子どもと高齢者の脱水に気をつけて-水分の摂り方と脱水のサイン

子どもと高齢者は脱水症になりやすいため、周囲の配慮が必要

脱水症を起こしやすい特徴を知って本人・周囲が十分な対策を。脱水のサインを見逃さないことが大切

子どもと高齢者は気づかないうちに脱水状態になっていることがある

 今年は早くも5月のうちに熱中症発症のニュースが流れましたが、多くなるのはやはりこれから、猛暑が続く7月以降です。

 熱中症の主な原因は、高温の環境で大量に発汗することによる脱水症です。暑いと汗をたくさんかきますが、それは汗が蒸発するときに体の熱を奪って体温を下げるのに役立つからです。
 しかし、大量に発汗したときは水分と一緒に塩分なども失われ、それらを補充しなければ脱水状態になってしまいます。すると発汗による体温調節がうまくできなくなって体温が上昇し、たちくらみや筋肉のけいれん、倦怠感(けんたいかん)、頭痛、吐き気、意識障害などが起こり、命にかかわることもあります。これが熱中症です。

 つまり、熱中症を防ぐには脱水症を起こさないようにすることが大切です。しかし、脱水症は進行するまで症状が出にくく、自覚しにくいのが特徴です。特に子どもと高齢者は脱水症を起こしやすく、本人・周囲が気づかないうちに脱水状態になっていることもあるため、初期のうちに気づいて対処することが大変重要になります。

 子どもと高齢者の脱水症を防ぐために、以下のことを押さえておきましょう。
●脱水症を起こしやすい子どもと高齢者の特徴と対策
●脱水症を起こさない水分の摂り方
●脱水症の初期に気づくためのポイント


【関連健康用語】「脱水症状」
【関連コラム】「熱中症は予防が肝心」

脱水症を起こしやすい子どもと高齢者の特徴と対策

 子どもと高齢者の脱水症を起こしやすい特徴を知って、本人または周囲の人が十分注意し、環境や服装、水分摂取などに配慮する必要があります。

●子どもの特徴
・体温調整機能が未発達
・新陳代謝が活発で多くの水分が必要
・呼吸や皮膚から知らない間に蒸発している水分が多い
・腎機能が未発達
・(新生児や乳児は)のどの渇きを伝えられず、自分で水分摂取できない
・(暑い日の外出時などでは)地面に近いほど気温が高くなるため、幼児は大人より暑い環境にいる

(必要な対策・配慮)
・保護者が頻繁に水を飲ませる
・子どもの様子を観察し、顔が赤く汗をたくさんかいているときなどは、涼しい場所で休ませ水分補給を
・のどの渇きを感じる能力が大人に比べて劣るということはないため、のどが渇いたら水を飲むよう指導する
・適切な服装の選択、環境に応じた衣服の脱ぎ着を指導する

●高齢者の特徴
・発汗能力など体温調整機能が低下している
・体内の水分量が元々少ない
・一般に食事量が少なくなりがちで、食事からの水分・塩分摂取が減っている
・腎機能が低下している
・のどの渇きを感じにくい
・暑さを感じにくい
・室内での熱中症、睡眠中の熱中症も多い

(必要な対策・配慮)
・のどが渇いていなくても一定の時間ごとに水分補給をする
・居室の温度が28度を超えないようエアコン等で調節する(温度計でこまめに確認する)

脱水症を起こさない水分の摂り方

 子どもや高齢者に限らず、普段の水分補給は水や麦茶、お茶などでかまいません。日中は1時間に1回程度、のどの渇きを感じる前の水分補給を心がけましょう。入浴時や睡眠時も汗をかくので、入浴前後や就寝前、起床時にも水分補給が必要です。

 大量の汗をかいたときには、水分に加えて塩分を補う必要があります。0.2%程度の塩を加えた水を飲むか、水分と一緒に梅干し1個(塩分1~2g)程度を補うとよいでしょう。塩分や糖分を含んだスポーツドリンクもよいですが、運動をしない人には糖分が多すぎるので、飲み過ぎには注意してください。

 一度にたくさんの水分をとると体に負担がかかるので、少量ずつ、時間をかけてゆっくり飲みましょう。水温は5~15度が適温。冷たい飲み物のとりすぎは消化機能を低下させます。

【関連コラム】「あなたの水分のとり方、大丈夫?」

脱水症の初期に気づくためのポイント

 脱水症の初期には、経口補水液(脱水時に不足する塩分、吸収を助ける糖分を一定量含む飲料)が効果的で、自分でも作れます(水1リットルに対して食塩小さじ1/2、砂糖大さじ2~4を加える)。市販の経口補水液は日持ちするので、常備しておくと安心です。

 前述したように脱水症の初期には特に症状がありませんが、蒸し暑い日などに「子どもが機嫌が悪い」、「高齢者が元気がない」ときなどは、脱水症になりかかっている可能性があります。このほか、以下のような脱水のサインを見逃さず、経口補水液やスポーツドリンクをすぐに飲んで(飲ませて)様子をみることが大切です。

●脱水のサイン
・尿の回数がいつもより少ない
・尿の色が濃い
・暑いのに汗をかかない
・口の中が渇いている
・食欲がない
・皮膚の弾力がない
・便が硬い、便秘になる

【参考】
・環境省「熱中症環境保健マニュアル」(2014年3月改訂版)
http://www.env.go.jp/chemi/heat_stroke/manual.html
・日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」
http://www.med.shimane-u.ac.jp/assoc-jpnbiomet/pdf/shishinVer3.pdf

(編集・制作 (株)法研)

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