【ロコモティブシンドローム】ろこもてぃぶしんどろーむ

ロコモティブとは「移動にかかわる」という意味。移動のために歩いたり動いたりするのに必要な骨、関節、筋肉などの運動器の障害が原因で、 将来、寝たきりや要介護になる危険性が高くなっている状態のことを「ロコモティブシンドローム(運動器症候群=通称ロコモ)」と言います。 2013 年4 月にスタートした厚生労働省主導の国民健康づくり運動「健康日本21(第2次)」では、ロコモを広く一般に知ってもらおうという活動が進められており、ロコモの認知度を2012 年の17.3%から、10 年後の2022年に80%へアップすることを目標にかかげています。 「 日本人が寝たきりや要介護になる原因の1 位は、骨折、転倒、関節の痛みなどの運動器障害、つまりロコモで、全体の約4 分の1を占めます」(渡會公治)

長寿国の日本でも、健康で自立して暮らせる「健康寿命」は男性72.3 歳、女性77.7 歳(平成21 年)で、平均寿命まで男性は約9 年、女性は13 年残っています。 「 平均寿命から健康寿命を引いた期間は、寝たきりや要介護状態ということ。そうならないためにも30 代、40代のうちからロコモ対策を習慣にすることが肝心です」(渡會先生)

40代からロコモ 予備軍が急増

40代以上で、ひざ、腰、骨のどこかにトラブルを抱えている人は推定で4700 万人。 日本人の約4 割がロコモ予備軍といわれており、早い人では40代からロコモが始まるので注意が必要です。 「 ロコモの原因は、年齢を重ねるにつれバランス能力や筋力が低下したり、骨や関節の病気になること。 40歳を過ぎると体力の衰えやひざ、肩、腰の痛みを感じることが増えてきます。 それを“年のせいだからしかたがない”と放っておくと、症状が深刻化することに。 体のどこかに違和感を覚えるようになったら、ロコモ予備軍に入ったと思い、さてどうするべきかと考えてみましょう。 そのままの生活を続けていると、ロコモになる可能性が高くなります」(渡會先生)。
バランス能力や筋力は、45歳から急速に低下(文部科学省の体力テスト結果による)。 そのままにしておくと転倒の危険性が大きくなります。

骨や関節の代表的な病気とし ては、骨がスカスカになる「骨 粗しょう症」、ひざなどの関節 軟骨がすり減る「変形性関節 症」、腰などで神経が圧迫される 「脊柱管狭窄症」などがあります。 「 骨粗しょう症や変形性関節症 は、女性に多い病気。だからこ そ、特に女性には若いうちから ロコモ対策を意識してほしいで すね」(渡會先生)

無理なくできる ロコトレを習慣に

上のロコモセルフチェックをやってみましょう。 あてはまる項目が多いほど、将来、寝たきりや介護を受けて過ごす可能性大!「 ロコモ予防には、軽い運動を生活習慣に取り入れるのが一番。 ひとつでもあてはまる項目があれば、手軽な“ロコトレ”(ロコモ・トレーニング)を習慣にするといいでしょう」(渡會先生)
 

 鍛えたい部位によりトレーニング法は異なりますが、基本となるのはスクワット。 「 スクワットは食事の後、寝る前、トイレのたびなど、1日にチョコチョコ何度もやる習慣をつけましょう。他に背中のストレッチ、ラジオ体操、ウォーキングもおすすめ。 どれも無理せず、毎日続けることがポイントです。年に1 度はレントゲンや超音波で骨の状態をチェックすることも忘れずに。 また、正しい姿勢で立つ、座る、歩くなど、普段から体の悪いクセを矯正するよう心がけてください。カルシウムやビタミン、たんぱく質などを不足なく摂る食生活も大切です」(渡會先生)
今からしっかりロコモ予防をして、この先の長い人生をずっと元気で過ごしたいですね。

お話を伺った先生
渡會公治(わたらいこうじ)先生
東京大学医学部卒 業。帝京平成大学健 康メディカル学部教 授。スポーツ整形外科医。一流スポー ツ選手などの診療や治療を手がけた経 験を生かし、ロコモ体操を考案。日本 ロコモティブシンドローム研究会 (http://j-locomo.com)メンバー。 著書に『ロコトレ』(アスコム¥1,000)他。

※ 1・2 その他の「ロコモセルフチェック」「ロコモ体操」については 日本ロコモティブシンドローム研究会のHP( http://j-locomo.com)をご覧ください。