骨のある女性になりたい PART1

若い女性も油断大敵! 骨粗しょう症

将来骨粗しょう症にならないためには、若いときからの生活習慣と“骨の貯金”が大切
(2007年05月15日)

骨粗しょう症は女性に多く、寝たきりを招くこわい病気

 骨粗しょう症は、骨からカルシウムが減ることで骨がスカスカになってもろくなり、ちょっとしたことでも骨折しやすくなる病気です。圧倒的に女性に多いのが特徴で、女性は閉経を機に急増、高齢になるにしたがって増えていきます。初期には自覚症状がなく、骨折してはじめて骨粗しょう症に気づくこともあります。高齢になってからの骨折は寝たきりにつながりやすいので深刻です。

 最近では、ダイエットや不適切な食生活から、若い人にも骨粗しょう症予備群が増えています。本来なら骨量(カルシウムなど骨に含まれるミネラルの量)が十分なはずの若いうちからこれでは、あとが大変です。骨を強くするには、食事でカルシウムを十分とることと、適度の運動も必要です。ぜひ今のうちから、骨の健康に気を配りたいものです。

女性ホルモンは骨を強くしている

 女性が骨粗しょう症になりやすいのは、骨量と女性ホルモンとの間に深い関係があるからです。

 骨の中では、古くなった骨がこわされる「骨吸収」と、新しい骨がつくられる「骨形成」がたえず行われ、1年間で数十%の骨がつくりかえられると言われています。骨形成が活発に行われると骨は丈夫になり、骨吸収が盛んになると骨は弱くなってしまいます。骨吸収と骨形成がバランスよく行われていると、健康な骨が保たれますが、骨形成よりも骨吸収が強く働くと、骨はしだいにもろくなっていきます。

 女性ホルモンであるエストロゲンは、骨吸収を抑制して骨形成を助けるので、骨を強くする働きがあります。このため、エストロゲンの分泌が激減する閉経期以降になると、骨量が急激に減少して、骨粗しょう症になる人が増えてくるのです。加齢によっても骨量は減り、70歳では女性の半数以上が骨粗しょう症と考えられています。

若いうちの“骨の貯金”で将来に備えよう

 骨量は若い時期に急激に増え、20〜30歳代をピークに、以降は徐々に減っていきます。閉経や加齢などで骨量が減っても大丈夫なように、若いうちはできるだけ骨量を増やし、ピークを迎える20〜30歳代の骨量をできるだけ増やして骨を貯えておく“骨の貯金”が必要です。

 妊娠・授乳期は赤ちゃんの分までカルシウムが必要になります。カルシウムが不足すると、ひどい場合は産後骨粗しょう症になることもあるので注意しましょう。成人の女性が1日に必要なカルシウム摂取量は600mgとされていますが、この時期にはそれ以上とることが望ましいでしょう。同様に、更年期以降は800mg以上を目安にカルシウムを十分とり、適度な運動を行って骨量の減少をできるだけ抑えることが大切です。この時期は骨粗しょう症を起こしている場合もありますから、定期的に骨密度(カルシウムなどの密度、骨の中身の濃さを示す)を検査するとよいでしょう。

 骨量がかなり減ってくる老年期には、骨折しないようにすることが大切です。食事と適度な運動、住環境の整備などで転倒の危険を減らしてください。

骨粗しょう症になりやすい人は普段の生活で予防を

 誰でも年とともに骨量が減って骨が弱くなりますが、その程度には個人差があります。次のような人は、骨粗しょう症になりやすいと言われています。

●背が低く骨格が小さい人
●やせている人
●家族に骨粗しょう症の人がいる人
●月経が不順な人

 こうした体質や遺伝的なことが原因でも、あきらめることはありません。若いころから骨の貯金をためて予防し、次のような生活習慣を避け、普段から骨を強くする生活を心がけましょう。

<骨粗しょう症を起こしやすい生活習慣と予防策>
●カルシウム不足→ほかの栄養素は十分でもカルシウムだけ不足している人が多いため、意識してとる
●ビタミンDやKの不足→カルシウムの吸収を高めるので積極的にとる
●運動不足→骨に圧力がかかると骨形成が促されるため、なるべく歩く、階段を使うなどして、普段の運動量を多く
●喫煙習慣→女性ホルモンの働きを弱めカルシウムの吸収率を下げるため禁煙を
●お酒をたくさん飲む→カルシウムの吸収率を下げるため適度の量を
●戸外での活動が少ない→ビタミンDは日光に当たることで効果が出るため、1日合計1時間は戸外で過ごす時間をもつ

 また、先にも述べたように過剰なダイエットは大変問題です。栄養不足から血液中のカルシウム量が不足すると、補充のため骨から血液中にカルシウムが引き出されます。さらに、過剰なダイエットは女性ホルモンの分泌も減少させ、骨にとってダブルパンチに。骨貯金どころか骨量が減少して、骨粗しょう症に向かって一直線です。

 次回は、骨を強くするには具体的に何をすればよいのか? どのようにしたら効率よく骨量を増やすことができるのかを紹介します。

【監修】
宮島 剛先生

埼玉医科大学整形外科・脊椎外科
埼玉医科大学かわごえクリニック骨粗鬆症外来
昭和36年長野県生まれ。高校卒業まで長野県で過ごす。平成2年埼玉医科大学医学部卒業後、同大学整形外科にて研修。青梅市立総合病院、東京都立広尾病院などの関連病院勤務の後、大学に戻る。平成8年より埼玉医科大学整形外科助手、平成15年同講師。平成16年7月埼玉医科大学かわごえクリニック骨粗鬆症外来を兼任、現在に至る。専門は骨粗鬆症とスポーツ医学、モットーは「初志貫徹」、趣味は鉄道旅行と発明。

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