薬剤師なら知っておきたい専門用語 「配置基準」とは?

「配置基準」薬剤師の場合は?

 薬剤師の配置基準は、1998年に改正となった医療法施行規則で定められた基準があります。
 その基準は病院や調剤薬局の規模によって設定されているため、勤務先によって条件がかわってくるということになります。
 
 薬剤師の配置基準は、過去長い間、「調剤数80につき薬剤師1名」というのが基準となっていました。
 しかし、近年は調剤技術が著しく進歩を遂げていることから、服薬指導や薬歴の管理、病棟業務の拡大などのように薬剤師の業務も急激に増大しています。
 その状況に見合った配置に改めるべきとの指摘により、1998年に明確な基準が設けられたのです。それは「入院患者数と外来患者の処方箋数」による考え方でした。
 
 では、具体的にそれはどのような基準なのでしょうか。

国が定める薬剤師の具体的な配置基準

 薬剤師の配置基準は、病院と調剤薬局では下記のような違いがあります。
 
 ■病院の場合
 ・外来患者の場合は、患者さんの処方箋数75枚につき1名の薬剤師を配置
 ・入院病棟の場合は、患者さん70名につき1名の薬剤師を配置
 (精神病院などでは150名の患者さんにつき1名の薬剤師)
 
 ■調剤薬局の場合
 ・1日の処方箋数40枚につき1名の薬剤師を配置
 
 近年、薬剤師の人数そのものは増加の傾向にあります。
 医薬分業による院外処方が普及したことにより、薬剤師の需要も増加しているためです。
 しかし、増加しているのは、薬局に勤務する薬剤師なのです。
 
 そのような状況の中でも、病院での薬剤師の業務も今までと変わらずに必要です。
 それどころか病院内では調剤以外にも薬剤師が携わる業務は多岐にわたり、また、近年それが増えてゆく一方であるため、
 病院に勤務する薬剤師の負担が増加している現状にあります。
 
 定められた配置基準により、定員は満たしているものの、業務そのものが急増しているためこなしきれず、
 事実上、病院の薬剤師は足りていない状態になっているということです。
 
 さらに、急速に進む医療技術の発達や高齢化による患者の増加を考慮すると、
 いまの配置基準が十分に満たされたものであるかどうかは疑問だと言われ続けてきました。

足りていないのになぜ改善できないの?

 足りていないのなら、基準を改善すればいいのでは?
 と思うところなのですが、そうは簡単にいかない事情があるようなのです。地域によっては、最低の基準にさえ届かないほど、薬剤師が不足していたり、病院によって薬剤師に求める業務の内容にばらつきがあるなど地域格差や病院の業務差により充足度の足並みがそろっていないことがあげられます。
 また、2006年には薬事法が改正され、薬剤師の養成課程にも変化が起こりました。薬学部教育の6年制スタートや、薬科大学新設の推進などです。
 薬剤師の業務が複雑化、また専門性が求められる業務が増加したことから、薬剤師の専門性をさらに高める意図をもっています。その変化をふまえた上での、今後の薬剤師の需要傾向を見守る必要があるだろうという結果にとどまっている状態なのです。

薬剤師の配置基準、これからの展望は?

 2007年の報告書では、配置基準がただちに見直される方向へは進まなかったものの、病院における薬剤師の重要性は再認識され、病院全体がもっと十分な薬剤師の人数を確保する必要性は極めて高いという方向性が示されました。
 また、2012年4月からは、病院薬剤師の配置基準については、国が定める基準から、地方の条例によって定めてよいということになり、その地方の実態に合った基準へと変更が許されることとなりました。
 これからの医療は、医者・看護師・薬剤師などがチーム医療としてのさらなる連携が必要とされているため、
 薬剤師は医療機関にとって、ますますなくてはならない存在になっていくものと考えられます。
 そのためにも適正な配置基準を求め、検討を続けることが必要とされています。
 このような過去からの経緯をふまえると、病院薬剤師の配置基準は、常に医療の現場や時代の流れに即したバランスを保つことが重要といえるでしょう。それにより、薬剤師は安心かつ安全な医療を実現していくことが求められています。
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