【リカルデント(CPP-ACP)】りかるでんと

 歯の治療は、むし歯を削って詰め物を入れたら完了と思っていませんか? 実は、詰め物をした歯は、よりむし歯になりやすくなっているんです。それをリカルデントが防いでくれます。
 ちなみにリカルデントは登録商標で、正確な名称はCPP-ACP(カゼインホスホペプチド‐非結晶性リン酸カルシウム)。
「これは牛乳由来の成分ですが、そのままの状態で自然界にあるわけではありません。CPP-ACPは牛乳カゼインを、よりむし歯の予防効果が高い、体に取り込みやすい形に化学式を変化させたものです」(日野浦光先生)
 昔から、牛乳や乳製品をよく摂る人にはむし歯が少ないといわれてきました。
 そこに注目したオーストラリアのメルボルン大学教授エリック・C・レイノルズ博士の20年間にわたる研究・開発の末に生まれたのが、CPP-ACPという新しい物質だったのです。

初期のむし歯は再石灰化でケア

 まず、むし歯が発生する仕組みについて日野浦先生にレクチャーしてもらいましょう。
「むし歯の原因ミュータンス菌は、食事などで口に残った糖質を食べ、強い酸を出します。その酸によって歯の表面のエナメル質が溶かされ、リンやカルシウムなどのミネラルが溶け出してしまう。これを脱灰といいます。最近では穴が開いた状態ではなく脱灰が始まった時点から『むし歯』というのです」(日野浦先生)
 一方で、我々の口の中には自然にこの脱灰の進行を抑える働きもあるのです。
「唾液にはもともとミネラルが含まれており、それが脱灰した歯を修復してくれる。この働きを再石灰化といいます。実は、歯というのは脱灰と再石灰化を繰り返しながら、硬く丈夫になっていくのです」(日野浦先生)
 ちなみに子供がむし歯になりやすいのは、生えてきた直後の歯は成熟が十分ではなく酸に極端に弱いため。それを固く、強い歯にするためにも再石灰化の過程は重要なのです。また、詰め物をした歯は、詰めた部分と歯の部分に段差ができているため、食べカスがたまりやすく、むし歯が再発生しやすい状態になっています。
 この、脱灰と再石灰化のバランスがとれているのが理想の状態。でも口内の環境や唾液の質などによって脱灰に傾いてしまうと、歯はどんどん溶け、むし歯になっていくのです。
「問題はミネラルが溶け出すのは簡単だけど、元に戻るには時間がかかる。つまり脱灰よりも再石灰化のほうが難しいということ。しかもいったん穴が開いて茶色くなってしまった歯は、もう再石灰化で元に戻すことはできません。ですから、いかにうまく再石灰化を促すかが、むし歯予防のポイントなんです」(日野浦先生)

再石灰化を促す食後のリカルデント

そこで注目されるのがリカルデントの働きです。CPP-ACPには3つ機能があります。
・脱灰抑制作用(初期むし歯の発生を抑える)
・再石灰化作用(エナメル質にミネラルを取り戻す)
・耐酸性効果(酸に溶けにくい歯を作る)
 CPP-ACPには歯の再石灰化に重要な「リン酸カルシウム」が、歯になじみやすい状態で高濃度に含まれています。さらに、口内を中性にして、歯の酸化を抑える作用も。
 むし歯原因菌に感染させたラットの実験でも、CPP-ACPを歯に塗ったグループは、そうでないグループよりむし歯発生率が非常に低いことが確認されています。
「現在リカルデント配合製品にはミルク、ガム、ペーストの3種類があります。CPP-ACPは歯の表面に付着した瞬間から再石灰化を促し、口の中をよりむし歯になりにくい環境にしてくれます」(日野浦先生)
 昔から「甘味はむし歯の大敵」といわれます。しかし糖分は脳にとって大切な栄養素。また甘いものにはストレスを和らげてくれる効果もあります。ただし間食ばかりしていつも食べていると、脱灰に再石灰化が追いつかずむし歯になってしまいます。
 ですから、スイーツは食後に。その後には、リカルデント入りのガムやミルクでむし歯予防の仕上げをしましょう。

お話を伺った先生/日野浦光先生
歯学博士。日野浦歯科医院院長。予防歯科に力を入れ、歯の再石灰化を促進する口内環境を整えることを推進。「できるだけ削らない治療」をモットーとしている。『月刊現代』(講談社)、08年2月号では「歯にやさしい最高の名医100人」の1人にも選出された。

左:ミルクの味はそのままに、CPP-ACPのパワーをプラスした日本初の乳飲料。毎日食後1本で元気な歯をサポート。「明治 ミルクでリカルデント™100ml ¥126/明治乳業

中央:歯磨き後に塗布して、ミネラルパック。「MIペースト」40g ¥1,575/ジーシー

右:CPP-ACPを配合したガム。「リカルデント グレープ&グレープミント ボトルLS」150g¥819/キャドバリー・ジャパン