太る脳とやせる脳の方法と効果

「脳疲労」を癒してやれば、自然に【太る脳】が【やせる脳】に

「脳疲労」を癒してやれば、自然に【太る脳】が【やせる脳】に変わり、無理なく、らくにダイエットができる

鈴木内科クリニック院長/鈴木秀樹

●解説してくれる人
鈴木内科クリニック院長/鈴木秀樹
●先生のプロフィール
1960年、愛知県生まれ。浜松医科大学卒業後、静岡市立静岡病院、浜松医科大学付属病院などをへて、94年に鈴木内科クリニックを開業し、現在に至る。連絡先は、鈴木内科クリニック(静岡県浜松市) [TEL]053-438-5255

脳疲労を起こすと五感に異常があらわれる

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皆さんは「脳疲労」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。この言葉は、九州大学健康科学センター教授の藤野武彦先生による新しい概念で、藤野先生は、この新概念をもとに「BOOCS(ブックス)」と名づけたダイエット法を提唱され、これまでに2万人以上の人が減量に成功という大きな成果をあげています。
脳疲労とは、簡単にいうと、脳が過剰なストレスを受けつづけたために疲れ果ててしまった状態のことです。コンピューターになぞらえるならば、その処理能力を超えた量の情報を入力されたために頻繁にフリーズを繰り返す状態ということができます。
脳疲労について、もう少しくわしく説明してみましょう。
私たちの大脳には新皮質と呼ばれる部分と旧皮質と呼ばれる部分があります。新皮質は知性をつかさどる中枢で、旧皮質は本能をつかさどる脳といわれています。
また、大脳の下方には間脳(視床、視床下部)と呼ばれるところがあり、自律神経の中枢や食欲中枢があります。つまり、私たちが意識しなくても心臓がきちんとしたリズムで動くとか、適切にエネルギーを体に入れるための食欲をコントロールしている脳です。
人間は外界からの情報(ストレス)をまず新皮質で処理しようとします。たとえば「仕事をしなさい」という情報が外界から入ると、新皮質が「遊ばずに、休まないでやれ」と判断・処理をして、それを自律神経中枢や食欲中枢がある間脳にも伝えます。
一方、同じ情報は旧皮質にも伝わります。伝えられた旧皮質は本能をつかさどる脳ですから「仕事はしないで遊べ、休め」という指示を間脳に送ります。通常、間脳は、これら2つの脳から受けた相反する指示のバランスをとりながら働いているのです。
こうした指示に混乱が少ないうちはいいのですが、外界からのストレスが過剰になると、新皮質と旧皮質、2つの脳の間に大きな葛藤が起きてきます。すると、2つの脳から発せられる指示の分裂が著しくなり、間脳はどう対応していいかわからなくなって、その働きに狂いが生じるようになります。これが脳疲労の状態です。
新皮質を父、旧皮質を母、間脳を子供にたとえると、両親が仲が悪くなった結果、子供がグレて、非行に走ってしまうようなものといえるかもしれません。
脳疲労が起こると、体内にさまざまなトラブルが起きてきますが、五感にも障害があらわれてきます。間脳は五感の中枢でもあるからです。五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のことですが、このなかでいちばん顕著に異常があらわれるのが味覚です。
たとえば、甘いものを甘いと感じる能力が低下します。そのため、ふつうならおまんじゅうを1個食べれば甘いと感じるところを、2個も3個も食べないと甘いと感じられなくなってしまうのです。
脂っこいものをたくさん欲するようになるのも特徴です。本来、脂っこいものは少し食べれば十分なのに、たくさん食べなければおいしいと思わなくなるのです。
食べる量についても同様で、それまでは100食べて満腹していたのが、150、200と食べないと満腹感を得られなくなります。
こうした脳疲労からくる、さまざまな食行動の異常が肥満をもたらすというわけです。


好きなものを食べて脳を癒すことが大事

では、脳疲労をとり去り、ダイエットに成功するにはどうすればいいのでしょうか。
それには、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感を癒してやるのが効果的です。とくに味覚については、やせたいからがまんして食べないのではなく、むしろ1日に1回は好きなものをたっぷり食べて、心から満足のいく食事をとることがたいせつです。十分に食事をする心地よさを感じることができれば、おのずと脳が癒され、脳疲労も解消してきます。
藤野先生の「BOOCS」では、朝食はスープやみそ汁などの水分食、昼食はおにぎりやうどんなど軽いもの、間食はリンゴなどの果物、そして、夕食は和食中心に好きなものをたっぷり食べることを推奨しています。
脳疲労がとれてくると味覚が正常になり、甘いものや脂っこいものをほしがらなくなって、自然にあっさりした伝統的な日本食など、健康的なものに舌が合ってきます。そのため、ダイエットにつきもののリバウンドの心配もありません。
とにかく「○○を食べてはいけない」とか「○○をしてはいけない(しなければならない)」などと考えるのはストレスになって、脳疲労を招くので避けるように。体にいいこと、たとえば運動でもやりたくなければ、とりあえずやらなくてかまいません。
私のクリニックでは、こうした「BOOCS」に加えて、五感を癒すという意味で、なんでもいいから好きなことをしたり、好きな映画や草花を見たり、好きな音楽を聞いたり、好きな香りをかいだり(アロマテラピー)、あるいはマッサージを受けたりということもおすすめしています。そうすることで五感が癒されて、脳疲労がより解消するからです。
このような「BOOCS」を中心とした治療を始めてまだ間もないのですが、すでに約20人の患者さんがダイエットに成功しています。ある38才の男性の例では3カ月で7kgの減量に成功し、体脂肪率も3.5%減少しました。ある44才の女性の例では同じく3カ月で8.2kgの減量に成功し、体脂肪率は3.5%減少しています。
また、どの患者さんも、脳疲労の度合いやストレス度を測定するテストの点数が低下しており、総コレステロールや中性脂肪などの検査値も明らかに下がっています。そうした意味で、脳疲労をとり去ることは、高脂血症や高血圧、心臓病など生活習慣病の予防にも役立つといえるでしょう。




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