【おたね人参】オタネニンジン

「オタネニンジン」、「御種人参」とも表記しますが、一般的には「朝鮮人参」または「高麗人参」といわれているものです。中国の山間部や朝鮮半島に自生するウコギ科の植物で、日本には朝鮮経由で渡来したので、朝鮮人参という通称が定着しました。
 江戸時代中期に徳川幕府が栽培に成功し、その種を各藩に分け与えたことから「おたね人参」と呼ばれるようになりました。
「ふだん私たちが食べているニンジンは、セリ科でまったくの別ものです。おたね人参も食べられないことはないですが、食用ではなく薬用に使われます。また『おたね人参』とは、その根を乾燥させた(漢方薬の原材料)の名称でもあります。
 中国で2千年前に書かれた薬用植物の書物に、すでにその効能が明記されています。薬用植物は効能などにより、上・中・下の品に分類しますが、おたね人参は(上薬)の筆頭に挙げられています」(古谷力先生)

冷え性を改善し肥満予防効果も

おたね人参の効能としてあげられるのは、まず冷え性改善効果でしょう。おたね人参は血管を拡張し、末梢血管の血流を良くして体を温める作用に優れています。長時間に渡って温める作用があるので、がんこな冷え体質も治してしまうほど。
「その血行改善効果は、ラットの実験でも明らかになっています。冷え以外にも、女性に役立つ効能はいろいろあります。たとえば、おたね人参には、糖質(ブドウ糖)が脂質に変わるのを抑制する働きもあるので、肥満防止も期待できますよ」(古谷先生)
 

そして、古来、おたね人参が不老長寿の上品として珍重されてきたのは、「養命安心」の作用があるため。現代の言葉でいうと、中枢神経系に作用して精神状態を安定させてくれるのです。
「疲れたり、落ち込んでいるときには、気分を盛り上げて元気づけるように働きます。そしてイライラ、カッカしているときは、心を落ち着かせます。
その人の精神状態に対応して、高揚と抑制、正反対の作用をするという特長があるのです。また、胃腸をはじめ肝臓、腎臓、心臓などの内臓機能を高める作用もあり、全体として生命力アップとアンチエイジングに働きます」(古谷先生)

現代の栄養学で解明された、その薬効成分のひとつが「サポニン」。ほかにもさまざまな成分が働いて、次のような作用や効果が確かめられています。
● ストレスホルモンの分泌を
抑え、精神を安定させる
● 血小板の凝固(血液の粘り)
を抑制して、血流を良くする
● 食後の血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防する
● 免疫力を高めて、がんや生活習慣病を予防する
● 抗アレルギー作用で、アレルギー症状を改善する
● 老廃物を排出(デトックス)し、肌や体の不調を正す

「サポニンのほかにも、薬用植物特有の成分や、ビタミン・ミネラル類も微量ながらバランスよく含まれているため、大きな相乗効果が生まれているのでしょう」(古谷先生)

良質な純粋培養の栽培に成功!

薬効確かなおたね人参ですが、病気や直射日光に弱く、良質なものを栽培するのはとても難しいとか。栽培期間は4~6年で、6年物が最高とされています。天然育ちはごくまれに発見されますが、値段のつけようもないほどの貴重品です。
 そこで古谷先生をリーダーとして、おたね人参を安定供給するための研究がスタート。14年の歳月を費やして成功しました。
「最良質のおたね人参の根を増殖させて、中でも特に質の良い細胞を選別。これをさらに増殖させる作業をくり返して、ピュアな細胞の塊を作ります。この“純粋培養”が成功したため、最良質の栽培おたね人参と変わらない成分が、安定的に摂取できるようになったのです」(古谷先生)
 一般的なおたね人参は、品質にバラつきがありますが、純粋培養のものなら、確実に高品質で農薬の心配もないそうです。冷え性に悩んでいたり、気分が不安定で困っている方は、試してみてはいかがでしょうか


左:無農薬で “純粋培養”のおたね人参だから、安全で有効成分たっぷり。匂いがなく飲みやすい。「ピュアジン エフ・エー」30包 ¥10,185/日東メディカル
右: 6年根を原形で蒸したエキスを錠剤に。「DHC御種人参(おたねにんじん)エキス錠」(医薬品)180錠¥4,725/DHC

お話を伺った先生
古谷 力先生
 薬学博士・北里大学名誉教授。1951年、東京大学医学部薬学科卒。同医学部助手、カリフォルニア大学留学などを経て、1965年、北里大学薬学部・生薬学教室教授。植物組織培養の先駆者としての功績により、1988年に日本薬学会・学術賞を受賞。