医師がキャリアアップを考えるべき「タイミング」と「ポイント」

卒業後5年前後-後期研修後の方向を考慮

 前述した通り、10年ほど前までは医学部卒業後は医局に入るのが一般的でしたが、今では研修先の選択も自身で行わなければなりません。
 
 医師としてキャリアップを考える第1歩は、後期研修後の方向を考える卒業後5年前後といえるでしょう。医師として研修している中で、今まで思い描いていた方向性は自分には不向きなのではないかと方向自体を変える医師も少なくありません。研修期間の間に多くを吸収し、自分にあった道、または、自分がやりたい道を見出すことが必要です。
 
 また、医局に入る入らない、残る残らないということも将来を大きく変える要因になるため、併せて考えた方がいいでしょう。

卒業後10年前後-専門医は売り手市場

 卒業後10年程度が経過した頃は、専門医や認定医などを取得して、医師としてあらゆることを吸収できる時期といえるでしょう。また、体力的にも無理がきく時期でもあり、年齢的にも破格な給与を求められることがないため、医療機関にとっては欲しい人材です。この時期は医師としてのキャリアアップの選択肢が最も多い時期であり、医局を出るにも好機といえるでしょう。
 
 開業を視野に入れている医師の方であれば、この時期にネットワークの土台作りに取り組むことをお勧めします。また、転科やジェネラリストへの方向転換を望む場合は、まだ若手といわれるこの時期を逃さない方がいいでしょう。

卒業後15~20年後-臨床医として成熟期

 この時期は医師として脂が乗り切った充実した時期ですが、キャリアチェンジを考える医師が多い時期でもあります。この時期を逃すと年齢的に民間病院への転職が難しくなることや、大学病院であれば大学内で主要なポジションが望めないなど、将来を見据えたキャリアチェンジを望む医師が多いようです。
 
 また、経験が尊重され要望が通りやすいときでもあり、希望の勤務先が見つけやすい時期でもあります。開業をお考えの医師であれば、このタイミングで決断するのがベストです。年齢が上がれば、金融機関からの融資が困難となり、タイミングを逃してしまう恐れがあるため注意してください。

卒業後25年から30年-定年を視野に考慮

 この時期は医師としての円熟期。管理職や指導者としての立場や責任が増す時期であり、また、役職や肩書を望む医師が増える時期でもあります。
 
 このタイミングでキャリアアップを考える場合、年齢的にも定年を視野に入れて考えた方がいいでしょう。臨床研修指定病院での指導医やクリニックの院長職など新たなキャリアを積むことも可能です。
 
 また、タイミングによっては指導者として大学へ戻るという選択肢もあるかもしれません。どちらにしても自身のライフスタイルに合わせたキャリアアップが可能な時期といえるでしょう。

女性医師はキャリをムダにしないで

 女性医師の場合もこれまで述べてきたタイミングでキャリアアップを考えたいところですが、出産や育児などでキャリアがストップしてしまうこともあるかもしれません。最近では、大学・民間を問わず女性医師のための制度が導入されている医療機関も増えており、働きやすい環境が整ってきています。
 
 一方、数年のブランクは専門領域の急性期医療には復帰が困難となることもあり、キャリアアップを断念してしまったり、単発のアルバイトなどでキャリアをムダにしてしまう女性医師も少なくありません。専門医取得後は、復帰後の職場を確保しておくのが理想的といえるでしょう。大切なのは諦めないこと。キャリアがストップしてしまわない方法を考えてみてください。
 医師は本人が望めば一生「医師」として通すことが可能な職種です。自身がどのようなキャリアを望んでいるのかじっくり考え、将来を見据えたキャリアプランを立てる必要があります。そして、ご紹介したタイミングでプランの修正を行いながら、一歩ずつキャリアを重ねていくようにしましょう。
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