【ラブレ菌】らぶれきん

 ラブレ菌とは、植物性乳酸菌の一種。お馴染みの乳酸菌にも、植物性と動物性があるのです。「前者は野菜や穀物を発酵させ味噌や漬物を作る乳酸菌で、後者は乳など動物性素材を発酵させヨーグルトやチーズを作る乳酸菌です。
 ラブレ菌は十数年前に、京都パストゥール研究所を設立した故・岸田綱太郎博士が京都名物のすぐき漬けから発見しました」(長谷川秀夫先生)  正式名称は「ラクトバチルス ブレビス~」と大変長いので、通称ラブレ菌とされていますが、他の乳酸菌同様、有益な働きをたくさん持っています。即ち
●腸内で有機酸(乳酸、酢酸)を作り、大腸菌などの悪玉菌の増殖を抑制する。
●有機酸により腸管の新陳代謝が活発になり、栄養の消化・吸収が向上する。
●便通を整え、腸内環境をレベルアップするとともに肝臓の解毒作用を助ける。
●腸管免疫を高め、発がん・老化・自己免疫疾患・免疫力低下などの予防に寄与する。
●コレステロールを取り込んで、その血中への吸収を抑制する。
「これとは別にラブレ菌には、ヒトのナチュラルキラー細胞(NK細胞)を活性化する作用、およびα‐インターフェロンの産生能力を高めることが報告されています」(長谷川先生)

感染症予防の効果が確認され

 NK細胞の活性化とα‐インターフェロンの産生は、免疫賦活作用を促し感染症やがん予防が期待されます。長谷川先生は、そのラブレ菌の感染症防御に対する効果を、ヒト試験によって検証しています。
「20歳~57歳の女性75名を、ラブレ菌1日180億個摂取群、1日1800億個摂取群、プラセボ(ニセモノ)摂取群各25名ずつに分けました。それを錠剤にしたものを毎日摂取してもらい、2週間後に血清中の免疫たんぱく質、IgAを検査しました」(長谷川先生)
 IgAは、ウイルスやばい菌などの病原体から鼻腔や消化器官の粘膜を守る働きをします。IgAは、病原体をたくさん凝集して身動きできなくした後、たとえば気管支粘膜では痰として体外へ排出します。したがって、IgA値が増加していれば感染症の予防効果が確認されることを意味します。

「試験の結果、プラセボ群では何の変化もなく、ラブレ菌を摂取した群では統計学的に有意な増加がみられました。その増加率は、1日180億個より1日1800億個摂取のほうが顕著でした(グラフ参照)。わずか2週間の摂取でこのような有意差が出るということは、ラブレ菌を継続摂取すると予防力はきわめて高くなるといっていいでしょう」(長谷川先生)
 また、この実験では腸年齢チェックも同時に行われました。75人の女性被験者に便の状態や食生活などをチェックしてもらい、それをスコア化して腸年齢と実年齢との比較を割り出したものです。何歳とは断定できないものの、摂取したほとんどの女性が実年齢より腸年齢が若くなったそうです。

サプリメントで補給するのも手

 良い事ずくめのラブレ菌ですが、残念なことに摂取法は限られます。
「すぐき漬けなどの漬物を子どものころから常食している人なら、ある程度(効力を発揮する程度)腸内に棲みついているかもしれません。が、普通の食生活では、腸内のラブレ菌は微々たるものと思われます。前述のような感染症予防効果、あるいはがん予防効果を得るには、毎日、数億個単位で摂取する必要があります。そのためには、サプリメントを利用するのが良いでしょう」(長谷川先生)
 漬物でラブレ菌を増やせればいいのですが、それはけっこう大変。ただ、乳酸菌のエサになるオリゴ糖や食物繊維を摂ると、ラブレ菌増加の一助になることは期待できます。
 なお、ラブレ菌の生菌は胃酸などの影響を受けずに生きたまま腸へ届くそうです。摂取による害もありません。また、商品によりラブレ菌の含有量は違うので、ご確認を。

 ラブレ菌を手軽に摂取するには、サプリメントが便利。
左:ラブレ菌+ドロマイト(カルシウム2:1マグネシウムが含まれるミネラル成分)配合「ラブレR」(約2カ月分)¥8,800/ラブレ創健。
右:「ラブレファイブ」(約3カ月分)¥12,600/信和薬品




長谷川秀夫先生
薬学博士。1998年京都大学大学院修了。製薬会社、富山医科薬科大学などを経て05年にNPO法人・日本サプリメント臨床研究会を設立。2003年韓国薬学大賞受賞。著書に『サプリメント活用バイブル』(アートヴィレッジ)など。