睡眠時無呼吸症候群 Part2 診断方法、どんな治療をするの?

心疾患などの危険を高めるSAS。でも治療すれば安心です。

SASには、CPAPなどの治療法が確立しています。気になる人は、睡眠ポリグラフ検査を受けてみましょう。

いびきや昼間の居眠りで診断

 SASは放置しておくと、心疾患や脳血管障害を起こしかねない、命に関わる病気です。疑いのある人は、早めに医師の診断を受けましょう。
 SASの受診・診断は、次のようにすすみます。
1.問診 2.基本的な検査(自宅検査) 3.確定診断(入院検査) 4.治療法の決定 5.治療(CPAPなど)

 問診では次の4点がたずねられます。患者さんのほとんどは自分のいびきに無自覚なので、寝室をともにする家族にいびきの様子をたずねておきましょう。

◆いびきをかく・呼吸が止まる
SASでは、いびきに特徴が出ます。いびきといびきの間に呼吸が止まったり、大きさが変化するいびき、朝までずっと続くいびきは要注意です。

◆肥満
肥満は、SASの患者の70~80%にみられる症状です。肥満すると上気道が狭くなります。しかしやせた人でも、あごが小さい人や扁桃腺の大きい人、高齢の人などはSASになりやすいので、注意が必要です。

◆昼間の居眠り
SASでは、眠りが浅くなり、ちゃんと寝たはずなのに熟睡感がなく、昼間に居眠りが出たり、体がだるくなります。その他、SAS患者は高血圧を併発していることが多いので、血圧測定なども行われます。
日中の眠気指数に関してはこちら→ ESSテスト
眠気の点数が高ければ、受診してください。

 睡眠ポリグラフ検査とは?

 SASの診断の確定には、睡眠ポリグラフ検査が行われます。その検査項目は大きく分けて「呼吸状態」と「睡眠状態」の2つです。

◆呼吸状態を調べる
 鼻と口の気流、気管音などの測定に加えて、体位センサーや胸部バンド、腹部バンドという帯状のセンサーをつけ、寝ているときの姿勢、胸やおなかの運動を調べ、呼吸状態を検査します。

◆睡眠状態を調べる
 心電図や脳波、左右の眼球運動、下顎の筋肉の動きを測定する頤筋(おとがいきん)筋電図、下肢筋電図によって、眠りの深さや質を調べます。足の筋肉の動きを測定する下肢筋電図では、足の関節やひざの間などのムズムズした感覚で睡眠が妨げられる「むずむず足症候群」や「周期性四肢運動障害」の可能性を探ります。

CPAP(シーパップ)による治療

 CPAP(シーパップ)療法は、睡眠時に鼻マスクをつけ、装置から一定の圧力をかけた空気を送り気道を広げ、無呼吸を防ぐというものです。
「鼻マスクをつけてぐっすり眠れるのだろうか?」と不安を感じる人もいるようですが、ほとんどの患者さんは、最初こそ違和感がありますが、すぐに慣れます。
 CPAPを使用すると、装着したその日から、睡眠時無呼吸症候群の症状が解消され安眠でき、スッキリした目覚めが得られます。

 睡眠時無呼吸症候群の治療は健康保険の対象となりますが、適用になるのはAHI(無呼吸低呼吸指数)が20以上の患者さんで、月に一度以上の通院治療が必要です。機器は、医療機関でレンタルになるので購入する必要はありません。睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、ぜひ治療を試みてください。

 ガガガ……と大きないびきは、まわりが迷惑するばかりでなく、本人の健康状態に問題がある場合も。睡眠時無呼吸症候群の女性患者は「いびきをかくのがわかると恥ずかしい」と、受診をためらうケースもあるそうです。でも自分の健康を守るためですから、この際、無用な恥じらいは捨てて受診してください。健康への入り口となります。

(「睡眠時無呼吸症候群がわかる本」成井浩司著、法研より)

【著者】
成井浩司


虎の門病院睡眠センターセンター長
東海大学医学部卒。専門は呼吸器病学、睡眠医学。日本睡眠学会睡眠専門医、日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医。シドニー大学でauto CAPAの共同研究に携わる。著書に『睡眠時無呼吸症候群がわかる本』(法研)など。

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