歯周病を予防する歯磨きの仕方-歯垢を確実に落とす方法とは

就寝前の“10分間ブラッシング”で歯周病を防ぐ

きちんとみがくには「口を開けすぎない」「軽い力で小きざみに」「歯間ブラシの利用」などのコツがあります

口の開け方は最小限に

 6月4日から6月10日は「歯の衛生週間」。歯周病は、歯を失う大きな原因となるだけでなく、全身に影響を及ぼす“口のなかの生活習慣病”。日本では中高年の80%以上がかかり、その危険性は20代から高まっていると言われています。歯周病は症状がかなり進行するまで自覚症状がなく自分では気づきにくいため、定期的に歯科検診を受けることと、原因となるプラーク(歯垢=しこう)を取り除く毎日の歯みがきが大切です。
 しばらく歯医者さんに行っていないという人は、この機会にぜひ歯科検診を。そして、あなたの毎日の歯みがき、チェックしてみませんか?

 最近は、学校や職場でも、食後の歯みがきを習慣にしている人がたくさんいます。しかし、その一方で「歯周病予備軍」の人の数は、それほど減っていないとみられています。歯周病を防ぐには、その原因となるプラークを、毎食後の歯みがきで確実に取り去ることが大切です。
 しっかり時間をかけて「みがいた」つもりでも、結果的にみがき残しがなくちゃんと「みがけた」人はまだまだ少数派かもしれません。とくに歯ブラシが届きにくい奥歯の内側は、みがき残しができやすい場所です。

 そこで、奥までみがこうとして、口を大きく開けてみても、舌が上がって邪魔になり、かえって奥歯の内側がみがきにくくなります。また、口を大きく開けると、ほおと歯ぐきの間が狭くなるため、奥歯の外側もみがきにくくなってしまいます。
 歯みがきのときは、口は閉じ気味にし、ほおや口元をリラックスしてゆるめておくと、歯ブラシを口の中で自由に動かしやすくなります。それでも奥歯がみがきにくいというときは、歯ブラシをヘッドの小さいものに変えてみるといいでしょう。

ブラシをつまみ、軽い力でコチョコチョみがく

 プラークがたまりやすいのは歯と歯肉の境目。プラークを取り除くには“ゴシゴシ”ではなく“コチョコチョ”程度のやさしい力で十分です。歯ブラシを持つ手に力を入れすぎると、歯や歯ぐきを傷めてしまい、歯の根元がすり減ってしまうケースがしばしばみられますから、くれぐれも気をつけて。やさしくみがくためには、ブラシの持ち方も、力を入れてギュッとつかむのではなく、歯ブラシの柄のはしのほうを、鉛筆を持つような形で軽く持つようにします。

   そして、ブラシの毛先は、歯と歯肉の境目に確実に当てるように意識しましょう。毛先は歯肉の境目に45度の角度に当て、手首だけを使って振動させるように小きざみに左右に動かしていきます。このようなブラッシング法を「バス法」といって、歯と歯肉の境目のプラークを取り除くこと、歯肉のマッサージ、の2つの効果が期待できます。

デンタルフロスや歯間ブラシの活用も必要

 どんなにていねいにみがいても、歯ブラシによるブラッシングだけでは、歯と歯の間のプラークを取り除くことはできません。これをカバーするには、デンタルフロスや歯間ブラシの利用が必要になります。こうした用具を使うことも毎日の習慣にしてしまいましょう。

 デンタルフロスは、細い繊維の集まりからできています。これを歯と歯の間のすきまに入れて上下に動かすことで、繊維が汚れをからめとってくれます。歯間に入れるときには、歯ぐきを傷めないように気をつけながら、のこぎりを引くような感じで小きざみに動かして入れていきます。外すときも、無理に引っぱり上げたり下げたりすると、詰め物が取れたりすることもあります。
 歯間ブラシは、自分の歯間に合ったサイズのものを選ぶことが大切です。太いサイズのものを無理に歯間に入れたり、ブラシの先の金属部分でつついたりして、歯ぐきを傷つけないように注意しましょう。

 これらの用具は、一度歯医者さんで正しい使い方を教えてもらってから使うほうがよいでしょう。

1日1回は徹底的にプラークを取り除く

 歯みがきは、毎食後30分以内に、時間をかけてしっかり行うのが理想的とされています。歯ブラシを小きざみに動かすバス法で、1本の歯の一つの面につき20回くらいずつみがいていきます。このようにていねいにみがくと、歯みがきには10分くらいの時間がかかります。

 「忙しくて…」という場合も、毎食後、数分間だけでも歯みがきをしましょう。そして、ゆっくり時間がとれる就寝前などに“10分間ブラッシング”をするとよいでしょう。テレビを見ながら、お風呂に入りながらなどの「ながら歯みがき」であれば、すぐに時間がたつので、長く続けることができます。その後はフロスか歯間ブラシを使い、歯間に残るプラークを取り除きます。1日に1回だけでも徹底的にプラークを除去しておくことが大切です。

 ところで、しっかり時間をかけて歯みがきをしようというとき、歯みがき剤をつけると、すぐに口の中が泡でいっぱいになって、長くはみがきにくいものです。またサッパリ感があるため「みがけた」と思ってしまいがちですが、「サッパリした」と「みがけた」は違います。まずは歯みがき剤なしでブラッシングをはじめ、どうしても使いたい人は、仕上げに歯みがき剤を利用するといいでしょう。

【監修】
森山貴史先生


東京歯科大学水道橋病院講師
1981年東京歯科大学卒。歯学博士、日本歯周病学会認定歯周病専門医。歯周病専門医として日々多くの歯周病患者の治療に携わるとともに、テレビ・雑誌などのメディアを通じて歯周病予防や歯みがき指導などの啓蒙活動も行っている。

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