【金属アレルギー】きんぞくあれるぎー

 指輪やネックレスなど、金属を身につけた時、皮膚が赤くなったり、かゆくなったりするのが「金属アレルギー」。突然発症するので、いつもつけている指輪などでも起こる可能性があります。
 この金属アレルギー、どのようにして起こるのでしょうか?
「実はどんな金属も無害で、金属自体がアレルギーを引き起こすことはありません。問題は、汗や唾液などの体液が金属と接触すること。特に汗は金属の表面をイオン化し、皮膚のたんぱく質と反応して結合します。これを体の免疫系が異物や敵と認識すると、皮膚に炎症を起こします。また、一度アレルギー反応が起こると、その金属をつける度に症状が繰り返し起こってしまうのです」(中山秀夫先生)
 金属アレルギーを起こしやすいのは純度の低い金・白金や合金、金銀メッキ類など。また、ニッケル、コバルト、クロム、パラジウムなどがあります。

汗をかく夏場は発症しやすい!

 増加傾向にある、金属アレルギーの患者ですが、実際にアクセサリー類をつけて、皮膚が赤くなるなど症状が出たことのある人は女性全体の30%にもなります。しかし、その症状が金属アレルギーによるものと自覚している人は、全体の20%程度に過ぎません。
「症状が出たとしてもはずすと治まるため、自覚しにくいのかもしれません。また、女性は数種類のアクセサリーをつけるので、どの金属が原因なのか判断するのが難しいのです」(中山先生)
 アクセサリーをはずしたり、皮膚薬を塗ったりすれば一時的に症状は治まりますが、薬をやめてそのアクセサリーを身につけるとまた発症します。
「どんな金属や装身具がアレルギーを起こすかは、人それぞれ。ある患者さんで、おへそのあたりに症状が出た人がいました。へそピアスはしていないのになぜ……と本人も不思議でしたが、なんとGパンの金属ボタンが原因だったのです。ほかにも、まつ毛をカールさせるビューラーで金属アレルギーになった人も多くいました」(中山先生)
 思わぬ金属が原因になるものですが、いずれも汗をかく夏場に発症例が多いそう。
 ほかにも、歯科治療で使われる金属でアレルギーになった人も。
「歯の詰め物は、唾液などの作用によって金属がごく微量ながら溶けて体内に入ります。それが原因となってやっかいな皮膚病や粘膜の病気を引き起こすケースが。詰め物を別の素材に変えたら完治した症例も多いですよ」(中山先生)
 実は、金属アレルギーに気付かず、何度も炎症を繰り返していると、次第に症状が悪化したり、治りにくくなったりしてしまうのです。では、自分がどの金属にアレルギーを持っているか、調べるにはどうしたら?
「皮膚科で、パッチテストを受けると原因が特定できます。検査用のばんそうこうを2日間貼り、はがした後に出てくる皮膚の反応を調べます。費用はだいたい5000円くらいです」(中山先生)

抗アレルギーの技術や商品も

 今のところ、金属アレルギーを根本的に治す薬はありません。でも、結婚指輪をいつも身につけたい、お気に入りのアクセをしたいという人にはこんな方法も。 「最近では、手持ちのアクセサリーに特殊なコーティングを施して、金属アレルギーを予防できる技術もあります。見た目は一切変わりません。また、金属アレルギーをおこさない、チタンのアクセサリーや時計も増えてきました」(中山先生)
 チタンのアクセサリーは、使っていると変色して黒ずんでしまいます。しかし、最近はプラチナコーティングを施し、見た目をプラチナ同様の輝きにしたものも。
「23名の患者さんに協力してもらい、装着テストを行いましたが、アレルギー反応は起きませんでした」(中山先生)
 金属アレルギーを予防する技術や商品は、日々増えています。この夏のファッションに取り入れてみては。

お話を伺った先生/中山秀夫先生
医学博士。慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部皮膚科、東京都済生会中央病院皮膚科などを経て、1995年中山皮膚科クリニックを開設。アトピー性皮膚炎や金属をアレルゲンとする接触性皮膚炎の研究・治療の第一人者。

左:純チタンにプラチナを特殊な技術でコーティング。金属アレルギーを防ぎながら、プラチナ同様の美しい輝きを実現。安全性は皮膚科医のお墨付き。「TITAN アメシスト」 ¥12,800/金属アレルギー専門店

右:メッキがはがれにくいイオンプレーティング加工をチタンに施した電波腕時計。「エクシード EBD75-2795」 ¥84,000/シチズン