こころに怒りを溜めない方法とは? 怒りを溜めない4つのポイント

思いきって相手に伝えてみよう

 

相談の現場では、誰かに対する“怒り”を訴える方が多数いらっしゃいます。
職場の上司や同僚に対する怒り、パートナーに対する怒り、地域の住民に対する怒りなど。
中には「話してすっきりしました」という方もいらっしゃいますが、もっと根が深く、相手を徹底的に攻撃しないと気が済まないとか、我慢を重ねて怒りが歪曲された形でじわじわ放出されているなど、対人関係や精神衛生上、かなり危険な状態のものが見受けられます。

“怒り”というやっかいもの

怒りは私たちが自然にもっている当たり前の感情です。生きるエネルギーともなり、必要なときに自分を守る役割を果たします。しかし、あまり歓迎されない感情として、幼い頃から怒りを表現することを我慢し、感じることさえ抑えこむ習慣がついています。実際、腹を立てているのに「まあ、いいんですけどね」と冷静さを装う人や、怒っているという個人的な感情を認める代わりに「こんなこと、許されないですよね」と社会的価値判断にすり替える人もいます。
だからこそ、わかりにくく、扱いも難しく、こころの中に溜めこみやすくなります。
その結果、もともとは小さな怒りが雪だるま式に大きくなり、最後には抱えきれずに爆発して相手への攻撃につながります。 では、どのように怒りに対処すればよいのでしょうか。

1. まず怒りを感じていることに気付き、認める
確かに周囲の言動が怒りのきっかけになりますが、それを不快に思い、怒っているのは自分です。まず「今、私はイライラしている」「今、私は怒っている」と意識してみましょう。

2. できるだけ小さいうちに外に出す
怒りといっても、もともとは小さな不満や「○○をやめて欲しい」「○○をやって欲しい」など、ちょっとした改善要求だったりします。
例えば、新入社員に「新人のくせに、掃除もしないんだから!」とイライラする前に「朝は仕事前に掃除をして欲しい」と言ってみる。帰宅した時、妻に「テレビがうるさいんだよ!」と怒鳴る前に「疲れてるからもう少し音量を下げて欲しい」などと伝えることで怒りが増大するのを防ぎます。
自分が当然と思っていることも、相手にとっては必ずしもそうとは限りません。まずは伝えることです。伝えもせずに勝手にイライラするのは、自分にも責任があるといえます。

3. 怒りの正体をはっきりさせる
それでも怒りを感じたら、その中身を検討します。怒りの背景には色々な感情が隠されています。脅威、嫉妬、寂しさ、悔しさ、挫折感、不安など、負の感情です。まずその“本音”を見極めることが相手に適切な表現で伝えることにつながります。
よくある夫婦の話を例に挙げます。赤ちゃんが生まれて育児が大変なのに、夫は家事に協力的ではなく、これまでと変わらず頻繁に飲んで帰ってきます。イライラした気持ちを抱えて毎日を過ごす妻。ある日「なぜ私だけがこんな大変な思いをしなければならないの!」と爆発、夫を攻撃します。
さて、その妻の怒りの正体は?夫が育児や家事をしないこと自体への不満もあるでしょう。しかし、初めての育児への不安、一人で子供と向き合っている時の心細さ、疲労感、それ以上に、その辛さをわかってもらえないことに対する悲しさなど、色々考えられます。

4. 攻撃的にならないよう、言葉で伝える
怒りの正体がわかったら、「どうしてあなたって○○なの?」と相手を責める形にならないように“私”を主語にした「わたしメッセージ」で伝えます。上の例なら「わたし、育児ってどうしていいかわからなくて不安なの。からだも辛いし、あなたにもう少し早く帰ってきて欲しいわ」と伝えてみます。その結果、夫が家事分担を増やしてくれるかどうかはわかりませんが、少なくとも自分の不安や大変さを理解してくれるでしょう。夫には悪気はなく、むしろ気づかなかったのです。育児や家事をしない父親を見て育った夫には、イメージが湧かないのも無理はありません。別々に生まれ育った私たちは、相手に言葉で伝えないとわからないことが実に多いのです。
ただし、相手によっては直接“言わない選択”をする必要もでてきます。そんなときも、とにかく溜めこまず、友人に話したり、カウンセリングを利用するなど、感情を外に出しましょう。

参考文献:
アン・ディクソン著、竹沢昌子、小野あかね翻訳『第四の生き方―「自分」を生かすアサーティブネス』つげ書房新社、1998
パメラ・E. バトラー著、翻訳工房「とも」翻訳『女性の自己表現術―ノーと言える自分づくり』創元社、1996

【執筆】
ピースマインド・イープ 津田るみ


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