褒め上手・叱り上手になるには-なんとなくでは伝わらない褒め言葉

行動の「強化」

 

今回は「褒めること」と「叱ること」についてお話したいと思います。
子供の頃、何か悪いことをして叱られた経験を思い出してみて下さい。
あなたは先生や家族、親戚など大人から叱られた時に何故叱られたのか、なんとなくでもその理由が理解できたでしょうか。それとも何故叱られているのか理由がわからず理不尽に感じていたでしょうか。

何かをした後すぐに叱られると、「その行動は叱られる行為なのだ」と理解できます。反対に、何かをした後に褒められると、「その行動は褒められる行動なのだ」と認識することができます。人それぞれ子供のしつけ方や育て方は違いますし、褒め方、叱り方も違います。ここで大切なことは、「行動」と「行動の結果」を直接結びつけることが出来るかどうか、ということです。お母さんのお手伝いをしたら、笑顔で褒めてくれた。お父さんの熊の置物を壊したら叱られた、など何をして褒められたのか、何をして叱られたのかを結びつけられることはその後の行動を決める重要な役割をします。

例えば、子供がお母さんの手伝いをしたけれど、それに対してお母さんは何も言わなかった、という場合、子供はお母さんのお手伝いをしたいと思うか思わないかは容易に想像できると思います。数回はいやいやするかもしれません。今度はお母さんに褒めてもらえるかもしれない、という期待もあるかもしれません。しかし、何度手伝ってもお母さんは何も言わないとお手伝いの回数は徐々に減っていくでしょう。

褒められることは、子供にとって「ごほうび」であり、褒められた行動は繰り返される傾向があります。心理学では、これを行動の「強化」と言います。

大人の社会ではどうでしょうか。
あなたの周りに、部下を叱ってばかりいる上司や、適度に叱り適度に褒めて部下のモティベーションをあげてくれる上司はいませんか?
そして、あなたはどうでしょうか。周りの人に対して褒めていますか、それとも叱ってばかりですか。

「褒める」というのは、簡単なようでなかなか難しいことです。慣れていないとどんな言葉をかけてよいのかさえわからないことが多いでしょう。「今日のご飯おいしいよ」という言葉が、言い慣れていないとなんだかぎこちなく、言葉だけが宙に浮き、こころがこもっていないように聞こえることもあるでしょう。
そして大切なのは、褒める時・叱る時、何に対して褒めているのか・叱っているのかを受け手がわかるように話すと「行動」に対しての「結果」が相手により明確になります。これは子供も大人も変わりありません。説明しなくても「なんとなくわかってもらえるだろう」と思っていることはありませんか。「なんとなく」は便利なようですが、危険もはらんでいます。

まずは、褒めることに慣れていない人は、身近な人を1日1回褒めてみて下さい。例えば、「今日の洋服とても似合っているね」とか、「今日のプレゼンテーションはとてもよかったよ」など言いやすいことからはじめてみて下さい。
メリハリをつけた「褒め方」、「叱り方」で同僚や部下、家族や友達のモティベーションをあげてみましょう。そして、自分自身を褒めることも忘れずに!

【執筆】
ピースマインド・イープ


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