【ケイ素】けいそ

 地球上で酸素に次いで2番目に多い元素。英語では「シリコン」と呼ばれています。

 自然界では、酸素と結合した「シリカ」として存在し、地球の表面に多いので、土や砂、岩、植物、水などにも含まれます。工業的にも広く活用されており、半導体の基板をはじめ、ガラスや陶磁器の原料として、私たちの生活になじみの深い元素です。

 これが注目されるのは、たるみやシワなどの肌老化や、骨粗しょう症といったからこと世代の悩みを解消してくれることが解明されてきたため。

 ケイ素は私たちの体内にも存在する、必要な栄養素なのです。「亜鉛や鉄分などと同じく、健康に欠かせないミネラルのひとつ。体のあらゆる細胞に含まれる必須ミネラルで、体の“土台”を作る働きをしています。わかりやすくいうと、体の組織をくっつける接着剤のような役目をするのです」(上符正志先生)

 こうした働きが、私たちの若さを保つために重要なのです。

肌のハリの回復や骨粗しょう症予防に

「ケイ素にはコラーゲンやヒアルロン酸など肌の弾力に欠かせない組織を束ねて丈夫にし、保水力をアップさせる働きがあります。しかし、加齢とともに不足すると、肌の弾力がなくなってたるみやシワが発生し、乾燥しやすくなります」(上符先生)

 つまり、私たちの“年齢肌”の一因が、ケイ素不足なのです。「ケイ素は年齢とともに体内から減りますが、継続的に摂ることで肌のハリがよみがえり、たるみやシワが改善されます。保水力も高まり、若々しい肌になります」(上符先生)

 特に肌の構成組織であるコラーゲンと一緒に摂ると、効率的に肌弾力をアップさせることができます。よく「コラーゲンはアミノ酸と一緒に摂るとよい」と言うのは、ケイ素がアミノ酸にも含まれているからだそう。

 女性を対象としたコスメの実験でも、ケイ素の美肌効果が明らかに。ケイ素入りのものは、入っていないものに比べて保湿力がぐんと高かったのです。

「ケイ素は、肌だけでなく髪や爪にも影響します。不足すると切れ毛や抜け毛が増えたり、爪が割れたり、線が入りやすくなるので要注意」(上符先生)

 また、ケイ素は骨にも欠かせない栄養素のひとつ。最近ではカルシウム以上に骨を強くする可能性が高いとも言われます。

 アメリカのハーバード大学などが共同で行った研究では、ケイ素の摂取量が多い女性ほど、閉経前の骨密度が高かったと発表されました。

「ケイ素が骨に多く含まれていることなどから骨の健康維持に役立つミネラルだと考えられてはいましたが、この研究が発表されるまではっきりとはわかっていませんでした。特に閉経前の女性はホルモンの影響で骨密度が急速に低下します。骨粗しょう症予防のためにも、アラフォー女性におすすめしたいミネラルですね」(上符先生)

 また血管にも多く含まれ、加齢とともに硬くもろくなる動脈の弾力性を維持する働きがあります。血管の壁に血中コレステロールが付くのを防ぐ働きも。ケイ素で血流をよくし、血管年齢を若返らせましょう。

土で育った野菜にはケイ素がたっぷり

 サプリ先進国であるドイツでは、ケイ素のサプリメントは老化予防として最もポピュラーなものなのだとか。

「マルチミネラルのサプリメントにも含まれていますね。ただ、海藻類などを食べている日本人は、欧米人と比べ、食品からも上手く摂取できているので、できるだけ食事で摂るのがおすすめ。多く含む食品は、昆布や玄米、全粒粉、ほうれん草などの葉物野菜、大豆、バナナ、ほたてなどがあります。ケイ素含有率の高いミネラルウォーターもあります」(上符先生)

 また、コスメにも配合されています。たるみやシワなどの肌悩みに一役買ってくれそう。

「美容皮膚科などでは、ケイ素を含んだ『シリカパック』というものがあります。肌に塗ると固まってゴム状になり、シワやほうれい線などのくぼみを肌の表面に引っ張り上げるというもの。保水力もあるので肌がツルツルになり、乾燥肌にも効果がありますよ」(上符先生)

 最近の化粧品では、特殊なケイ素が真皮に働きかけてコラーゲンなどの生成を活性化してハリをアップさせるというものも。 アンチエイジングや健康維持のためにも、これからますます注目の成分です。

お話を伺った先生
上符(うわぶ)正志先生。銀座上符メディカルクリニック院長。米国抗加齢医学会専門医。アメリカ・NYのザサレーノセンターで行われているアンチエイジングの最先端治療プログラムを習得し、日本に導入。著書に『NY式デトックス生活』(WAVE出版)。