です。
 足がつることは、さして珍しいことではなく、誰でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。とはいえ、飛び起きるほどの痛みはつらいですし、頻繁におこると、「何かの病気が原因ではないか」と気になるものです。

 夜中に足がつるのは、多くは筋肉の疲労によるものです。とくに運動をしていなくても、日常生活での疲れが積み重なっておこったり、普段と異なる動かし方をしたために足がつる可能性もあります。疲れた筋肉は、通常はゆるむものですが、過度の刺激を受けると強く収縮し、足がつる原因となります。
 また、筋肉の冷えによる血行不良も筋肉を収縮させることから、足がつる原因として考えられていますが、いずれも病的なものではありません。

 ほかに多いのは、多量の発汗や下痢などによる脱水状態などで電解質(カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラル)のバランスが崩れることによるもので、神経や筋肉が興奮しやすくなって足がつる原因になります。降圧剤やホルモン剤などの薬剤が原因となる場合もあります。

 注意が必要なのは、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)や椎間板ヘルニアなどの症状の一つとしておこったり、脳梗塞や脳腫瘍、糖尿病などの内分泌疾患などがあって足がつることもあることです。症状が頻繁におこる場合には、整形外科や神経内科または糖尿病に詳しい内科などで原因を調べてもらうとよいでしょう。

つったときにはその筋肉をゆっくり伸ばすこと

 足がつったときには、まずその筋肉を伸ばすとよいでしょう。夜中に寝ているときなどは、面倒に感じるかもしれませんが、朝まで痛みを引きずらないためにも、つった部分の筋肉を伸ばすことをおすすめします。

 ふくらはぎがつったときは、つったほうの足先を手でつかんで足裏が反るように顔の方にゆっくりと引きつけましょう。こうすることで、収縮したふくらはぎの筋肉を伸ばすことができます。少し症状が和らいできたら、ふくらはぎを下から上へ向かってやさしくさするようにマッサージしたり、ひざの裏をもむ、足首を回すなどの方法で血行を促し、硬くなった筋肉をほぐしましょう。

 起きあがれるなら、つったほうの足を伸ばして座り、片手で足先をつかんで手前にゆっくり引きつけたり、つったほうの足を後ろに引いて立ち、アキレス腱を伸ばすような姿勢をとります。温めるのもおすすめです。

 筋肉を伸ばすときは、反動をつけたり、痛みをこらえて無理に強く伸ばそうとしないこと。無理に伸ばすと肉離れをおこすこともあるので注意しましょう。

予防に適度のストレッチを

 一度足がつると、何度も繰り返してクセになってしまいがち。そうならないためには、ふだんから足が冷えないように注意するとともに、筋肉の十分なマッサージやストレッチを行うことです。

 ストレッチは上記のほか、次の方法も試してみてください。
 壁から90センチほど離れて立ち、両手を伸ばして壁にもたれ、腕立て伏せをするように肘をゆっくり曲げていきます。こうすることでふくらはぎが伸ばされます。この場合も、痛みの出ない位置で止めることが大切です。

 こうしたストレッチに加え、食生活での栄養素の偏りを改善することも大切です。ミネラル分が不足しないように野菜や果物、海藻、牛乳などをしっかりとりたいものです。また、足がつりやすい人では、ビタミンB1やタウリン(アミノ酸の一種)の不足が指摘されます。ビタミンB1は豚肉、豆類、牛乳、卵などに、また、タウリンは、イカやタコをはじめとした魚、貝類に豊富です。

 スポーツをするときは、運動前後に十分なストレッチを行い、水分補給には、ミネラル分を豊富に含んだスポーツドリンクが、電解質のバランスを保つのにも有効です。
 汗をかきやすい人は特に、スポーツ時に限らず普段から水分を適度に補給することを忘れないでください。

【監修】
松本 忠重先生


目黒厚生会 本田病院院長
聖マリアンナ医科大学卒業後、昭和大学整形外科医局入局。松井病院整形外科部長、菊名記念病院整形外科医長などを経て、平成20年4月より現職。整形外科認定医、医学博士、日本体育協会スポーツドクター。

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