こんな症状があったら、迷わず婦人科へ

生理やおりものの異常、下腹部の違和感、排尿の異常など

注意すべきなのはどんな症状? 迷ったとき気軽に相談できる婦人科のかかりつけ医をもとう

「こんな症状で病院に行っていいの?」なんて遠慮は不要です

 何となく気になる症状があっても、忙しい毎日の中でついつい取り紛れて見過ごしてしまうことがあります。どんな症状に注意すべきなのか、何に気を配っておくといいのかを知っておくと、病状が進んでしまう前にスムーズに対処できるでしょう。
 とくに婦人科や泌尿器科領域の症状は、家族や友人同士でも話題にしにくいものでしょう。確認の機会として読んでいただければ幸いです。

 どんな症状で受診するのかというのは、なかなか判断が難しいものです。外来にいらっしゃる患者さんたちの多くは、「恥ずかしい」「こんな症状で病院に行っていいのか」と気後れしたり迷ったりしながらも、思い切って来院されます。

 医療者は「そんな遠慮はいらない」と思っていますが、患者さんとしては「病気でないといいなぁ」と願う気持ちや、「痛い診察や検査があるかもしれない」という不安もあって、できれば受診しないで済ませたいと考えてしまうようです。そうしているうちに受診のタイミングを逃してしまい、病状が進んでから医療機関に来られる方が多いのはとても残念なことです。

こんなときは婦人科または産婦人科を受診してください

 婦人科に来られる患者さんの主な症状は、不正出血や月経(生理)の不具合、セックスに関連した症状、おりもの(帯下)の異常、下腹部の違和感や痛みなどです。排尿の異常があれば泌尿器科での受診が基本ですが、中には婦人科の病気がその原因に含まれている場合もあります。

●不正出血、生理の不具合
 不正出血は生理とは違う出血が起きることをいい、ホルモンバランスの異常以外に、子宮頸がんや子宮体がんでも起こります。
 生理の不具合にも、生理が止まった、周期がばらばら、生理のとき強い痛みがある、月経量が多いなどさまざまな症状があり、卵巣の働きの不具合、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が原因になっていることがあります。

 生理の異常やその原因となる病気についてはこれまでにも取り上げていますから、詳細は関連コラムをご参照いただきたいと思います。45歳未満で次のような症状がある方はぜひ婦人科(または産婦人科)を受診してください。
・生理が3カ月以上止まっている
・生理の周期が1週間以上ずれ、それが3カ月以上にわたって続く
・生理痛のために予定を変更したり学校や仕事を休んだりする
・昼間も夜用の生理用品を使い続けている
・生理が3日以内でナプキンもほとんど交換せずにすむ
・生理以外の出血が起きる

【関連コラム】「生理不順・無月経を放置しないで!」「選択肢が増えている子宮内膜症の治療」「ひどい生理痛 よくあることと放置はダメ!」「子宮筋腫はこんな病気です」「昼でも夜用? 月経量過多は子宮筋腫を疑え」

●セックスに関連する症状
 セックスに関連する症状は診察室の中でもとくに言い出しにくいものと思いますが、診察をする立場からすると大変重要な情報が含まれています。たとえば性交時の出血は接触出血と呼ばれ、子宮頸がんの重要なサインの一つです。(「セックスのとき出血した!放置して大丈夫?」「がまんしないで。セックスの痛みは病気かも」参照)

●おりものの異常
 おりものが出ていること自体は異常ではありません。下着についたときは白かったおりものが、時間がたつと若干黄色味がかるとか、月経と月経の間の排卵期の2~3日に、透明で指に取ると長く伸びるようなおりものが出るのは異常ではありません。

 しかし、出たばかりのおりものが黄色いとか、いつもと違うにおいがあって、陰部や腟内に違和感があるようなら、迷わず婦人科を受診しましょう。子宮頸がんや子宮体がんといった悪性の病気や、子宮頸管炎(進行すると骨盤腹膜炎という重症の感染症になる)が起きているかもしれません。
 また、かゆみや痛みはないのに水っぽいおりものが続いて、尿もれなのかおりものなのか判断しかねていたら、実は卵管がんというまれな病気だったというケースもあります。

 おりものは体からの大事なサインです。ぜひ、早くそれをキャッチして、婦人科で診察を受けてください。

●下腹部の違和感
 おへそより下の下腹部の症状も、婦人科の病気が原因になっている場合があり、「ウエストが何となくきついなぁ」と思っていたら、骨盤の中にできものができていたということがあります。
 子宮や卵巣はよほど大きく腫れないかぎり、おなかの上からは触れないのが普通です。自分で触れて何か触るような気がするなら、ぜひ婦人科を受診しましょう。(「「卵巣のう腫」とはどんな病気?」参照)

 とくに卵巣がんは非常に見つけにくく、かなり進行しても「何となくおなかが張る」「尿が近くなったような気がする」といった症状しかないことがあります。「太ったんだろう」くらいに考えて安心したくなりますが、排尿や排便もスムーズなのに下腹部が張るような感じが続くなら婦人科を受診してください。

●排尿の異常
 排尿に関する症状では残尿感や頻尿、尿漏れ、排尿しにくい感じなどがあります。婦人科の病気では、子宮筋腫の位置や大きさ、骨盤臓器脱(骨盤の中の臓器や腟壁が下がって腟の入り口から飛び出ること)などが原因でうまく尿が出ないことがあります。尿が出し切れず何度もトイレに行かなくてはならないといった場合も、泌尿器科や婦人科でご相談ください。

 どんな症状を気にかければよいのか、わかっていても判断に迷うことがあります。そんなときに気軽に相談できるかかりつけ医がいると心強いものです。ぜひ婦人科のかかりつけ医をもちましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
福本 由美子先生


松原徳洲会病院・済生会奈良病院婦人科医
奈良県立医科大学卒業。日本産科婦人科学会認定専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本性科学会認定セックス・セラピスト。共著に『女性泌尿器科外来へ行こう』(法研)、『30歳からのわがまま出産』(二見書房)など。

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