耳そうじはどれぐらいの間隔でするべき? 正しい耳そうじの仕方

難聴を疑って受診したら、耳あかが原因だったということも

はがれ落ちた古い皮膚に、分泌物やほこりなどが混ざり合う。耳そうじは、し過ぎてもしなさ過ぎてもダメ

不潔そうな耳あかだが、殺菌作用や皮膚を保護する働きも

 皆さんは耳そうじを定期的にしていますか? 定期的にといっても週に何回もやる必要はないのですが、かといって1年に1回とか2~3回などというのも、ちょっと問題かもしれません。そんなに放っておいて、耳の中がかゆくなったりすることはないのでしょうか。かゆくなるくらいならまだしも、聴こえが悪くなることだってあるのです。「どうも最近、話し声や物音の聴こえ具合がおかしいような……」といって耳鼻咽喉科で診てもらったら、大きな耳あかが耳の穴を塞(ふさ)いでいた、という笑い話のようなことが実際にあるそうです。たかが耳あか、されど耳あかですね。

 耳あかは、耳の穴の古くなった表皮がはがれ落ちたものに、皮膚から出てくる分泌物や外から入ってくるほこりなどが混ざり合ったものです。聞くからに不潔そうで、「だから“あか”というのだな」と納得してしまいそうです。
 されど、です。耳あかは酸性ということとタンパク質分解酵素が含まれていることで殺菌作用があります。さらに、皮膚が分泌する皮脂が混ざっているため皮膚の表面を保護する働きもあるのです。
 「それなら、耳そうじなんかしないほうがいいじゃないか」といった声も聞こえてきそうですが、結論的にいえば、耳そうじはしなくてはダメ、けれどし過ぎてもダメ、ということになります。

耳穴が塞がれると、難聴だけでなく耳鳴りやかゆみが現れることも

 耳そうじをしなければ、どうなるか。穴の中の皮膚も新陳代謝で古い皮膚と新しい皮膚が入れ替わります。古い皮膚ははがれ落ちて、自浄作用により入り口のほうに押し出されてきますが、長い間そうじをしなければ当然のことながら耳あかがたまっていきます。耳あかが耳の穴を塞いで栓(せん)をしたような状態になると難聴をもたらします。このほか、耳が塞がったような感じ(耳閉感)、耳鳴り、かゆみなども現れることがあります。
 穴を塞ぐほど耳あかをためる人が、ホントにいるの? と思うかもしれませんが、「耳垢栓塞(じこうせんそく)」という症状名があるくらいですから、ホントにいるのですね。あるいは耳そうじをしていて、大きな綿棒で耳あかを耳の奥のほうに押し込んでしまったり、入浴や水泳などの際に耳あかが中でふやけてふくらみ、聴こえを悪くするというケースもあります。耳あかがたまり過ぎている感じがあり、聴こえもよくないときは、自分で無理して耳あかを取ろうとせず、耳鼻咽喉科に受診して取り除いてもらったほうがよいでしょう。

そうじは入り口付近を月に1~2回で十分

 それでは、逆に耳そうじをし過ぎると、どんな弊害があるでしょうか。耳あかを取り過ぎたりひっかいて皮膚を傷つけると、皮膚にびらん(ただれ)ができて感染を起こしやすくなります。水様性の耳だれが出てくるとか耳穴の中にカビが生えてかゆみが強くなるなど、慢性の外耳道炎が起きることにもなりかねません。

 耳あかは耳の入り口から1cmほどのところにたまりますから、耳かきを深く差し入れる必要はありません。深く入れて耳あかを奥に押し込んだり、皮膚を傷つけてしまわないように気をつけてください。普段は、お風呂上りに耳穴の入り口あたりをタオルでやわらかく拭くくらいで、耳かきや綿棒(細いもの)などによるそうじは1カ月に1~2回すれば十分です。

 ちなみに、耳あかにはかさかさした粉状のタイプと、べとべとした粘り気のあるタイプがあります。これは遺伝によるもので、日本人の約75%はかさかさした耳あか、残りの25%がべとべとした耳あかだといわれています。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
大河原 大次先生


耳鼻咽喉科 日本橋大河原クリニック院長
昭和34年東京生まれ。成蹊高校卒業。昭和60年帝京大学医学部卒業後、日本医科大学耳鼻咽喉科入局。その後、伊勢崎市民病院耳鼻咽喉科医長、神尾記念病院副院長を経て、平成18年12月耳鼻咽喉科日本橋大河原クリニック開業、現在に至る。医学博士。耳鼻咽喉科専門医、補聴器認定相談医、身体障害者福祉法指定医。

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