戦争や災害だけではないPTSDの原因

多様化してきたPTSDの原因

 PTSDとは、心的外傷により生じた過覚醒症状や回避、侵入症状といった症状が1ヶ月以上続いている状態を指す障害です。1ヶ月未満の症状はASDにあたります。
 
 
 ASDは、大きなショックを受けた後の正常な心の反応といわれる
 
急性ストレス障害(ASD) – goo ヘルスケア

 
 PTSDはベトナム帰還兵が負った戦争体験による精神的な後遺症が社会問題となり、精神障害として認知されました。戦争の他、災害、事故や事件、虐待、家庭内暴力などさまざまな出来事がストレッサーになります。必ずしも生死に直結しないセクシャルハラスメントやモラルハラスメント、パワーハラスメントによる被害による障害も含まれるという見方もあります。
 
 

 子どもの場合には、虐待や無視・放置、他者の被害の目撃が成人以上に外傷となり得ます。単に、人から悪口をいわれたとか、裏切られたなどの体験は含まれません。
 
PTSD(外傷後ストレス障害) – goo ヘルスケア

 
 被害の当事者として体験した出来事ではなくても、心は衝撃を受け、トラウマとなりえます。離れた地域で大震災のニュースに繰り返し触れていたことで、症状が起きたケースもあります。

PTSDの3つの症状

 過覚醒症状、回避、侵入症状の3つの症状が起き、生活に支障をきたします。
 
 ・侵入症状
 PTSDの原因となった衝撃的な体験が感情や感覚を伴って蘇るフラッシュバックという症状が起きます。睡眠中に悪夢として蘇ることもあります。
 
 ・回避
 原因となった衝撃的な体験の想起を避けるために生じる症状です。感情が鈍くなるとともに、無関心、無気力になります。体験の記憶を部分的に喪失するケースもあります。
 
 ・過覚醒症状
 緊張状態が続き、精神状態が安定しません。睡眠障害や過呼吸発作、極度の不安、警戒などがみられます。
 
 
 PTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症率も男性の2倍、摂食障害の患者数も圧倒的に女性の方が多くなっています。
 
心の病に男女差はあるの? – goo ヘルスケア

 
 男性に比べて女性の患者数が多いのは、女性ホルモンの影響によるものと考えられています。

PTSDの治療

 過半数は普段通りの生活に戻ると、自然に回復していきます。安全に回復するためには、家族や友人といった周囲の人々のサポートが必要です。専門的には、心理療法や薬物療法が行われます。心理療法には、眼球運動を用いるEMDRや持続エクスポージャー療法などがあります。持続エクスポージャー療法はPTSDの治療のために開発されました。外傷の原因となった体験について治療者と話し合いを重ね、トラウマと向き合い、回復を目指す療法です。
 
 
 アルコール依存症や摂食障害を合併しているケースも多く見られます。
 
PTSD – goo ヘルスケア

 
 うつ病やパニック障害、適応障害、境界性人格障害など、PTSDの合併症だとみられている疾患は多数あります。PTSDの治療は、これらの合併症の治療にも繋がります

 衝撃的な体験の後に、侵入症状、回避、過覚醒症状が続いているとしたらPTSDかもしれません。自然に回復しない場合は専門医の診断を受けてください。EMDRや持続エクスポージャー療法といった効果的な心理療法があります。