【アロエ植物ステロール】あろえしょくぶつすてろーる

 「アレキサンダー大王が病気予防のために栽培していた」、「クレオパトラが美貌を維持するために液汁を体に塗っていた」など、古代から健康や美容に役立てられてきたアロエ。
 便秘改善、火傷や傷の治療、保湿などの作用があるとされ、長い間、民間療法的に使われてきましたが、今ではその効果が科学的に証明されています。

 そのなかでも現在話題になっているのが、アロエに含まれる『植物ステロール』の作用。アロエベラの葉肉にある5つの希少な植物ステロールの健康・美容効果が、森永乳業の研究により判明したのです。
 そもそも植物ステロールとは何なのか、植物ステロールに詳しい東北大学大学院教授の池田郁男先生に聞きました。
  「ステロールとは細胞膜を構成する成分のこと。植物は植物ステロール、動物はコレステロールと呼んでいます。動物のコレステロールはたった1種類しかありませんが、植物ステロールは複数存在し、微量なものも含めると数え切れないほど。主要な植物ステロールには、シトステロール、カンペステロール、スティグマステロールなど数種類でアロエの植物ステロールもこれらが主な成分となっています」と、池田郁男教授。

1gの抽出に象1頭分のアロエベラが必要

 興味深いのは、植物ステロールにはコレステロールの吸収を抑える作用があること。
 「植物ステロールを摂取すると、血中の悪玉コレステロールの割合が下がるんですよ」(池田先生)
 アロエの植物ステロールにもこの作用がありますが、これは以前から知られていたこと。さらに最近の研究で、アロエベラの葉肉に含まれる5つの希少な植物ステロールに「美肌効果」「ダイエット効果」「血糖値の上昇を抑える効果」があることがわかりました。解明した森永乳業は、この5種を総称して「アロエステロール」と命名。
  「アロエステロールと名づけられた5種類のステロールは、もともと存在自体は知られていましたが、アロエベラに極微量しか含まれていないため、あまり研究されていませんでした。その量は、アロエベラに含まれる植物ステロールのたった5%にすぎません」(池田先生)
 換算すると、アロエステロール1gを取り出すのに、アロエベラが7.5(t象1頭分)必要という希少さです。

アロエステロールでシワの深さが浅く!

 森永乳業の研究チームが実証したアロエステロールの効果のうち、美肌作用に関しては、乾燥、くすみ、シワなどの悩みに効くことがわかっています。
 例えばコラーゲン、セラミド、アロエステロールを別々に摂取したマウスの皮膚に紫外線を当てて比べたところ、アロエステロールが最も水分蒸発量が少ないという結果に。アロエステロールを摂った群では、紫外線による肌の肥厚も抑えられました。さらに、人による実験によると、アロエステロールを摂ったグループでは、摂らなかったグループよりシワが浅く。これらの効果は、コラーゲンやヒアルロン酸といった肌の若さを保つ成分を作る、真皮の線維芽細胞に関連しています。アロエステロールの作用で線維芽細胞が活性化した結果と考えられるのです。

 池田教授は、アロエステロールがどのように体内に取り込まれるかを実験。
 「口から摂取する動物実験の結果、小腸から吸収された後、血流を通していろいろな臓器や組織に運ばれることがわかりました。また、吸収率は2~30%と低め。森永乳業の研究ではアロエステロールは微量で肌に作用するそうですが、吸収率がそれほど高くないことを考えるとかなり少量で効いていることになり、驚きです」(池田先生)
 アロエステロールの登場で、アロエ商品のラインナップがますます増えそうです。

お話を伺った方
池田郁男先生
東北大学大学院農学研究科教授。専門は食品機能学、栄養生理学。機能性食品の素材の作用やメカニお話を伺った先生池田郁男先生ズムを研究し、「アロエステロール」の実験にも参加。植物ステロールに精通している。著書に『現代の栄養化学』(共著・三共出版¥2,592)。