夏は眼のトラブルになりがち-子どもが罹りやすいウイルス感染とは

ウイルス性の結膜炎が流行、紫外線対策もお忘れなく

「学校感染症」にも指定のウイルス性結膜炎、充血や目やにで気づく。角膜の炎症を併発すると視力の低下も

こんな症状はウイルス性の結膜炎かも、早めに眼科へ

 夏は目にとって、“受難”の季節です。ウイルスの感染による結膜炎がはやったり、強い紫外線によって角膜に急性の炎症が起きることがあります。また紫外線は白内障をもたらす原因にもなります。夏は日焼けだけでなく、目のトラブルにも注目しておきましょう。

 自分あるいはお子さんに、次のような症状がありませんか。

●白目やまぶたの裏が充血して赤い
●まぶたの裏側にブツブツができた
●目やにがたくさん出る
●目がショボショボ、ゴロゴロする
●まぶしい
●耳の前のリンパ腺が腫れた

 これらはどれも、夏に多いウイルス性結膜炎の主な症状です。結膜とは白目やまぶたの裏側を覆う薄い透明な粘膜で、ここにある種のウイルスが感染して炎症を起こします。上記のような症状に気づいたら、早めに眼科医に受診することをおすすめします。

強い感染力には注意が必要、学校は休まなければならない

 主なウイルス性結膜炎には次に紹介する3種類があり、どれも「学校感染症」(旧「学校伝染病」)に指定されているので、子どもが感染していると診断されたら学校、幼稚園、保育所などは休ませなければなりません。治った後も医師の証明書がなければ通学・通園はできないことになっています。

(1)流行性角結膜炎
 いわゆる「はやり目」と呼ばれるもので、感染力の強いアデノウイルスによってもたらされます。感染してから1~2週間の潜伏期間をおいて発病します。ほかのウイルスによる結膜炎よりも症状が強く、まぶたが腫れ、大量の目やにで、朝目覚めたときに目が開けられないこともあるほどです。また、角膜(黒目の部分)の炎症も併発しやすく、それが悪化すると角膜に点状の濁りが生じてものが見えづらくなることがあるため、完治するまで治療を続けることが大切です。成人でも感染するので、周囲の人にうつさないためには仕事を休む必要があるでしょう。

(2)咽頭結膜熱
 流行性角結膜炎とは違うタイプのアデノウイルスの感染で、感染後5~7日で発病します。前記のような目の症状に加えて、のどの痛みや39度前後にもなる発熱があり、吐き気や下痢などまるでかぜのような症状がみられます。こちらも感染力が強く、夏はプールで子どもが感染しやすいことから「プール熱」とも呼ばれます。もちろん大人にも感染します。夏かぜと勘違いして眼科への受診が遅れ、症状を長引かせることがあるので注意しなければなりません。

(3)急性出血性結膜炎
 エンテロウイルスかコクサッキーウイルスが原因になります。感染してから1~2日と短期間で発症します。結膜下出血で白目が真っ赤になるので驚かされますが、1週間ほどで出血は吸収されます。

 家族の誰かがウイルス性結膜炎に感染したときは、感染が広がらないように次のようなことに気をつけてください。

感染拡大を防ぐため、感染者はこんな注意を
・手を石けんと流水でよく洗う
・タオルは共用しない。できればペーパータオルを用い、使い捨てに
・目を手でこすったりしない
・目やにや涙はハンカチではなくティッシュペーパーでぬぐい、捨てる
・お風呂は最後に入り、お湯は捨てる

 手洗いの習慣や汚れた手で目をこすらないことなどは、ウイルスの感染から目を守るのに大事なことです。プールや海水浴など感染の機会が多い夏の、重要な心がけとしましょう。

紫外線対策はカット効果のあるサングラスを

 目にとって、夏の紫外線も大敵です。暑い日ざしに長い時間目をさらしていると、紫外線によって角膜に急性の炎症が起きることがあります。8~24時間後に痛みや異物感が起きて、白目が充血します。治療には角膜上皮の再生を促す目薬や抗生物質が使われ、一般には数日のうちに改善してきます。

 紫外線は目の表面だけでなく、奥のほうの網膜にも障害を与えます。このような害から目を守るために、外出時には必ずサングラスを着用するようにしましょう。サングラスは紫外線カット効果が高いものを使う必要があります。色の濃いサングラスでも必ずしも紫外線カットの機能が備わっているとは限りません。そういうものを使うと、まぶしさが和らぐ分だけ瞳孔が広く開き、紫外線を大量に浴びてしまうことになるので、選ぶときに品質表示を確かめるなど注意が必要です。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
内野 美樹先生


両国眼科クリニック院長
平成13年慶應大学眼科学教室入局。立川共済病院、国立埼玉病院を経て、平成15年より慶應大助手、平成18年より現職。専門はドライアイと白内障手術。日本におけるドライアイについての疫学研究の第一人者であり、VDT作業時間とドライアイの有病率の関係を世界で初めて証明した。患者の悩みをできる限り汲み取るのを信条としており、混雑した外来でもその姿勢は決して崩さないこだわり派。実生活では、2児の母でもある。

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