花粉症対策は早めがベスト-花粉が飛んできてから飲むのでは遅い

今季のスギ花粉飛散量予想では昨年の11倍という地域も

薬は先手を打って1~2週間前から服用、外出には眼鏡とマスクで花粉を防ぎ、室内そうじで花粉を除去

昨夏の猛暑と長い日照時間でスギの花芽がたっぷり成長

 花粉症の持病がある人には、憂うつな季節が近づいてきました。民間の気象予報会社の予想によると、一部の地域では2月上旬からスギ花粉が徐々に飛び始め、2月中旬になると飛散開始の地域が一気に拡大しそうだとか。

 今季を特に憂うつなシーズンにしそうなのは、スギ花粉の飛散量が昨シーズンより大幅に多くなりそうだということ。スギ花粉の飛散量は、スギの雄花生産量に比例し、雄花生産量は花芽が成長する前年夏の気象条件に左右されます。昨年夏の記録的な猛暑続きは記憶に新しいところで、さらに光合成を促す日照時間も長かったために花芽の成長はすこぶる順調だったようなのです。

 また、スギ花粉の飛散量は、多い年と少ない年を交互にくり返す傾向があります。昨シーズンは全国的に少ない飛散量だったことで、今季は多い年にあたると統計的にも想定されているのです。

 以上の情報から今季の全国でのスギ花粉飛散量は、少ない地域で昨シーズンの2倍、多い地域は11倍と、聞いただけでむずがゆくなるような予想となっています。これまで花粉症とは無縁だった人も、大量の花粉にさらされれば発症するかもしれません。以下に述べる花粉症対策を知っておくことは無駄ではないでしょう。

薬はそろそろ服用開始の時期

 さてそれでは、苦戦の予想が濃厚な今季の花粉症バトルには、どのように臨んだらよいでしょうか。

 まずお勧めしたいのは、「先手必勝」という作戦です。

 花粉症の症状には、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの鼻の症状、かゆみ・異物感・充血・涙目などの目の症状のほかに、頭痛、微熱、のどのイガイガ感、皮膚のかゆみ、倦怠感(けんたいかん)などがあります。

 これらの症状に毎年悩まされている人は、症状の程度によって医療機関に受診して薬を処方してもらうか、あるいは市販薬を選ぶかして、早めに服用を始めることです。薬の効果が安定するのは服用開始から1~2週間後ですから、地域によっては1月下旬から飲み始める必要があります。これによって、本格的な飛散時期での症状を軽くすることができます。

 また、雪が降るなどして一時的に花粉が少なくなると、治ったような感じになり薬をやめてしまいがちですが、3月中は飲み続けましょう。「継続は力なり」です。

目、鼻、口をガードする

 もう一つの作戦は「逃げるが勝ち」ということ。

 体に入ってくる花粉が多いほど症状も強くなるのですから、花粉をできるだけ体に入れない工夫が必要。花粉からは「逃げるが勝ち」なのです。

 花粉の侵入口は目、鼻、口です。外出時には眼鏡をかけると、目から侵入する花粉量はおよそ3分の1に減らせるといわれます。顔と眼鏡のすきまを覆うゴーグル型の眼鏡ならさらに効果的です。普段コンタクトレンズを使っている人は、この時期だけ眼鏡に替えるか、毎日使い捨てのコンタクトレンズを使うようにしてはいかがでしょう。

 鼻と口にはマスクです。これも顔との間にできるだけすき間ができないよう、顔の大きさに合ったマスクを選び、鼻にぴったり押し付けながら装着しましょう。このほか帽子もかぶれば体に付着する花粉量を減らせます。

 外出から帰ったら、室内に入る前にマスクと眼鏡を装着したまま服や帽子についた花粉を払い落としてください。上着やコートは花粉のつきにくい表面が滑らかな素材のものが適しています。

 さらに帰宅後にすべきことは、うがい、洗眼、洗顔、手洗い、そして鼻をかむこと。皮膚や粘膜についた花粉を取り除きましょう。このほか、シーズン中は洗たく物は室内に干し、花粉は床にたまりますから床をふくなど、室内に入り込む花粉対策にも気を配ってください。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
榎本 冬樹先生


えの本耳鼻咽喉科医院院長
1988年順天堂大学医学部卒業後、同大学耳鼻咽喉科入局。96年順天堂大学院卒業。順天堂大学耳鼻科講師、同大学耳鼻科医局長、同大学附属順天堂医院感染対策委員会副委員長などを経て、2006年えの本耳鼻咽喉科開設、現在に至る。医学博士、耳鼻咽喉科専門医、感染制御医師(ICD)。順天堂大学非常勤講師、日耳鼻東京都地方部会幹事など。

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