二日酔いを防ぐお酒の飲み方-シーフードを一緒に食べるといい?

肝臓の働きをサポートし、胃腸を保護する、おつまみの選び方

お酒を飲むとき一緒に食べたいもの、飲む前に食べておくとよいもの、食べ方は?

肝臓が1時間に処理できるアルコールの量は約7g、わずかビールコップ1杯分

 忘年会やクリスマス、お正月や新年会と、年末年始はお酒を飲む機会が多くなる季節です。一年の感謝や新年の希望を願いながら親しい人と飲むお酒は心も和み、リラックス効果も期待できます。ただ、お酒の飲みすぎは肝臓に負担をかけ、翌日は二日酔いで苦しむことにもなりかねません。

 肝臓が1時間に処理できるアルコールの量には男女差や個人差がありますが、通常のアルコール代謝能をもつ日本人の場合、純アルコールで約7gといわれます。これはビールでわずかコップ1杯分。1日の適量とされるビール中ビン1本(500ml)、ワイングラス2杯弱(200ml)、日本酒1合(180ml)に含まれる純アルコール量はほぼ20gで、分解されるのに約3時間もかかります。
 宴会時間は平均2時間から3時間程度ですので、アルコールを分解してくれる肝臓にいかに負担がかかるか、想像がつくと思います。さらに、お酒を飲むとすぐに赤くなる人、女性、高齢者などでは、より負担が大きくなるとされます。

 アルコールが肝臓で分解されると、まずアセトアルデヒドという体に有害な物質になり、さらにアセトアルデヒドが分解されて水と炭酸ガスになります。しかし、飲みすぎると肝臓での分解が追いつかずアルコールやアセトアルデヒドの状態で体内に残るため、つらい二日酔いの朝を迎えることになってしまいます。

肝臓の機能を高めるタウリンはシーフードに豊富

 二日酔い対策のポイントは、アルコールを分解してくれる肝臓の機能を高める食べ物を一緒にとることです。ほたてやたこ、あさり、かき、かになどのシーフードに多く含まれる成分に、タウリンがあります。タウリンはたんぱく質のアミノ酸の一種で、肝臓の解毒作用を高めてアセトアルデヒドの分解を助けるだけでなく、胆汁の分泌を盛んにしてコレステロールの排泄を促します。
 ほたてやたこの刺身やカルパッチョ、かにの酢の物、あさりの酒蒸し、かきのポン酢あえなど、シーフードをおつまみにするのがおすすめです。

 また、昔からしじみは肝臓によいことが知られています。しじみにはタウリンが多く含まれ、また、肝臓の機能を高める成分であるメチオニン(必須アミノ酸の一種)が豊富です。ほかにもビタミンB12、グリコーゲンなども多く肝臓には力強いサポーターです。
 ただし、しじみには鉄分が多く、C型肝炎などで鉄分摂取を制限されている人は控えなくてはいけません。

 アセトアルデヒドを分解するには、良質なたんぱく質とビタミン類が必要です。たんぱく源としては湯豆腐やおでんの卵など、大豆製品や卵料理がお手頃です。ビタミン類は鍋料理の野菜やサラダなどで野菜もたっぷり食べて補給しましょう。食べながらアルコールを楽しむことで、ペースダウンにもなります。

胃腸に負担をかけない、脱水状態にならない食べ方・飲み方

 胃腸を保護する食べ方も大切で、いきなりの一気飲みは禁物です。空腹でアルコールを飲むと吸収が早くなり、胃腸に大きな負担がかかります。そこで先手必勝、飲み会の席に着く前にチーズや大豆の健康補助食品など食べておくといいでしょう。
 野菜ではキャベツに含まれるビタミンUや長いものネバネバ成分ムチンなどは、胃腸の粘膜を保護する働きがあり、大根に含まれるジアスターゼには消化を助ける働きがあります。お店でメニュー選びをしたり自宅でパーティーを開いたりするときは、千切りキャベツ、大根サラダ、山芋のわさび和えなどがおすすめです。

 アルコールのとりすぎは脱水状態を起こしやすいので、お酒と一緒にお水を飲んだり、早々にお茶に切り替えるのもいい方法です。お茶に含まれるタンニンはアセトアルデヒドの排泄を促すといわれています。

 いずれにしても、適度の酒量とおいしいお料理で、二日酔いを予防しましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
小池 澄子先生


管理栄養士・女子栄養大学生涯学習講師
明治乳業に10年間勤務し、妊産婦や乳幼児の食事相談を担当。独立後、「自然と食と人」を結ぶネットワーク『有限会社カナ』を設立。元日本航空健康管理室非常勤栄養士。和光大学非常勤講師。企業やクリニックでの食生活を中心とした健康管理指導、保育園や地域での子育て支援、栄養相談、料理教室や、講演、新聞、雑誌など、幅広く活躍中。栄養、料理、農業を通じて、「心と体と社会の健康」を高める情報やレシピを提供し、食を柱にした子どもと大人のための食育活動を展開。

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