【肝臓水解物】かんぞうすいかいぶつ

スーパーにあるとても身近な食材から作られている成分です。原料は牛や豚の肝臓、つまりレバー。新鮮なレバーを加水分解酵素で分解し、エキスにしたのが肝臓水解物です。
 これが今、女性の美と健康に効く成分として注目されています。
「もともとレバーにはビタミンAやB類、鉄・銅などのミネラルが豊富です。それを分解すると、アミノ酸や、複数のアミノ酸が結合したペプチド、遺伝子にかかわる核酸の原料にあたる核酸前駆物質になります。つまりアミノ酸が凝縮したエキスが肝臓水解物です」(加藤明先生)
 レバーをそのまま食べても、アミノ酸やペプチドは摂取できます。しかし、成分が凝縮された肝臓水解物を摂取した方が、体に吸収されやすく、その分効果も出やすいのです。

美肌の維持再生 脳にも効果が!

 では、肝臓水解物は、どんな働きをしてくれるのでしょうか? 「人間の体はたんぱく質でできています。そのたんぱく質は、いくつものアミノ酸が結合してできたもの。肝臓水解物は、たんぱく質の原料となるアミノ酸と、たんぱく質を合成するときに必要な核酸が一度に摂取できるので、体内の細胞の再生を助けます」(加藤先生)
 細胞が再生されれば、肌のターンオーバーが活発になり、シミやシワ、肌荒れなども改善。美しい肌を守ってくれます。 「また、お肌のハリを保つコラーゲンの主成分、プロリン、グリシンというアミノ酸も含んでいます。さらに、肝臓水解物のもう一つの主成分の核酸は、新陳代謝を活発にして皮膚細胞の老化を防ぐ働きをします」(加藤先生)  女性にうれしい作用はほかにも。なんと、ダイエットに効果がある成分も入っているのだとか。
「アルギニン、リジン、アラニン、プロリンなどのアミノ酸が、脂肪の燃焼を促します」(加藤先生)
 そのほか、イソロイシン、ロイシンといったアミノ酸は、集中力アップや抗うつなど脳機能を高める物質の材料になります。アルギニンなどは、体力や免疫力を高める作用も。
「全部で20種類あるアミノ酸のうち、8種類は必須アミノ酸といって体内で合成できず食品から摂らなければならないもの。肝臓水解物にはその必須アミノ酸8種を含めて、18種類が入っているのです」(加藤先生)
 マウスの実験では、肝臓水解物の滋養強壮効果とアルコールの解毒作用を促す効果も確かめられています。
「アルコールをマウスに与えると、エサを摂ることも細い棒を渡ることもできなくなります。しかし、そのマウスに肝臓水解物を投与するとすぐに食欲が戻り、運動機能も通常通り回復するのです」(加藤先生)
 これは、アルコールを摂取することによってできるアセトアルデヒドの代謝を肝臓水解物が促進して、解毒作用が高まったから。お酒を飲む前に飲むと悪酔い防止に。飲みすぎてしまった後に飲めば、二日酔いを防ぐことができます。

疲れやすい、貧血気味の人に

さまざまな効能を持つ肝臓水解物は、こんな人におすすめです。

● 疲れやすく、いつも体がだるい。カゼをひきやすい、バテやすいなどの虚弱体質
● 貧血、貧血気味
● 肌荒れ、お化粧のりが悪い
● 悪酔い・二日酔いしやすい、
お酒が弱いのに飲む機会が多い
● 肉類が嫌い、食べない
● 妊娠中、または授乳期の方

「基本的には胃腸の弱い人が補給するといいでしょう。疲れやすい、貧血、肌荒れなどは、胃腸の不調に原因があることが多いと考えられます」(加藤先生)
 また、ダイエット中の女性には最適と言えそう。
「アミノ酸はレバーなど動物性食品に多く含まれる成分。カロリーを気にして、肉類をあまり食べない女性はアミノ酸の摂取不足になりがち。肝臓水解物なら、カロリーを気にせず摂取でき、胃腸が弱くてもスムーズに吸収されます」(加藤先生)
 なお、肝臓水解物は医薬品の成分扱いですが、サプリメントに近い市販薬にも配合されています。ドリンクや錠剤タイプがあり、商品によりビタミン剤などを配合したものもあるので自分に合ったものを選びましょう。

左:肉体疲労や胃がむかむかするときに。肝臓水解物に滋養強壮に役立つビタミンB15をプラスしたドリンク。弱った胃腸でもスムーズに吸収。「新ヘパリーゼドリンク」50ml ¥420/ゼリア新薬
右:肝臓加水分解物や心臓エキス、ビタミンB1・B2・B6・B12を配合した滋養強壮剤。通常1日30mlを2~3回服用する。「コンクレバン」500ml ¥3,045/日水製薬


お話を伺った先生
加藤 明先生
医学博士。1986年、ドイツのゲッティンゲン大学卒業後、手術や薬漬けにならない治療、予防医学を研究。科学的データにもとづいたサプリメントによる健康維持を目的とした“サプリセラピー”の創案者。ウェブサイト「Dr赤ひげ.com」では、健康エッセイを掲載している。