胃がんに注意、意外に知らないピロリ菌の実態

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)って

 
 日本の20歳までの若い人たちのピロリ菌の感染率は低く、20%以下の低い値を示しています。これに対して50歳以上の世代では、感染率が80%と極めて高い状態を示しています。
 
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌) – goo ヘルスケア

 
 ピロリ菌は口径から感染し、胃に住み着く細菌です。感染すると胃の粘膜に毒素をもたらし、粘膜を損傷します。十二指腸潰瘍や胃潰瘍等を引き起こすこともあります。菌が長期間定着すると萎縮性胃炎を引き起こします。萎縮性胃炎は胃がん患者の殆どに見られる状態で、胃がんの前がん病変と考えられています。長年胃の中では塩酸が菌を殺してしまうため、菌は生きられないと考えられてきました。ピロリ菌はウレアーゼという酵素を多くもち酵素が尿素からアルカリ性のアンモニアを生成し、胃酸を中和するため胃の中でも生きられると考えられています。この時生じたアンモニアが胃を炎症させる原因と言われているのです。

胃がんのリスクが高いピロリ菌

 
 ピロリ菌の感染者は非感染者にくらべ、5.1倍、胃がんになりやすいことがわかりました。また、過去に感染歴のある人の胃がんリスクは10.2倍に上っています。
 
胃がんのリスク5倍! ピロリ菌ってなに? – goo ヘルスケア

 
 ピロリ菌が長期間胃に住み着いていると萎縮性胃炎の状態になります。萎縮性胃炎が長引くと胃の粘膜が損傷し、胃液や粘液を分泌しづらい状態になり、様々な胃の病を引き起こすと考えられています。胃がん患者の殆どに萎縮性胃炎の状態があり、統計データからもピロリ菌保持者が胃がんになる可能性が高いことがわかっています。まだピロリ菌と胃がんとのはっきりした因果関係は分かっていませんが、大切なのは、ピロリ菌に感染しているか検査でチェックをすることです。検査により胃がんを発症するリスクを回避することが可能です。

意外に多いピロリ菌の感染者数

 
 2005年現在、世界人口の40-50%程度がヘリコバクター・ピロリの保菌者だと考えられている。日本は1992年の時点で20歳代の感染率は25%程度と低率であるが、40歳以上では7割を超えており発展途上国並に高い
 
ヘリコバクター・ピロリとは – goo Wikipedia (ウィキペディア)

 
 全世界人口の約半数の人がピロリ菌に感染していると考えられています。日本でも約50%の人がピロリ菌に感染しているとされていますが、10代には少ない傾向があり、年齢層があがるにつれて感染者数が増加してく傾向が見られます。全世界的に見ると、発展途上国は感染者数が多く、先進国では少ない傾向があることから、日本でも、衛生環境の向上に伴い、減少していくと考えられています。まだ衛生環境が整備されていなかった小児期に感染した50代以上にピロリ菌保持者が多いのはそのためです。
 
 全世界の感染者数は約30億人と推定され、日本の感染者数は約6万人と推定されています。

ピロリ菌って除菌できるの

 
 ピロリ菌は抗菌薬を服用することで除菌することができます。
 
ピロリ菌の除菌治療を効果的に行うために – goo ヘルスケア

 
 ピロリ菌の胃がんへのリスクを押さえるためには、除菌が有効です。除菌するためには、3種類の薬剤を1日に2回1週間服用する必要があります。その後検査を行い、まだ除菌が確認できなければ、3種類服用した薬剤の1種類を変更して再度服用します。
 
 3次除菌まで繰り返してピロリ菌を退治するのです。服用する薬は胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害という薬とペニシリン系抗菌薬であるアモキシシリン、マクロライド系抗菌薬のクラリスロマイシン等になります。

 ピロリ菌は住み着くと恐ろしい病へと変化していきます。しかし、ピロリ菌を保持していることは、検査によって、見つけることができます。検診を定期的に受診してピロリ菌の早期発見をし、除菌することが、胃がんのリスクを回避することになります。全人口に多いピロリ菌ですが、早期に見つければ怖い菌ではありません。