【シトルリン】しとるりん

  その健康効果で、いま脚光を浴びているアミノ酸の一種。スイカ果汁から発見されたため、スイカの学名にちなんで命名された言葉です。
 もともとは日本で1930年に発見された成分で、欧米では血流改善や疲労回復のサプリメントや薬として用いられていました。昨年、日本でも食品素材としての使用が認められ、話題になってきたのです。
 アフリカ・カラハリ砂漠の野生スイカにもっとも豊富に含まれているのですが、その過酷な環境を生き抜けるのはシトルリンが多いためといわれています。

冷え性改善や肌の保湿も

「シトルリンは、私たちの体にも生まれつき存在するアミノ酸で、血液中や細胞内を巡ってさまざまな有益な働きをしています。その第一は一酸化窒素(NO)の産生に関わっていること。 一酸化窒素は、体に有害なものとされてきましたが、実は血管を拡張させたり柔軟性を維持して、血流を良くする重要な働きをすることが、近年明らかになってきました」(遠藤文夫先生)  つまり、一酸化窒素の生成と活性化を促すシトルリンは、血管と血流の健康や若さに必要不可欠なアミノ酸なのです。  一酸化窒素は、さらに悪玉コレステロールの酸化や、血球が血管壁に付着するのを抑制する働きもあります。こうした作用で、動脈硬化の予防に大きな役割を果たしているのです。動脈硬化は、ご存知のように生活習慣病の元凶。シトルリンが体内でしっかり働くことで、生活習慣病の予防につながるのです。 「もう一つ重要なのは、シトルリンが末梢血管の血流量を増やすことです。シトルリンの補給によって、末梢血管の血流が改善することが研究で確かめられています。その結果、体の冷えや手足のむくみ、顔の血色が改善されたというデータもあります」(遠藤先生)
 

逆にいうと、冷え体質に悩まされている人は、体内シトルリンが不足ぎみなのかも。  シトルリンの補給実験では、36名の男女を2つのグループに分け、一方だけにシトルリンを3週間摂ってもらいました。すると、冷えやむくみなどの症状が改善されたのです。  また、シトルリンは皮膚の保湿に関わる成分として角質層にも存在しています。シトルリンの摂取で、肌の保湿効果が高まることも期待できるのだとか。

 そのほか、シトルリンには次のような働きがあるそうです。
●アルギニンというアミノ酸の前駆体(原料)になることで、成長ホルモンの分泌を促したり、筋肉の増強や疲労回復の効果を発揮する。
●体内の老廃物である、アンモニアの解毒=デトックス作用に関わっている。
●抗酸化作用を持つため、活性酸素を除去し、体のアンチエイジングに働く。

スイカ1/7個分が1日摂取の目安

「シトルリンは必要不可欠なアミノ酸なので、体内で作られる仕組みが備わっています。そのため、大人では深刻な不足状態はほとんど起こりませんが、子どもでは不足症がごくまれに見受けられます。嘔吐を繰り返したり、意識が朦朧とするなどの症状が出ます。不足症の子どもでスイカを大量に食べるケースがありますが、これは不足すると体が自然にシトルリンを欲するからでしょう」(遠藤先生)
 シトルリンはスイカをはじめ、メロン、冬瓜、きゅうり、ゴーヤなどウリ科の植物に比較的多く含まれています。でも、その含有量はとても少なかったり、季節ものだったりするため、健康効果を目的に毎日必要量摂るのは難しいところ。そこでシトルリンのサプリメントが、日本でも最近、発売されるようにました。
「持続的な補給により、血管・血流の改善、筋肉の増強・疲労回復、抗酸化作用などの基本的な健康レベルのステップアップが期待できます」(遠藤先生)
 サプリメントでの一日の摂取目安量は800mgで、これはスイカ1/7個、ゴーヤ24本分に相当するそうです。冷え体質やむくみに悩んでいる人は、試してみる価値がありそう。

左:日本で初めて、国内で作られたシトルリンを配合したサプリ。1日分6粒にゴーヤ24本分の成分を含有「リメイク シトルリン」約15日分 ¥2,100/協和発酵
右:シトルリンの他に4種類のアミノ酸を配合「BCAAシトルリンプラス」25回分 ¥7,875/健康体力研究所

問い合わせ先/協和発酵■0120-80-7733 健康体力研究所●03-5276-3381



お話を伺った先生
遠藤文夫先生
医学博士。熊本大学大学院医学薬学研究部小児科分野・教授。昭和51年熊本大学医学部卒、同大学院、米国エモリー大学医学部、熊本大学医学部小児科講師等を経て、平成10年より現職。アミノ酸およびその代謝異常の研究・治療で知られる。