環境が変わる季節。5月病にご用心
油断は禁物。長引くと社会生活に支障をきたすことも
ストレスと上手につき合い、SOSサインをキャッチして早めに対処。ストレスに負けない知恵を身につけて
(2007年04月03日)
5月病ってなに?
4月は進学、就職、配置転換などで環境が大きく変わる季節。新しい環境にうまく適応できず、あるいは適応しようと頑張りすぎて、5月の連休を過ぎたあたりからうつ的な状態になることを5月病といっています。5月病とは正式な病名ではなく俗称。もともとは、厳しい受験戦争を勝ち抜いて大学に入学した学生に、まとまった休みをきっかけに急激に気力を失う人が多くみられることから名前がついたものです。
環境が変わると、新しい生活に慣れるために肉体的にも精神的にも疲れるもの、それは大きなストレスとなって心身にのしかかります。5月病は通常一過性ですが、ストレスをためたまま引きずってしまうと、登校拒否や出社拒否、うつ病など心の病の引き金になってしまうこともありますから、そうならないための予防が大切です。
心と体が発するSOSサインに気づこう
5月病に限らず、ストレスがたまってくると、心身は適応能力の限界を超え、心や体になんらかの変調や症状が現れてきます。これは、心と体がSOSのサインを発しているのです。しかし、どれも特別な症状ではないため見逃してしまいがち。特に自分では気がつかないこともあるため、家族や職場の仲間など、まわりの人が気づいてあげることが必要。次のような症状があったら注意しましょう。
<具体的な症状>
精神面:やる気が出ない、何をするのもおっくう、なんとなく気持ちが落ち込んでいる、イライラする、興味や関心がわいてこない、不安や焦燥感があるなど
身体的:よく眠れない、途中で目が覚める、朝起きられない、いくら寝ても疲れがとれない、食欲がない、頭痛や腹痛がするなど
行動面:お酒やタバコの量が増える、つい食べすぎる、刺激物を好むようになるなど
SOSに気づいたら早めの対処が必要。まず十分に休養をとって、体と心を休めること。適度に休息をとって、ときにはのんびりすごす、趣味の時間をとるなど、気分転換を図りましょう。自分一人で悩まず、誰かに相談したり、愚痴をこぼすだけでも気持ちが楽になることがあります。公共・民間のカウンセリング機関などで、電話相談に応じてくれるところもあります。気軽に相談できるので利用してみては。
ストレスと上手につき合う方法
ストレスの多い現代社会で、完ぺきにストレスを避けるのは無理なこと。ならばストレスと上手につき合っていくしかありません。環境の変化は確かに大きなストレスとなりますが、ストレスの感じ方には個人差があります。きちょうめんな人、頑固で物事にとらわれやすい人、完ぺき主義者、相手に合わせて自分を抑えてしまう人ほど、ストレスを受けやすいといわれています。しかしそのような人でも、ストレスを自覚してペースダウンしたり、休息をとることを心がけていれば大事に至らずにすみます。
次のようなことを心がけて、ストレスとうまくつき合っていきましょう。
●ストレスを前向きにとらえよう
悪い面ばかりでなくよい面を考える、試練を自分が成長できるチャンスととらえる
●完ぺき主義は捨てよう
うまくいかなくてもいい、失敗は成功のもとと考える
●自分を客観的に観察
冷静に自分を見つめることも必要。自分のストレス状態をきちんと把握できれば、ストレスをため込む前に対処が可能
●できないことはできないと言おう
無理に頑張らない、何もかも自分一人でやろうとしないで人に助けてもらう、時には逃げ出すことも必要
●愚痴をこぼそう
いやなことを自分の中にためこまない。家族や仕事の仲間以外に、悩みを話せる友人がいると心強い
●自分に合ったストレス解消法を
入浴、森林浴やガーデニング、ハイキング、ペットを飼う、旅行、スポーツ、音楽、趣味など
環境の変化や性格だけでなく、不規則な生活もストレスをためる原因になります。睡眠不足、不規則な食事、運動不足など生活習慣の乱れは体内バランスをくずし、ストレスへの抵抗性を弱めるからです。まずは生活リズムを整え、ストレスに負けない体と心を作りましょう。
また、ストレスを解消する工夫をしたり、カウンセリングを受けても症状が長引く場合や、症状が重くなるときには、精神科か心療内科を受診して専門医にみてもらうことが必要になります。
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菅野泰蔵先生
東京カウンセリングセンター所長
臨床心理士。ベストセラーとなった「こころの日曜日」(法研)ほか、著書多数。
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