薬剤師なら絶対に知っておきたい専門用語 「基準薬局」とは?

基準薬局制度とはどのようなもの?

 基準薬局制度は日本薬剤師会により、1990年(平成2年)に発足しました。地域に密着し、処方箋を受け入れ、患者さんが安心して薬に関するさまざまなことを任せられる薬局、つまり「かかりつけ薬局」を日本中に整備していくことを目的として作られた制度です。発足後、何度かの実施要項の改定を行いながら、今日まで継続されてきました。実施要項によれば、ある一定の基準を設け、その基準を満たした薬局のみが基準薬局として認定されるというしくみが基準薬局制度となります。そこにはどんな基準があるのでしょうか。

基準薬局として認定されるための基準とは?

 日本薬剤師会が定めた基準薬局の認定基準は、大まかに6つに分けられた項目の中に計31の細かな基準が存在します。その6つの項目と、主な認定基準は下記のとおりです。
 
 【基準薬局の認定基準】
 ■どの医療機関の処方箋でも、責任を持って調剤している
  ・保険薬局の指定を受けている
  ・患者さん一人ひとりの服薬履歴(薬歴)を管理し、薬の成分が重複していないか、  飲みあわせに問題がないかなどを適確に確認する
  ・後発医薬品(ジェネリック)の希望に対応可能である 
 
 ■医療提供施設としての適切な体制を整えている
  ・患者の需要や地域医療に対応できる開局時間や曜日体制を整えている
  ・夜間、休日においても、必要な場合には医薬品の供給をおこなえるよう措置を講じている
  ・在宅患者さんへの訪問薬剤管理指導許可を受けている
  ・全面的に禁煙であり、たばこの販売をおこなっていない
 
 ■一般用医薬品を販売する供給拠点として、適切な販売を行う
  ・地域住民の自己健康管理を支援するための一般用医薬品等を提供している
  ・一般用医薬品を適した方法で陳列し、対面での販売を原則としている
  ・名札、着衣で薬剤師の区別ができるようになっている
 
 ■地区薬剤師会に協力し、地域福祉や保健衛生に積極的に貢献している
  ・地域住民への啓発活動、保健指導など、地域のために貢献している
  
 ■十分な知識や経験をもつ薬剤師が勤務している
  ・薬剤師は日本薬剤師会の定める「薬剤師倫理規定」を遵守している
  ・都道府県薬剤師会が開催する研修などに参加している
 
 ■その他
  ・薬学生の実務実習を積極的に受け入れている
  ・災害時の救援活動の協力体制を整える
  ・薬局の外側に基準薬局である旨を掲示をしている
 
 
 上記のような基準を満たした薬局が「基準薬局」として認定されています。
 現在、全国には50,000件を超える保険薬局がありますが、そのうち基準薬局の認定を受けている薬局の数はそのうちの約3割程度とされています。
 しかし、都道府県によってはその数にはかなりのバラツキがあるのも実状です。

2015年4月には新体制がスタートします

 制定より二十余年が経過した現在、当初の目的はほぼ達成したものと判断され、2015年3月末日をもって、日本薬剤師会による基準薬局制度は解消という措置が取られることとなりました。しかし、それを「発展的解消」と位置づけ、今後は、今までの制定基準をベースに、各都道府県薬剤師会は独自の基準を上乗せするような形で運用するよう通達をしたのです。これを受けて各都道府県薬剤師会は、今後の継続または廃止などさまざまな点を含めて、2015年4月の新体制スタートに向け、新たな運営方法や称号、認定の基準などについて検討を重ねています。
 今後は各都道府県の薬剤師会に一任されることで、ますます地域に密着した信頼のできる基準薬局が増えること、
 そして患者さんがかかりつけ薬局として安心して利用できるよう、きめ細かなサポートをしていくことが望まれますね。