婦人科検診を受けるときの服装は? 準備しておいて便利な物

婦人科で診察を受けるときはこんな準備がおすすめです

服装はどんな感じ? 何を持っていったらいい? 基礎体温表はどのように役立つの?

症状に気づいたらためらわずに受診してほしい

 婦人科の病気が疑われる症状のなかで、「おりもの」や「不正出血」は自分だけが気づくことができるものです。ですから、そんな症状があれば積極的に相談に来ていただきたいのです。でも、やっぱり恥ずかしくて気後れするのが婦人科の診察だと思います。
 「あの内診がいや」
 「プライベートなことを根掘り葉掘り聞かれるかもしれない」
 「痛い検査があるかもしれない」
 と思うと尻込みしてしまう、という人が多いかもしれません。

 しかし、受診を先延ばしにしているうちに病状が進んでしまい、生命が危険にさらされたり、妊娠や出産をあきらめなければならなくなることもあります。そんなときは、婦人科医としては「もう少し早く来ていただければ、治療の選択肢があったのに」と残念でならない気持ちになります。
 たとえば子宮頸がんは、早い段階で発見して治療できれば、生命にかかわることはまずありません。そればかりか子宮そのものを残すような治療法が選択できる場合も多く、その場合は治療後に妊娠や出産が可能です。そのためには、症状に気づいたらすぐに受診してほしいのです。

 前回は、婦人科で聞かれる質問にはどんな意味があるのかについてお話しました。今回は受診にあたっての工夫や、どんな準備をしていくとよいかお話したいと思います。婦人科診察のことをより深くわかっていただければ、受診へのハードルの高さが解消されるものと期待しています。

こんな服装で、こんな準備をして受診しましょう

 婦人科の診察を受けるときは、服装はパンツスタイルでなく、ふわっとしたすそ幅の広いスカートが向いています。脱衣スペースから内診台に移動するときに、スカートが下半身を覆うので、むき出しにならずにすみます。また、和服は診察を受けるには向いていません。帯などが腹部の触診の妨げになることも多く、着崩れは避けられません。ウェスト近くまでたくし上げて診察を受けたあとなどは、帯などやり直すことになってしまいます。

 内診は、外陰部や腟、下腹部、骨盤内などを目で見たり触診したりして調べる診察方法です。超音波検査やMRI、CT、血液検査などが進歩した現在でも、内診でないとわからないことや判断しにくいことがよくあります。診察を受けに来られた方の全員に行うわけではありませんが、素早く正確に診断するために必要です。

 診察のときに持って行くと役立つものとしては、パッド(あてもの)、メモ用紙と筆記用具、スケジュール帳、これまでの検査結果、基礎体温表、お薬手帳などがあります。
 パッドは、診察の影響でおりものや性器出血が起きた場合に対応するためです。診察後に念のために当てておけば下着や着衣を汚す心配がなくて安心できます。診察のときにタンポンを挿入する場合もありますので、看護師や医師の説明をよく確認しましょう。

 メモ用紙と筆記用具は、医師や看護師への質問事項を書きとめたり、説明の内容を記録したりするのに使います。スケジュール帳は、今後の検査の予定や次回の診察の予約を取るときなどスムーズに日程調整ができます。

 これまで受けた投薬内容(お薬手帳)や検査結果がわかるものをお持ちいただくと、診察の参考になります。胃薬や吐き気止め、抗うつ薬の中には月経の乱れを起こすものもありますし、新たに薬の処方を受ける場合にも、飲み合わせで副作用が出ないかどうかも確認できます。

 症状の経過や治療、検査の結果、月経の様子(一番最近の月経やその前の月経の日付など)や、これまでの妊娠や出産の状況などについて、思い出して簡単なメモ書きの形にしておくと、問診の際スムーズにやりとりができ、短い時間で正確な情報を伝えることができます。
 きちんと診断するためには、患者さんからの十分な情報提供が欠かせません。

基礎体温表から、排卵の有無やホルモンの分泌状態などがわかる

 月経不順や不正出血、無月経の場合には、基礎体温表を持参していただけるとすばやく診断できますし、治療もスムーズに開始できます。朝、目覚めて体を動かす前に口の中で体温を測り、毎日記録して折れ線グラフにしたものが基礎体温表です。測定には基礎体温専用の体温計を使用します。薬局やドラッグストアなどで購入できます。
 睡眠時間が短いときや測定時間が普段と大きくずれ込んだときは、そのことをグラフの欄外に記録しておくといいでしょう。睡眠時間が4時間以下の場合には測定値の信頼性が低くなるからです。

 血液で調べるホルモン検査は正確ですが、採血した時点でのホルモン値しかわかりません。基礎体温表では、日々のホルモン分泌の変化を推測することができますし、一回一回の周期で排卵がうまく起きているかどうかや、着床の条件を整えるホルモンが十分分泌されているかということも推し量れます。

 月経から排卵までの体温に比べて、排卵してから月経までの体温が高くなります。この温度差が少なくとも0.3~0.5度程度あって10日以上体温の高い時期が続くと、その周期の排卵はうまくいっていると考えられます。排卵がうまく起きていないときには、体温の変化がはっきりしません。
 排卵は体温の低い時期(低温期)の最後の日に起こると考えられています。いつが低温期の最後かということは、後から振り返らないと判断できません。体温がぐっと上った日の前の日がその日ということになるので、体温を測定している途中では、いつが低温期の最後かが推測できないのです。妊娠を希望している人にとっても避妊したい人にとっても、基礎体温だけで排卵日を推定するのが難しいのはこのためです。

 基礎体温表は少なくとも3~4週間分が記録されていないと判断しづらいのですが、症状があれば、まずは婦人科を受診して相談しましょう。そのときに、それまで記録している基礎体温表があればぜひお持ちください。
 せっかくの機会が効果的で十分な診察となるよう、うまく婦人科を利用しましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
福本 由美子先生


済生会奈良病院・松原徳洲会病院婦人科医
1986年奈良県立医科大学卒業。同大附属病院、東大阪市立総合病院、湘南鎌倉総合病院、松原徳洲会病院の産婦人科勤務を経て、大阪中央病院泌尿器科・ウロギネセンターで産婦人科医としての経験を生かし、女性泌尿器科診療に携わった。現在は済生会奈良病院・松原徳洲会病院で婦人科医として診療を行う。医学博士。日本産科婦人科学会認定専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本性科学会認定セックス・セラピストなど。共著に「女性泌尿器科外来へ行こう」(法研)、「30歳からのわがまま出産」(二見書房)など。

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