「糖化」は10歳老ける? 糖分の摂りすぎが老化を進める理由

シワやたるみ、くすみの原因「糖化」のそれだけではない影響

「糖化」が生みだす褐色の老化物質AGEsがお肌と体の老化を促す。糖化の進行を抑えるには?

体内のたんぱく質と糖が結合し劣化するのが「糖化」

 お肌の老化を促す原因として「糖化」が注目されています。糖化とは、体の中のたんぱく質や脂肪が糖と結びついて変性・劣化すること。その過程でAGEs(エージーイーズ:たんぱく糖化反応最終生成物)という褐色の老廃物を生成しますが、このAGEsが細胞の老化を引き起こすことがわかっています。

 皮膚、血液、筋肉、骨など体の大部分はたんぱく質と脂肪から作られています。一方糖はエネルギー源として欠かせないものですから、「糖化」をゼロにすることはできません。
 若いうちは新陳代謝が活発でAGEsの排出もスムーズですが、30歳近くにもなると新陳代謝の低下とともにAGEsがたまりやすくなります。

 食事や間食で糖分をとりすぎると、エネルギーとして使いきれなかった糖が体内のたんぱく質や脂肪と結合して「糖化」つまり老化につながるのです。

酸化は「さびる老化」、糖化は「こげる老化」。相乗作用で老化が加速

 さて、紫外線やたばこなどによって体内で作られる活性酸素がお肌や体の老化を早める「酸化」についてはご存じでしょう。これは鉄が酸素で傷つきさびるのと似た現象なので「体がさびる老化」といわれます。

 これに対して「糖化」は、食べ物がこげるのに例えて「体がこげる老化」といわれます。ホットケーキを焼くと、卵と牛乳のたんぱく質に小麦粉と砂糖の糖質が結びつき、熱でこげてきつね色になりますね。体内の糖化では、たんぱく質と糖が体温の熱でこげて褐色の老化物質AGEsができるのです。

 酸化と糖化は相乗作用で老化を加速させますから、両方への対策が必要です。

糖化はシワやたるみ、シミ、くすみの原因に

 AGEsは肌のシワやたるみ、シミ、くすみなど、ほとんどの肌トラブルの原因となります。

 肌のハリと弾力を支えるコラーゲンやエラスチン繊維はたんぱく質の一種ですから糖化が起こりやすく、AGEsのダメージで肌全体がたるんだり、頬や口角が下がったり、シワやほうれい線が深くなったりします。

 また日焼けのあと、健康な肌ならば新陳代謝でメラニン色素が排出されて元の肌に戻ります。しかし肌細胞の糖化でAGEsがたまっていると、メラニン色素の排出が阻害されシミとなって残ります。それだけでなく、AGEsは褐色のため肌色が黄色っぽくくすみ、老けた印象になってしまいます。

糖化はお肌だけでなく全身の老化を促す

 糖化の影響が及ぶのは皮膚だけではありません。
 実は、糖化は血液中から始まっています。糖をとりすぎると血液中に余った糖がたんぱく質であるヘモグロビンと結合してAGEsをつくります。すると全身に酸素を運ぶヘモグロビンの働きが低下し、体中が酸素不足に陥って新陳代謝も低下、体のさまざまな部分の老化を促進するのです。

 たとえば血管が糖化すれば動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。骨や軟骨の糖化は骨粗しょう症や関節炎に、脳の糖化はアルツハイマー病につながります。そして、最も糖化を起こしやすい状態が糖尿病といえます。

糖化の進行を少しでも抑えるためには

 糖化を進める原因の第一は糖のとりすぎ。甘いお菓子やジュースはもちろん、ご飯やパン、うどんなどの炭水化物もとりすぎには注意しましょう。特に清涼飲料水や調味料、加工品に含まれる「果糖ブドウ糖液糖」は血糖値の急上昇を招くため要注意!
 そのほか、生活習慣の中で「お酒の飲みすぎ」、「喫煙」、「睡眠不足」は糖化を進める3大要因であることがわかっています。塩分の取りすぎやストレス過剰もNGです。

 加齢による糖化の進行を止めることはできませんが、少しでも進行を抑えるために、上記の生活習慣を見直すとともに、次のようなことに気をつけましょう。

●食事は栄養バランスよく、食べる順番は野菜が先
 血糖値が急上昇すると糖化が起こりやすい。ご飯などの炭水化物より先に野菜など食物繊維の多いものを食べると、食物繊維が糖質の吸収を遅らせ血糖値の急上昇を防ぐ。

●糖化を防ぐ“抗糖化”食品を積極的に
・緑茶、ドクダミ茶、カモミール茶
・かんきつ類、りんご、いちじくなどの果物
・納豆、ぬか漬け、みそ、ヨーグルトなど発酵食品
・モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれんそう、なすなどの野菜

●体を積極的に動かす
 運動はブドウ糖を消費して血糖値を下げるだけでなく、運動習慣をつけることでエネルギー代謝のよい体になれる。家事などで積極的に体を動かすのも有効。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
米井 嘉一先生


同志社大学大学院生命医科学研究科 アンチエイジングリサーチセンター 教授
1982年慶應義塾大学医学部卒業。UCLA留学後、日本鋼管病院内科人間ドック脳ドック室部長を経て、2005年日本初の抗加齢医学講座である同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授、08年より現職。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員などを務める。日本で数少ない「抗加齢医学」医療を実践する医師として、客観的データとノウハウを蓄積。抗加齢医学に基づくサプリメント、健康食品、理学療法機器などの臨床試験も行う。著書に、『「糖質ダウン」であなたは一生病気にならない』(日本文芸社)、『「抗糖化」で何歳からでも美肌は甦る』(メディアファクトリー)など多数。

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