【遺伝子検査】いでんしけんさ

「友達と一緒にウォーキングをはじめたけど、なぜか私だけ痩せない…」。こんな風に同じことをしても、人により効果に差が出るのは、体質の違いがあるから。その体質を調べられるのが、遺伝子検査なのです。
 遺伝子検査は、口の中の粘膜や血液、爪を使って行います。「施設によって読み取る項目は違いますが、私の病院では主に生活習慣病にかかわる遺伝子を検査します。肥満、酸化ストレス、動脈硬化、高血圧、狭心症、心筋梗塞、高脂血症、脳梗塞、脳出血、糖尿病、自己免疫疾患、骨こつ粗そ鬆しょう症しょうなど。自分の体質を知ると、肥満や病気の予防にとても役立ちます。ただし、遺伝子検査は予測であって、必ずその病気が発症すると決まったわけではありませんよ」(浜中聡子先生)
 リスクを知って病気を予防し、生活の質を向上させようというのが遺伝子検査の目的です。

自分に最適なダイエットがわかる

 なかなか成功しないダイエットも、遺伝子検査をすれば、最適な方法がわかります。
「肥満に関しては、主に3種類の遺伝子を見ます。これでその人の持っている、脂肪組織における脂肪の分解とエネルギー消費量について、つまり基礎代謝量が標準より多いのか少ないのか、が分かるのです。
 そのほか、様々な生活習慣病に関与する遺伝子と合わせて総合的に判断することによって、炭水化物や甘いものの摂り方、脂肪、たんぱく質のよりよい選択方法といった、具体策が導き出せます」(浜中先生)
 ダイエットとリバウンドを繰り返すと、どんどん痩せにくい体質になってしまいます。自分に合った食事と運動法を知ることで、失敗しないダイエットができるのです。
 また、肥満に関する遺伝子とほかの遺伝子を見れば、肥満が引き金になる病気の予測もできます。
「酸化ストレスを受けやすいかどうかも重要。老化や病気の原因になる活性酸素が作られやすい体質か、その影響を受けやすいかが、遺伝子検査でわかります」(浜中先生)
 例えば、ダイエットのために運動をする場合、激しい動きが、活性酸素を大量に発生させ、血管や内臓を傷つけることがわかっています。そのため、酸化ストレスを受けやすい人は激しい運動は控え、ウォーキングのような有酸素型のやさしいものを行うのがおすすめです。
「また、活性酸素を作る要因のひとつが紫外線。害を受けやすい人は肌のためにUVケアを徹底した方がよいというアドバイスもできます」(浜中先生)
 自分の体質を知れば、若さのコントロールが上手にできそう。

遺伝子検査を活かし生活改善

 ただし、肥満を含め生活習慣病の遺伝的リスクは、一般的に2〜3割程度といわれています。遺伝の影響は意外に少ないのですね。
「肥満や生活習慣病は食事・運動・飲酒・喫煙・睡眠などの生活習慣と、さまざまなストレスや生活住環境などの外部環境、そして遺伝的な要因が絡み合って発症するからです。遺伝子検査に基づいた予防法もアドバイスしますが、生活習慣など総合的なチェックをした上で、食事法や運動をプログラムしたり、その人に合った薬やサプリメントを提供したりします」(浜中先生) 
遺伝子検査は、かかりやすい病気を知って、生活を改善する最新の予測医療なのです。
 浜中先生が院長を務める、AACクリニック銀座では、62もの項目を検査できます。血液採取から遺伝子診断が出るまでは数週間。後日、検査結果を見ながら、医師が内容を丁寧に説明してくれます。病院以外でも、低価格で肥満に特化した項目を調べられる遺伝子検査キットがインターネットなどで販売されています。こちらは手の爪や、頬の内側の粘膜を綿棒でこすり取って問診票と一緒に送付する簡易的なタイプ。
「遺伝的な体質は生涯変わりません。自分の体を知るきっかけとして、一度体験してみてはいかがでしょうか」(浜中先生)

お話を伺った先生/浜中聡子先生
AACクリニック銀座・院長。北里大学医学部および大学院医療系研究科を卒業後、同大東病院精神神経科などを経て07年4月より現クリニックへ。「健康と美の調和」をコンセプトに研究・治療に当たっている。

左:肥満遺伝子の組み合わせから、4つのダイエットタイプを提案。生活習慣を記入したマークシート型のアンケートと、採取棒で採った口の粘膜を宅配便で送るだけと簡単。「ダイエット対策キット」5,250円/DHC http://www.dhc.co.jp

右:口の粘膜と問診票を送ると、約7〜10日後に分析結果が返信される。「肥満遺伝子検査キット」8,190円/ドクターシーラボ