乳がんのセルフチェックの仕方-自己検診で乳がんを早期発見

通常の状態をしっかり感じ、知っておくことが大事

20歳になったら毎月1回自己検診を。気になる異常を見つけたら、自己判断せずすぐに受診しよう

毎月1回自己検診を続け、異常があれば乳腺外来で検査してもらおう

 乳がんは自分で見て触って、かなり初期のうちに発見することができるがんです。これは、進行して自覚症状が出るまで気づきにくいほかのがんにはない利点。この利点を活かすには、定期的に自己検診を行うことが決め手です。ぜひ正しい自己検診の方法を身につけ、そして実行してください。

 20歳になったら、月に1度の自己検診を習慣づけましょう。検診に適しているのは、月経が始まって5日目から1週間くらいまで。この時期は乳房がやわらかく安定しているので、しこりがわかりやすいのです。月経がない人は毎月1回、日を決めて行いましょう。
 自己検診を行っていくうち、自分のいつもの乳房の状態がわかってくると、何かしらの異常が生じたとき、「何かいつもと違う感じ」がわかるようになります。乳房の表面にできる乳がんは、注意深く触れば、1~2cmほどの大きさになるとわかりますし、がんによる皮膚のひきつれやくぼみなどにも気づくことができます。初めは、慣れるまで毎日でも自己検診を行い、自分の乳房のいつもの状態がどんな感じなのか、しっかり感じて、知っておくことが大切です。

 自己検診でいつもと違う何かを見つけたときは、すぐに乳腺外科や乳腺内分泌外科などを標榜している乳腺外来を受診し、検査をしてもらいましょう。乳がんは、早期に発見して適切な治療をすれば9割以上が完治するといわれています。「これはたぶん良性」などと自己判断したり、怖いからと受診をためらったりしているうちにがんが進行してしまったら大変です。

乳がんの自己検診の方法

●鏡で見ながらチェック
 乳房の自然な曲線に微妙な乱れ(引きつれ、くぼみ、ふくらみ、ただれなど)がないか、チェックしましょう。

(1)鏡の前にリラックスして立ち、乳房の大きさ、形、色、乳頭のただれなどの変化がないか、よく観察しましょう。両腕を下ろしたり、腰に当てたり、頭の後ろで組んだりしながら左右で違うところはないか、いつもと違うところはないかチェックします。

(2)バンザイをすると乳房の奥の大胸筋が緊張して乳房が平たくなり、形の変化がよくわかります。また、前かがみになったり後ろにそったり、横を向いたりして、いろいろな方向から乳房を観察しましょう。

●指で触ってチェック
 入浴時に石けんをつけた指で触ると、小さなしこりまで見つけやすくなります。乳房から脇の下にかけてくまなく触り、しこりや部分的に硬いところがないかチェックしましょう。

(1)親指以外の4本の指を軽くそろえ、指の腹(指先に近い部分)で乳房を押しぎみに(強く押さない)、場所を少しずつ移動しながら触ります。このほかに親指とあとの4本の指でそっとはさむ、手のひらで押す、人差し指と中指でキーボードをたたくようにしてさわるなどすると、別の感覚で異常をとらえることができます。

(2)しこりの調べ方は、次の「渦巻き式」や「平行線式」を用いると、くまなく触診することができます。

渦巻き式 親指以外の4本の指を軽くそろえ、10円玉大の「の」の字を描くように指の腹をすべらせます。乳頭周辺から乳房の外側に向って渦巻き状に触れ、しこりやひっかかりがないかチェックします。押す強さを何段階か変え、脇の下まで触りましょう。

平行線式 親指以外の4本の指を軽くそろえ、横方向と縦方向に平行線をひくようにすべらせチェックします。

*(1)と(2)は、就寝前にあおむけになって行ってもよいでしょう。

(3)最後に、乳房や乳首を絞るようにして、乳首から分泌物が出ないかチェックします。血液混じりの分泌物が出たときは、すぐに乳腺外来を受診してください。

(編集・制作 (株)法研)


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【監修】
福田 護先生


聖マリアンナ医科大学附属研究所
ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長
1969年金沢大学医学部卒業後、国立がんセンターを経て74年に聖マリアンナ医科大学第一外科助手に。米国Memorial Sloan-Kettering Cancer Center、バージニア大学外科を経て、78年聖マリアンナ医科大学に復職。92年同大学第一外科助教授、2002年同大学外科学教授、09年に現職就任。日本乳癌検診学会理事長、日本乳癌学会名誉会員、日本がん検診・診断学会理事、NPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会監事、NPO法人キャンサーリボンズ理事長、認定NPO法人乳房健康研究会副理事長ほか、要職多数兼務。著書に『乳がん全書』『乳がんの人のためのレシピ』(法研)ほか多数。

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