ジェネリック医薬品って知ってる? 効果は同じで薬代が安くなる

処方せんは原則使用の形式、健保や自治体の後押しも

価格の安さは慢性病向き。効き目や安全性は同等でのみやすく工夫した製品も多い。普及率も少しずつ向上

新薬より2~8割も安く、長く使う慢性病に向いている

 「ジェネリック医薬品」のことをご存じないという人は、もはやほとんどいないでしょう。「後発医薬品」とも呼ばれ、特許期限が切れた「先発医薬品」(新薬)と同じ有効成分を用いて製造され、新薬と同等の効果を獲得している薬です。新薬に比べて開発費が少なくてすむため、価格も新薬の2~8割も安いのが特徴です。

 国民医療費の止めどない高騰に頭を痛めている厚生労働省が音頭を取ってジェネリック医薬品の普及を図っており、健康保険組合や健康保険協会なども盛んに使用促進のキャンペーンを展開しています。

 価格が安いというジェネリック医薬品の特徴が最大に生かせるのは、長期間服用する慢性病の場合です。以下にある試算例をご紹介しましょう。

 この試算例(増原試算)を見ると、自己負担額の差がどれも1年間で1万円前後に上ります。これらの慢性病の場合、1年どころか場合によっては一生薬をのみ続けなければならないこともあることを考えると、家計に及ぼすジェネリック効果は大変に大きなものになるのがおわかりいただけるでしょう。

欧米に比べてまだまだ低い日本の普及率

 価格が新薬より場合によっては8割も安いとあれば誰でも無条件に飛びつきそうですが、実はなかなか普及していない、というのが日本の現実です。数量ベースでみると、日本より早くから普及している欧米でのジェネリック医薬品の割合は5~6割に達しているのに対し、日本ではまだ約2割。これを平成24年までに3割に引き上げようというのが厚生労働省の目標です。

 実際、ジェネリック医薬品の長所は少しずつ認められているようで、普及率はわずかずつですが上向いています。厚労省の『最近の調剤医療費(電算処理分)の動向』によると、22年10~11月現在、数量ベースで22.6%(前年同期差3.6ポイント増)、処方せん薬局で調剤した回数で48.3 %(同3.3ポイント増)となっています。

 かつては処方せんに、診療した医師の署名がなければジェネリック医薬品に替えられなかったのが、現在では逆に医師の署名がなければ、原則としてジェネリック医薬品に替えることができることになっています。このため、診療時に医師にジェネリックに替えてほしいむねの意思表示をすれば、新薬に代わるジェネリック医薬品がある限り、ジェネリック医薬品を処方してもらえます。

 また、ジェネリック医薬品を使った場合に、自己負担額がどれくらい軽減されるか加入者や市民に知らせる健保や自治体も出てきました。例えば中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会の健保では22年6月に、その前年の9月に薬を処方された40歳以上の加入者に対して、処方された薬剤名と、それをジェネリック医薬品に切り替えた場合の薬代の自己負担額の軽減見込み額を知らせています。

使用者の5~6割が「効果は新薬と変わらない」、「安くなった」

 このように、ジェネリック医薬品を使いやすい条件が整ってきたことの影響でしょうか、厚労省がまとめた「後発医薬品の使用状況調査」(平成22年調査分)では、通院患者の半数以上(56%)がジェネリック医薬品を「使ったことがある」と回答していました。
 こう回答した人に、それまで使っていた新薬と比べたジェネリック医薬品の効果も尋ねたところ、「変わらない」「ほとんど変わらない」という回答が合わせて60%で、「どちらかというと効かない」「効き目が悪い」という回答合計の5%を圧倒。薬代の負担感でも「安くなった」が51%もあり、「それほど変わらない」23%の2倍以上でした。

 ジェネリック医薬品は、新薬と同等の効果と安全性が期待できるうえに、新薬以上にのみやすい工夫が加えられたものも多くあります。こうした効き目、使いやすさに加えて家計の節約効果も大いにあるジェネリック医薬品を、どんどん利用していただきたいものです。

(編集・制作 (株)法研)

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