「産後クライシス」より深刻な「産後うつ」とは

話題になった「産後クライシス」とは

 
 産後クライシス(さんごクライシス)は、出産を契機として夫婦仲が悪化する現象を指す日本の表現。
 
産後クライシスとは – goo Wikipedia

 
 「産後クライシス」とは産後、新しく赤ちゃんが家族に加わり、これまで感じなかった夫婦の亀裂が入ることです。テレビの情報番組で取り上げられて話題になった比較的新しい言葉で、産後の状態の変化を「マタニティーブルー」や「産後うつ」など妻側だけの問題として捉えるのでなく、夫婦二人の問題として考えるきっかけを作っています。夫の協力のなさや妻のホルモンバランスの変化など、さまざまな理由が積み重なって夫婦の危機に陥ると言われていますが、新しい家族を形成していくうえではむしろ必要な過程とも考えられています。夫婦二人で乗り越えようと協力しあうのが、今後のより良い家族形成にも役に立つでしょう。

「産後クライシス」より深刻な「産後うつ」

 
 産後、数週間から数か月続く鬱病。気分が落ち込む、不安になる、眠れないなどの状態が続き、気力がなくなり、集中力や思考力が低下する。マタニティーブルーは数日から数週間程度で自然に消失するが、長引く場合は産後鬱が疑われる。悪化すると自傷・自殺・幼児虐待につながることもあるため、周囲の支援や適切な治療が必要となる。
 
さんごうつ【産後鬱】の意味 – 国語辞書 – goo辞書

 
 誰が経験してもおかしくないと言われている「マタニティーブルー」は時間の経過とともに自然に無くなりますが、「産後うつ」はどんどんうつ症状が深くなる傾向があると言われています。たとえば次第に育児ができなくなり、ダメな母親、と自分自身を責めたり、周囲の理解や協力が得られず追い詰められていきます。特に赤ちゃんと母親の2人だけで過ごす「密室育児」では、赤ちゃんへの虐待や親子心中など最悪な事態を招くこともあります。

5人に1人が「産後うつ」?

 
 過去の全国調査では産後うつにかかる人の率が13%を超えていましたが、ここ最近は5人に1人くらいの割合に増えているのではというのが、産婦人科外来の現場での実感です。
 
産後の“うつ”な気持ちはなぜ起こる? – goo ベビー

 
 5人に1人は産後うつになっているのではないか、と聞けば、かなり多く感じられるかもしれません。しかし、自分が「産後うつ」であると認識せず、ただ症状に苦しんでいる人が多いのが現状で、潜在的には多くの女性が「産後うつ」になっているのではないかと言われているのです。「産後うつ」は心の病気で、深刻になる前に適切な治療や環境改善をしなければ完治するのは難しいと言われています。短くて1ヶ月程度、長い人では1年から2年以上も「産後うつ」続きますので、早く症状に気づくことが大事でしょう。

「産後うつ」にならないために

 
 出産後に気分が落ち込み、子育てに対する過度な不安を訴える女性が周囲にいたら、「一人ではない」ことを伝えつつ、話を十分に聞く時間をつくりましょう。産後うつ病の発症にも予防にも、パートナーの言動が大きな影響を与えることは言うまでもありません。
 また、産後に「気分が落ち込む」「赤ちゃんに無関心」「赤ちゃんを心配し過ぎ」「疲れやすい」「眠れない(特に早朝覚醒)」「原因不明の頭痛や腹痛」な ど、産後うつ病が疑われる症状が続いたら、親しい友人や医療機関、カウンセリング施設、あるいは公的機関などで話を聞いてもらうことが大切です。
 
女性は男性よりうつ病になりやすい – goo ヘルスケア

 
 雑誌やテレビでは、キレイなママタレントたちが育児を楽しんでいる様子が報じられています。しかし実際の育児は24時間ずっと赤ちゃんのお世話に追われ、思い通りにいかないことばかり。こんなはずじゃなかったのに、と現実と理想のギャップに苦しむ人は多いものです。しかし「同じ悩みを抱える人は自分の他にもいるんだ」ということを知って、「これでいいんだ」と肩の力を抜くだけでも気持ちは随分と変わります。育児の不安を共有しあう育児サークルやカウンセリングに出向くなどして、自分の中に悩みを貯めこまないようにしましょう。

 「産後うつ」は一部の人のものではなく、比較的高い割合でどんな人にでも起こる可能性のある病気です。特にまじめな性格の人に起こりやすいと言われていて、どんどんと自分を追いつめて行ってしまう人も。自分は大丈夫、と思わず、育児がしんどい、毎日が疲れる、というときは周囲に助けを求めていきましょう。