【白鶴霊芝草】はっかくれいしそう

 中国の歴代皇帝や権力者だけが使用したとされる秘草“白鶴霊芝草”。近年、その成分が美容はもちろん、アレルギーや生活習慣の乱れによる諸症状に役立つとして注目を集めています。
 白鶴霊芝草は、羽ばたく鶴を思わせる白い可憐な花をつける外見と、万能といわれる霊芝と並ぶほどの有用性を持つことから名付けられました。
 もともと中国で秘草として使われていたのが、20世紀半ばには、台湾でも育てられるように。内戦に敗れた蒋介石とともに台湾に渡った薬師が、山奥で咲く白鶴霊芝草を発見。蒋介石が好んだことから、大切に育てられるようになりました。
 中国漢方医学で白鶴霊芝草になじみがないのは、権力者しか使えない門外不出の秘草だったから。美容と健康に関心の高かった清王朝の女帝・西太后は、お茶や入浴剤に使っていました。さらに、肌に浸透させるために白鶴霊芝草を布にくるんで全身をマッサージさせていたそう。
 白鶴霊芝草は、根、茎、葉すべてに有用性があるのです。現在では、中国や台湾で栽培され、お茶として飲まれています。その成分は、美肌や健康にいいものがたっぷり。ビタミンB群、C、Eをはじめとする各種ビタミンや、鉄分、亜鉛などのミネラル類、βカロテンやフラボノイドも豊富だということがわかっています。

美肌を促進する抗酸化パワー

 白鶴霊芝草が持つ有用性の中で、もっとも注目されるのは抗酸化作用。アンチエイジングの食品化学にくわしい平松緑先生は2種類の実験を行っています。
「1つは白鶴霊芝草の葉と根の抽出物で、活性酸素の消去能力を調べました。活性酸素は、生活習慣病をはじめ、さまざまな不調を起こす元凶。なかでも、代表的な活性酸素であるスーパーオキサイドを消去する作用は、葉、根のエキスともに強力。生薬には抗酸化力の強いものが多いのですが、この能力は他の生薬と比べてもトップクラス」
 もう1つの実験は、マウスに白鶴霊芝草の葉のエキスを飲ませて肝臓の酸化物“過酸化脂質”の抑制効果を比べたもの。
 酸化の影響を受けやすくした老化マウスの一方のみに葉のエキスを与えました。するとエキスを与えたグループでは、脂質の酸化が抑制されていました。
「実験から白鶴霊芝草には活性酸素の発生を抑制し、体内で優れた抗酸化作用を示すことが確認できました」(平松先生)
 肌のたるみやくすみなどの老化は、細胞の脂質やたんぱく質の酸化が大きく関わっています。白鶴霊芝草の抗酸化作用は、美肌を願う女性の力強い味方。
 さらに白鶴霊芝草にはコラーゲンの産生促進、メラニン生成の抑制、そして試験段階ですが美白作用も期待できます。あの西太后が70代でも、20代の肌をしていたというのも納得です。

老化モデルマウスに白鶴霊芝草の葉のエキスを4週間与えた。肝臓の過酸化脂質の量は、エキスを与えなかったマウスより明らかに少なかった。
データ提供:第3 回「栄養とエイジング」国際会議要旨集

食後高血糖やがん予防にも

 白鶴霊芝草は長い間、門外不出の“秘草”だったため、有用性が知られることはありませんでした。しかし近年、予防医療の分野でも注目されるように。
 葉のエキスをマウスに与えると、食後の血糖値の上昇が抑えられました。継続的な摂取により、糖尿病の予防・改善ができるように。また、根のエキスは花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギーの発症にかかわる物質の産生を抑制する効果も。
 さらに、白鶴霊芝草エキスでがん細胞の増殖を抑えることが、2000年の日本癌学会で発表されました。白鶴霊芝草には、免疫を正常化する働きもあります。
 現在、白鶴霊芝草は、粒状の健康食品やドリンクなどにも商品化されています。普段の生活に取り入れるならお茶が手軽。
「葉は根や茎よりも抗酸化作用に優れています。安全性はもちろん各種の試験で承認済み。飲む量と効果は個人差がありますが、美容と健康を意識する女性におすすめです」(平松先生)
 現代によみがえった、古くて新しい白鶴霊芝草。生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

左:白鶴霊芝草の一番摘み葉を使用。ドクダミと霊芝を配合した、デトックス効果の高いノンカフェイン健康茶。「仙鼎茶」1 箱30 袋入り¥4,200 /メディカリサーチ

右:選び抜いた白鶴霊芝草を使ったお茶。豊かな香りとまろやかな風味が楽しめる。「リナティー」1 箱30 袋入り¥9,450 /S&H研究所

お話を伺った先生/平松緑先生
医学博士。1972 年神戸女子薬科大学卒業後、岡山大学医学部、米マイアミ大学医学部などを経て、2001年より東北公益文科大学公益学科教授。神経化学を専門とし、アンチエイジングの食品科学についても造詣が深い。