【大豆イソフラボン】だいずいそふらぼん

 豆腐や豆乳など大豆製品にたくさん含まれているイソフラボン。これは、植物にのみ存在する抗酸化物質「フラボノイド」の一種です。緑茶のカテキン、タマネギのケセルチン、ソバのルチンなどもフラボノイドの一種で、体にいい機能性成分として注目が集まっています。
「イソフラボンは、大豆にもっとも多く含まれるので、一般的にイソフラボンといえば大豆イソフラボンのことをいいます。化学構造と体内での働きが女性ホルモンのエストロゲンと似ていて、植物性エストロゲンともいわれます。エストロゲンは30代半ばから徐々に減少。更年期には激減して体のさまざまな変調の原因に。その対策の一つとして、大豆イソフラボンの摂取は有効だと考えられているのです」(対馬ルリ子先生)

更年期の症状軽減 乳がんの予防も

 大豆イソフラボンを摂取すると、具体的にどんないいことが期待できるのでしょうか?
「エストロゲンの分泌低下による体調不良や症状の改善・予防が期待できます。一番にあげられるのが、更年期症状の軽減です。疲労感、頭痛・頭重、肩こり、発汗の異常、のぼせ・ほてり、冷え、不眠、うつなど更年期の症状はさまざま」(対馬先生)
 最近はエストロゲンが低下しはじめる35歳前後からこうした症状を訴える「プレ更年期」の女性が増えています。これにもイソフラボンが役立ちます。
「更年期、プレ更年期の症状を訴える女性に投与した臨床試験で、軽減効果があったことが確認されています」(対馬先生)
 そのほか、臨床試験により効果が確認されているのはこちらです。

●骨粗しょう症の予防・改善。エストロゲンには、カルシウムが骨から溶け出すのを抑える働きが。分泌低下は骨粗しょう症の主原因です。
●高コレステロール血症、動脈硬化の予防・改善。エストロゲンは善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを抑制して血液ドロドロを防ぎ血管の若さを保ちます。

 さらに、乳がんの予防効果も期待されています。
「乳がんはエストロゲンの過剰分泌が一因とされています。大豆イソフラボンはエストロゲン受容体(レセプター)に結合して抗エストロゲンとしても作用するのです。大豆イソフラボンはエストロゲンと競合してレセプターに結合するので、そのぶん乳腺細胞へのエストロゲンの過剰刺激が抑えられて、乳がんのリスクを減らせると考えられています」(対馬先生)
 エストロゲンは皮膚や、性器など粘膜の潤い・厚さを維持し、皮膚組織のアンチエイジングにもかかわっています。大豆イソフラボンは、まさに女性の味方なのです。

エストロゲン様作用(ようさよう)10倍の新物質発見

 大豆イソフラボンについて、最近、さらに嬉しいニュースが。
「大豆イソフラボンを摂ると体内で“エクオール”という、別のエストロゲン様作用を持つ物質が産生されることがわかりました。そのエストロゲン様作用は、大豆イソフラボンの5~10倍もあります。ただし、日本人でエクオール産生能力を持つ人は2人に1人です」(対馬先生)
 大豆イソフラボンを効果的に作用させるために、画期的な発見として注目されています。
 大豆イソフラボンを効果的に摂るには、大豆製品を毎日食べることが重要。1日の必要目安量は60~80mgです。上の食品別含有量を参考に、大豆製品を食べましょう。 「大豆製品にはイソフラボンのほか、良質なたんぱく質やビタミンB類、カルシウムがたっぷり。さらに、脂肪やコレステロールの吸収を抑制し肥満を予防する成分の大豆サポニン、脳の神経伝達物質・大豆レシチンなども含まれます。食事の欧米化で大豆製品を食べる量が減っているので、意識的に大豆を使ったメニューを食卓に並べたいですね」(対馬先生)
 大豆製品をあまり食べない人にはサプリメントもおすすめですが、イソフラボンだけを抽出したものより、大豆の成分をまるごと含むものがベターです。

左:おからとして取り除かれていた分のイソフラボンや食物繊維など、栄養成分がたっぷり。大豆100%の濃厚な健康飲料。「スゴイダイズ」125ml ¥105/大塚チルド食品
右:蒸しているので大豆の栄養とうま味がそのまま。おやつや料理に。「やわらか蒸し大豆」120g ¥138/マルヤナギ


お話を伺った先生
対馬ルリ子先生
医学博士。弘前大学医学部卒、東京大学医学部産婦人科などを経て、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックを開院。女性専用外来として評判が高い。近著に『プレ更年期からの女性ホルモン塾』(共著、小学館)がある。